第12話 三橋絵里奈視点


今回は幼馴染(三橋絵里奈)視点から


―――――

私は、三橋絵里奈。ずっとこの街に住んでいる。私の家の前は、広瀬大樹と言う男の人が住んでいる家がある。

生まれた時からいつも一緒と言っても過言でない位、側にいる人。


今は、もう二三才。私と同じ年齢。両親が仲良かったこともあり、物心つく前から、大樹は私の側にいた。


幼稚園、小学校、中学校、高校とずっと一緒。登校する時も下校する時も、特に用事がない限り、一緒だった。小学校までは、一緒にお風呂にもよく入った。

私の体が、女性になり始めた頃、親に言われ止めにした。私としては、良かったんだけど。


中学校、高校のテニスクラブも一緒に入った。大樹が一緒なら安心だから。

テニスをやっていたせいもあるのか、良く告白された。でもすべて断った。はっきり「好きな人がいる」と言って。

 大樹も良く告白されていたみたいだ。なんて言って断っていたのかは、知らない。


 小学校位までは、身長は同じ位だったのに、中学位から差が出てきた。今、大樹は私より一三センチも大きい。顔だって悪くない。性格も私にはとても優しい。


周りは、付き合っているのと聞かれるけど、これだけ一緒に居ると、姉弟?兄妹?の感じかな。中学終わり頃、高校に入学した辺りから、周りも公認の“付き合っていない恋人達”みたいに見られ、高校二年になった頃からは、告白とかも無くなった。

私たちが五才になった時、大樹に妹の麗香ちゃんが出来た。

我が家は、私一人。最初は可愛くて二人で可愛がっていた。

小学校位から、頭がよく、礼儀もしっかりしていた。やはり人気があるようだ。幼稚園、小学校、中学校、高校と私たちと同じ学校に行った。


 でも麗香ちゃんは、普通の女の子と違っていた。

麗香ちゃんが、高校に入った頃から、私は気付いた。麗香ちゃんは大樹に兄妹以上の気持ちがあることを。


 大樹は、全く気付いていないようだが。同じ女性として、私には分かる。もちろん兄妹だから、恋人関係にはならないだろうが。でも私の心の中に、もやもやした気持ちが出てきた。


 大学は、同じところに行くつもりだった。大樹の行った大学にも建築学科はある。でも私は、別の大学を選んだ。


 このまま、大学も一緒だと、気持ちがコントロールできないのが分かっていたから。でも大樹は、別の大学に行っても、今まで通りになんでも私に話してくれた。大学での生活も大樹に彼女が出来そうな時は、さりげなく邪魔をした。


私は、容姿、頭脳ともに自信がある。デート中に、いかにも偶然に会った様に見せかけて大樹には、私がいるのよとアピールした。


作戦はうまくいき、恋人になる以前に相手を大樹から離すことができた。大樹は私がいるから、他の人は近づけさせない。

大樹は呆れた顔をしながら、私の我がままを許してくれた。


でも、今は社会人。会社も違う。大樹はITの会社。私は建築設計の事務所。本当は、大学も出たし、お互い責任取れる年齢だから、私の方が、変な虫がつく前に、積極的に行こうと思ったが、今までの大樹への接し方が、身についてしまい、どうしても強く出てしまう。


いつも、私が、一方的に言うだけ。でも大樹は、絶対に私のお願いを断ることは、なかった。


この前の誕生日パーティの時だって、赤い薔薇と白い薔薇を送ってくれた。アクセサリはいつもの路線だったけど。


大樹は言ってくれた。『僕は、絵里奈にNoという言葉は持っていないよ』って。

だから、大樹は、私を選んでくれたと思った。時期が来れば、プロポーズもしてくれて、私の初めても大樹にあげて、結婚して、可愛い赤ちゃんが出来て、素敵な生活が待っていると思っていた。


 だから、安心して大樹に甘えた。どんな時でも、私の言う事を聞いてくれる。だからこの前も酔いに任せてと思ったが、強いては事を仕損じる。の諺もある。徐々にしっかり接していくつもりだった。ついこの前までは。


大樹に彼女がいる事が、この前分かった。緑川と言うらしい。多分、表参道の改札口で大樹と待合せた時、明らかに周りとは別の目で大樹を見ていた女性がいた。あの人だろう。


大樹はモテる。無自覚なところが少しあるが。だから、社会人になった時、もし、大樹に彼女が出来ても、私が、大樹の一番である限り、別に許してやろうと思っていた。でも体の関係は、私が一番先。その傾向があれば、無理にでも大樹の初めては、私が貰う。もちろん私の初めても。


本当にそう思っていた。まさか、既に彼女がいて、体の関係を持っていたなんて。それも何回も。


私の計画が狂った。大樹の心は、既に他の女性の元に。挙句喧嘩してしまった。

どうすればいいの。



――――

幼馴染の絵里奈さんの気持ち。・・難しいですよね。


面白そうとか次も読みたいなと思いましたらぜひ★★★頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。


お願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る