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『このメッセージをパパが聞いている時、そちらではどれだけの時間が経っているかわからないね。わたしたちの中ではまだ五年だけど、パパにとってはもう何十年かな。
来月から
大丈夫、心配しないで。わたしたちには何も影響はないから。何かが中断されてるなんて思うことは全然ない。瞬きするのと同じ。もう経験したっていう他のサーバの人はそう言ってる。
そりゃあ、パパからしたらサーバの電源を落とすなんて心配事かもしれないけど、ちゃんと期間が決められていて、今までだってちゃんと復旧してる。
他のサーバもやってることだし、こういうのって持ち回りだと思う。みんなが生きていくには、助け合っていかなくちゃ。パパだって、そう言ってたでしょ?
パパがそちらに残る理由がようやく、本当の意味で理解できた気がするわ。誰かが平和に暮らすためには、誰かが身を賭して働かなければならない。わかってるつもりではいたけど、やっぱりちゃんと理解しきれてはなかったみたい。ごめんね、パパ。
……。
本当は、ちょっと怖い。これっきり、もう終わってしまうんじゃないかって思う。
……。
ううん、そんなことはない。大丈夫。
何事もなく全部が済んで、何でもなかったようにまたこうしてメッセージを送ってるはず。そうだよね、パパ?
でも一応、これだけは伝えておくね。言えるうちに言っておく。
パパ。
過去にばかり囚われないで。
前を向いて、生きるために歩き出して。
……。
なんだか遺言みたいになっちゃったね。
大丈夫。必ずまた会える。必ず。
次に会うパパは、もうすっかりおじいちゃんになってるかもね。白いひげをたくわえた、おじいちゃんカウボーイに。
元に戻ったら、またメッセージを送るね。
だからその日まで、どうかお元気で。
バイバイ、パパ。いつまでも愛してる』
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