第45話 成り行きか決心か


朝、記憶が、甦てくる。

もう少し、寝ていたい。柔らかい物に顔をうずめて、眠ってしまった。


また、記憶が戻って来る。柔らかくて気持ちいい。

そのままそれを抱きしめて・・えっ、顔に何か、ぷちって・・。

いきなり体を抱きしめられると、柔らかい物を押し当てられた。先端に少し当たるものがある。・・うん。えっ。


そっと、目を開けると胸、胸、ピンクの乳首・・。へっ・・。

「絵里奈?・・」

「うん」

「だめだよ。でもいいか」

目の前にある、それを軽く口に入れ、柔らかく揉み始める。

「あん・・」


うん、何か。少しだけサイズが・・。それに声も。

頭までかけていた、毛布をゆっくりと開けると

「麗香」

「あっ、お兄ちゃん。良いよ、このまま続けて」


「だめ」

そう言って、毛布を払いのけようとすると、毛布にくるまれて、パンティしか履いていない麗香の体が、有った。


「いつの間に」

「昨日、お兄ちゃんが、寝てる時。話しできるかなと思ったら、全然起きなくて・・。

私も寝ちゃった。えへへ」


「だめだよ」

「前にも言った。私を異性として見てって。もう受験も終わった。お兄ちゃんと一緒にこうしていたい。絵里奈さんか、花屋さんか決められないなら、決められるまで、ううん、決めても、お兄ちゃんの二号さんでいい。私をお兄ちゃんの女にして。私はそれでいい」


「・・・・」


何を言っているのか、理解できなかった。麗香は、大切な妹。それ以外の何物でもない。

「無理言わない」


「お兄ちゃん、私のおっぱい、揉んで舐めたよね。もう関係出来たよね」

「それは・・」

「いいんだよ。私の初めても全部あげる。だから・・」


そう言って、強く僕に抱き着いて来た。

「麗香・・」


少しだけ、抱きしめてあげた。胸に柔らかい物が当たっている。いつの間に・・。

体を離そうとしたが、必死に抱き着いてくる。顔は、僕の肩に。


「麗香。気持ちは、良く分かった。今は、下に両親もいる。今度もう一度ゆっくり話そう」

「本当に本当。私がお兄ちゃんの女になる話だよ」

「・・。それも含めて今度にしよう。そろそろ起きないといけない時間だよ」

ちらっと時計を見るともう八時近くになる。

「離れて」

「うん」


麗香は綺麗な体をしていた。目を逸らそうとすると、僕の顔を掴んで

「よく見て。貴方の妹は、もう十分女性だよ。お兄ちゃんの為に大人の体になったんだよ」


目の前に麗香の綺麗な胸が有った。妹の両手を掴んで

「分かったから。麗香に乱暴な事はしたくないから、もう部屋に戻りなさい。必ず後で話すから」

「分かった」


寂しそうな顔をしてパンティしか履いていない体をベッドから降ろすと脱いであったパジャマを胸に当てて、出て行った。


「はぁー。どうなっているの」



妹とはいえ、起きるまで少し時間がかかった。今は両親がいる。きちんと着替えて、顔を洗いに一階に降りると麗香が、何も無かったように

「あっ、お兄ちゃん、おはよう」

「大樹おはよう」

「おはようございます」


洗面所で顔を洗いダイニング行くと父親がコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。

「大樹、起きて来たか。朝食の後、リビングで話そうか」

「何の話なの」

「絵里奈さんの事だ」

「えっ」

コーヒーを口に含む前で良かった。

「絵里奈の事?」

「そうだ。まずは朝食を取ってからにしよう」



リビングに両親と一緒にいる。

「絵里奈さんのご両親から聞いた話だが。絵里奈さんとは、親密なお付き合いをしているようだな」

それだけ言うと、じっと僕の目を見た。


「そうだけど」


「そうか。絵里奈さんは、お前を愛していて、結婚を望んでいるそうだ。だが、大樹が中々、決断してくれないと言っている。

まあ、お前にも色々理由はあるだろうが、向こうさんは、婚約とはいかないまでも、お前の気持ちをはっきりと聞きたいと言っている。お前は絵里奈さんどう思っているんだ」


「好きだよ。大切にしたいと思っている」

「じゃあ、何も問題なじゃないか」

「・・・」


「お父さん、一方的に言い過ぎ。大樹が考えているという事は、思うところあるからよ。もう少し、話をゆっくり進めましょ」


助かるよ。お母さん。


「大樹、絵里奈さん以外に誰か好きな人がいるの」


何も言わずに頷いた。


「そうなのね。その人には、どんな気持ちでいるの」


「・・愛している。側にいると心が落ち着く。控えめで、心が優しくて。芯をはっきりと持っている。

 絵里奈がいる事も知っている。でも彼女は言ってくれた。僕の幸せを最優先にしてほしい。僕のどんな選択も受け入れるって」


「・・・」

「・・・。そう優しい方ね。その言い方だと、大樹はその人を選びたいみたいね」


首を横に振った。


「桂、柳瀬桂さんと結婚したいと思っている。でも絵里奈の気持ちも分かるし。

僕も絵里奈の事は好きだ。桂と全く違う性格だけど、結婚しても幸せになれると思う。

 それに絵里奈とは、幼馴染。三橋家と我が家は昔からの付き合いがある。だから、選択できない」


「・・・」

「そう言う事ね」


・・・・・。



「あなた、昨日のお話は、私たちが、帰国するまで、待ってもらいましょう。大樹の心の準備もある事だし。来年四月には任期も終わるのよね。お父さん」


「分かった。大樹。今回の依頼は、先延ばししよう。理由はどうにでもなる。

だがな、お前が先延ばしすればするほど、二人のお嬢さんの心が深く傷つく事になる。

それは、親として看過できない。後、四か月ある。その間に、柳瀬桂さんと三橋絵里奈さん、どちらを選ぶか決めなさい」


父親の瞳の奥にある、何かが、強く僕を見つめた。これが、大企業でニューヨーク支店長までなれる人間の目か。関係ない事と思ったが、決断しろと言っていることが、強く理解できた。


「分かりました。来年四月までに心を決めます」


二日後、両親は、ニューヨークに戻った。


僕の心は、半分以上決まっていた。



―――――


大樹の決断とは?


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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