1話 身代わり

カフェ。


目の前には美少女。信じられない、フリーターでコミュ障39歳男に。


「実は彼氏と別れて・・お金も家もなくて、ふらふらしてて」


悩んでるのか・・


「つい話しかけちゃってごめんなさい」


「いいい・いや」

まともに話せない。


「それで、誰でもいいから話したいって」


そうなんだ、なんてラッキーなんだ、いや喜んだら悪いよな。


「お仕事帰りですか?」


「う・うん」


「へー社会人って憧れる、かっこいい!」

俺の腕を触った。


「!」

急接近して興奮してしまった。心が躍る。


「私の家に来ませんか?」


なんだって!?そうか、今までの不幸が走馬灯のように思い出す。

これまでの不幸は、今日の日のための帳尻合わせだったのか


ーーーーー


俺は男としての様々な妄想をしながら、朝比奈 舞ちゃんの家に向かう。

欲望を全て発散出来るんだ・・


「待ってください。元カレから連絡が・・」

足を止めてスマホ見てる。通知が来たらしい。


「やっぱり。遠回りしてこ」

手を組まれる。ああ、幸せ。


一通り少ない裏道。


「どうしよう」

舞はスマホを見て固まってる。

見ると


(借金返せ、殺すぞ)

とのSNS。


「?!」


「見ちゃった?実は・・」


ーーー


舞は元カレに借金があるらしい。理由は舞の病気を治すためらしい。

100万もの借金をしたという。


「どうしよう・・殺されちゃう」


・・・


「・・俺が、出すよ」


「えっ?」


助けてあげたい。今なら給料出たばっかりだ。


「こ・・これ」

財布に合った、キャッシュカードを出す。


「でも、いいの?」


「・・う・うん」


「今日中に5万円必要なんだけど、大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫だよ」

コンビニのATMへ。腕を組みながら、まさに天国。

全財産20万。


「生活費と家賃どうしよう・・」


舞の言葉に


「いいの?ありがとう!」

俺は全財産20万円貸した。


抱きつかれた。


ああ、生きてて良かった。


連絡先を交換し、また会う約束をした。


ーーーーー


それから朝比奈舞との、連絡は途絶えた。

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おじさんはJKの横でごはんを食べる 沢山そらい @reserve_walk

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