第4話 まだまだご立腹の大魔王様
「これを陛下に見せるんです」
「でも、マリアベーテルの部分が…」
「勿論、カット編集してからお見せします」
ああ、良かった。自分の泣き顔なんて、他人に見られたくない。
「マリアの可愛い姿は俺様だけのもの」
何だか妙な言葉が聴こえた様な気がするけど無視しましょう
「これだけで婚約は破棄できるし、国からは罪人として、処罰されます。侯爵家と伯爵家にはそれ相応の慰謝料を請求します」
ニッコリ微笑む悪魔の様な笑顔が怖い
はあ、これで何回婚約が無くなったのかしら。
もう、後は王家との縁組みだけなんだけど…
確か王子は三人いて私は二人しか知らないんだけどね…
第二王子は病弱で表の舞台には出たことがないのよね
あの二人には悪いけど、私を裏切って浮気したんだから責任は取らないとね
私が口出しする事も許されず、話は父と義兄の間で進んでいった
*******
数日後、確認の為に私と父が呼ばれた。
何故か義兄は付いて来なかった。
不思議ね。そう言えば王宮には近寄らないわね。
謎が多い義兄
私を束縛しようとする義兄
王宮に足を踏み入れない義兄
一体、貴方は何者なんでしょう
家に来る前の貴方を私は知らない
まあ、知りたいとも思わないけれど
「国王陛下、この間の婚約の件ですが、破棄という形を取ります。そして、これが証拠の映像です」
王宮の謁見の間には、審査官と宰相・法務大臣が見守るなかそれは、流れていった。
何だかナレーションもつけられて、まるで結婚披露宴で流れそうな壮大なドラマの様な音楽まで流れている。
凄い、物凄い執念を感じさせる様な出来映えに国王陛下始め重臣の方々が若干引き気味なのは気のせいだろうか?
私も驚いた。これを編集したのは義兄なのだから、どれだけ盛ってるのかしら
凄い労力をかけてる
よっぽど暇だったかな?
そんな訳はないよね
「えー、ゴホン、な、内容はわかりました。早急に審議に掛けます。後は神殿にも見せることになります」
えっ、これを神殿の神官様に見せるの?
あんな清らかな生活をしている人にこんな不埒な映像を見せて大丈夫なのかしら
あの映像には続きがあって、私が知らなかった場面が追加されていた。
所謂、彼らの閨の画面が映し出されていた
私は今、一刻も早く立ち去りたい気持ちなのに、この後、国王陛下から爆弾が投下される事になろうとは夢にも思いません
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