第531話 急に訪れた3日間。
イブとライブが王都にお泊りに行くだけで話は終わらずに「ミチト、行きにサルバンに連れて行って。ようやく落ち着いたから兄様達の所に行って安心させたいわ。あ、メロも連れて行くから」とアクィが言い出す。
結局イブ達もアクィの2泊3日の外泊となって夢だった3日間の休日が手に入ったミチトとリナはヨシから「今月分の生活費、200ゴールドです。まだまだありますから足りなくなったら言ってください」と200ゴールドを渡されて4人の術人間とシック、それと家族6人で先にサルバンに転移をしアクィとメロを残して王都に戻る。
時間が惜しいと言ったミチトはサルバンで挨拶もなしにアクィとメロをおいて王都に移動してしまう。
リミール邸に着くとシックが「いやはや凄い視察になったものだよ」と漏らす。
ミチトは「視察?なんの話ですか?」と聞くとシックは「便宜上さ」と言って笑う。
「一応仕事と言うことで王都を賑わせている冒険者…ミチト君がオーバーフローを経て悪い方に変化をしていないか見届ける仕事だったんだよ。と言うかそうでも言わないと急に何日も王都を離れられないんだ」
これに納得をしたミチトが「あ、そうだったんですね」と言いながら「皆オーバーだよな」と思う。
「ミチト君、イブさんとライブさんの事は心配いらないよカラーガ邸で2泊する事を私とカラーガ嬢で決めたからね。丁度当主達は領地に行っていて無人だというから何も問題はないさ」
「あ、助かります。イシホさんもありがとう」
「いえ、ご安心ください」
「イブ、ライブ、ご迷惑をかけちゃダメだよ?」
「わかってますよ」
「マスターこそリナさんとの夢のぐーたらだからってボケボケになっちゃダメだよ?」
イブは嬉しそうにリナの前に行って「リナさん、ゆっくり休んでくださいね」と言うとリナも嬉しそうに「ありがとうイブ」と返す。そこに来たライブが「帰ってきたら匂いチェックするからね」とジト目で言う。
呆れるリナは「まったく、普通にヤキモチ妬きなさい」と言って2人で笑った。
ここで解散になり、イイーヨ達はイブ達を任せてくれと言い切り、ウシローノ達は訓練の礼を言う。
ミチトとリナは手を繋いで賑わう通りに消えて行き、惣菜やパン、ピザにパスタなんかを買って今回はアルコールも買う。
リナは前回以上に買い物を楽しんでいて口では「待たせてごめんね」と言うが本当に通りの店全部に入ってアレコレ吟味してしまう。
ミチトはその姿すら愛おしいものの、3日貰っていて良かったと思ってしまう。
この間にローサがトウテに行って「2人きりの3日間だから邪魔しないであげてね。うふふふふ」とやっていた。
そんな事を知らないミチトとリナは大鍋亭に帰ると「俺の部屋にしましょうか?」「うん。部屋は隣同士だから違いはないけどね」と言ってミチトの部屋に行くと料理を並べてから服を脱ぐ。
ミチトは認識阻害術と消音術を使うとリナに抱きついて「イブ達が居ないのは心配ですけど2人きりです!」と言うとリナも「嬉しい」と言ってそのままベッドに倒れ込む。
3日は長くてダレてしまうかもなんて言ってみたが甘かった。
昼夜を問わず行為をし、飲食をし、うたた寝をし、そして笑顔でずっとお互いを労ってこれからに夢を広げてまた行為をする。
あっという間に3日目を迎えて「足りません」「うん。足りないね」と言って笑った。
3日目の夜、先にアクィ達を迎えに行ってからリミール邸に向かうとイブとライブは可愛らしい洋服姿でミチト達を待っていた。
ミチトに洋服を見せながらイブが「マスター!お休みどうでしたか?」と聞くとミチトは「うん、ずっと、ゴロゴロダラダラできたよ。ありがとう」と返す。
この言葉にライブが「まあオーバーフローからほとんど寝てなかったから仕方ないよね」と言うとミチトも困った顔で「うん。油断すると後3日くらい寝ちゃうんじゃないかって怖かったよ」と言う。
リナが「ゆっくり眠ればいいのに眠ったら起きないかもしれないから起こしてって言うから6時間くらいで声かけたりしたんだよ」とヤレヤレ顔で言うとライブが「起きないかもは怖いよね」とこの数日間を思い出して言う。
「でもイブはマスターとリナさんが楽しかったみたいで安心しました!イブ達も楽しかったですよ」
イブの顔が本当に楽しそうだったので「良かったね」と言ってイイーヨ達に「イイーヨさん達もありがとう」とミチトが言うとジト目のイイーヨが「マスター、ちょっと不満ですよ」と言ってきた。
「え?」と聞き返すと「イブさんはプリン好きって言うから王都で1番人気のお店に招待しようとしたらマスターと食べに行くからって断られました」と言い、それを聞いていたイイダーロも「あー、それ俺もです。ライブさんに宝石をプレゼントしようとしたらマスターと行くからって断られましたー」と言ってジト目で睨んでくる。
ミチトはちょっと困った顔で「あ、ごめんね」と言って済ませる。
一応弁明のようにライブが「でも服は沢山買ってもらったよ」と言ってイイーヨ達の不満を払拭させようとするとイブが「見てくださいマスター!イイーヨさんが下着も買ってくれましたよ」と言って少しだけ服を脱ぐ形で胸元を見せてくる。
大きな谷間の出来ている胸元にはイブによく似合う空色のブラジャーが見える。
「イブ、はしたないよ!」
ミチトは慌てて「アイリス!ダメだよ」と伝心術を使う。
「あはは、ごめんなさい」
アイリスも「恥ずかしいけどイブならこれくらいするかなって思ったの。ミチトさん、似合ってますか?」と伝心術で話しかけてくるのでミチトは「ノーコメント」と伝心術で伝える。
「眼福です!」
「イブさん!あざーっす!」
そう言って盛り上がるイイーヨとイイダーロにオヤジミチトは「…訓練…しようか?」と話しかけるとそのまま「ウシローノさん、イシホさん、マスターとして支配力を上げるから模擬戦。イイーヨさんとイイダーロさんを圧倒して」と言って2人をけしかける。
スレイブ化した2人はあっという間にイイーヨとイイダーロを庭に連れ出して片付けると気が済んだミチトは「ありがとう」と言って機嫌が直る。
ボロボロのイイーヨとイイダーロは「マスター…」「酷いっす」と言って庭でくたばっていた。
その間、アクィはイブの胸をゆさゆさと持ち上げた後で両頬をつねりながら「憎い!憎いったらないわ!」と怒っている。イブは「いひゃいれふよー」と言って笑い、ライブが指を指してケラケラと笑っていた。
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