番外編1

作者より


きなこもちです(^^)/

今回は番外編です。

「なんで番外編書くの?」と聞かれたらこう答えます。

そう、ホントに出番が少ない。

なぜなら、私が武士の描写が苦手だからです。

まだ、柊真は最初の方で存在感が大きかったからいいんだけど、和とか全然出てきてない!

改めて数えたところ、和が話した回数(「」を一つと数える)は、驚異の(?)17回。

作者すら名前を忘れていました…(ホント)

二人の江戸での名前、覚えてる方いらっしゃいます?

柊真のキャラとか好きだったんですけどね。

二人からクレームが来る前に(笑)『番外編1』として二人の日常を描こうと思います。

武士の描写は下手くそだと思いますが、そこはお気になさらず、読んでいただけると幸いです。




「ふぁーぁ」

「梅次郎、気ぃ緩めちゃダメだよ。いつどこから曲者が来るかわからないんだから。」

「はい。」

俺−柊真−は、もう一度あたりを見回す。

俺が城で働き始めてから1ヶ月。だいぶ慣れてきた。

俺たちは今、城の見回りをしている。

なぜかというと…、最近忍者がさらに侵入してきたからだ。

それを見つけたのは、俺。

見つけた瞬間、俺は鞘をつけたままの刀で、忍者の脳天をボコッ、忍者は木から落ちて気を失った。

忍者、好きなんだけどなぁ。

でも、城の平和のために、やっつけなきゃいけなかったんだよね、うん。←未練タラタラ

回想と自分の慰めをする。

すると、

ガサガサ

音がした。木の上からだ。

まさか、曲者?

「梅次郎。」

「はい。」

そして、刀を抜き、構え、木の下に行き…

「「曲者!」」

「ワン!」

そこにいたのは…

「「犬?」」

あ、ありがちな展開だ…。

「あ、ワン太!」

「ワン太って、松太郎さん、知ってる犬ですか?」

「うん、ここに来る前に会った犬でね、すっごい懐いてきたんだけど、その時は一緒にいられなかったんだ。…お前、ついてきちゃったのか?」

松太郎さんは、犬(ワン太)を木からおろすと顎の下を撫でた。その時、

シャァッ

犬(ワン太)は、松太郎さんの手を引っ掻き、松太郎さんの手の中から飛び出した。

そして、俺のところに飛び込んでくる。

「わ!」

慌ててキャッチすると、犬(ワン太)は、すうすうと寝息を立てて寝てしまった。

松太郎さん、どう見ても懐いてないですけど。

「わ、寝た、かわいい〜♡」

全然気にしてない。

てか、どうしよ、これ。

俺はどうやらゴッドハンドらしい。

動物園のふれあいパークみたいなところでうさぎ抱っこしたら寝たとか、馬に乗馬したら馬がそのまま寝る体勢になりかけたとか。

小学一年の時、徒競走で一位になった明がいきなり抱きついてきて、一秒後耳元でいびきがしたとか。

あれは流石にびっくりしたな。てか、慌てた。

明って…動物に近いのか?

そんなことを思っている時、松太郎さんが言った。

「ワン太、どうしようかな。」

「ウチで飼います?」

「そうしようか、他の人には秘密で。」

「秘密で。」

二人で笑う。

そして、明のことを想う。

いつ、明に会えるだろうか。

そんなことを思いながら、俺は犬(ワン太)を撫でた。


俺たちは長屋にワン太を持ち帰ると、まずは寝床を用意した。といっても、箱に落ち葉を敷き詰め、その上から布を敷いた簡単なものだが。

そして、その夜。

「クゥーン、クゥーン、ワオーン!」

近くで声がして、ガバッと飛び起きる。

見ると、ワン太が起き上がって、鳴いていた。

ぎゃー、鳴かないで!

「おい、うるせぇぞ!」

隣からの怒鳴り声。松太郎さんは起きる気配なし。

うわー、どうしよ。

その時思い出した。

俺がゴッドハンドの持ち主だったということ!

慌てて、俺はワン太を抱く。

すると、まもなくワン太は眠りについた。

そして、そこで俺の意識も途切れた。


次の日。

勝手に犬を飼った俺たちは、多方面から叱責を受け、ワン太飼育計画は1日にして終了した。

ワン太をどうしようかと思って、城の門の前をうろうろしていると、後ろから声をかけられた。

「そなた。」

「はい。」

後ろを振り返って、驚く。

その人は、うちの藩の藩主だったのだ!

慌てて首を垂れる。

「表をあげよ。」

俺は、ゆっくりと顔を上げる。

「その犬、私にくれぬか?」

「えっ…」

「娘の静姫が犬が好きでな、そろそろ江戸に参勤交代で行くので、連れて行こうと思うのだが、良いか?」

「は、ははあ。」

ワン太を手渡すと、藩主は去っていった。


「ワン太、藩主様に貰われていったのかぁ。その静姫の元で幸せになれるね。」

「はい。」

その静姫が、『タイ脱』で重要な鍵を握ってくることを知るのは、もっと後のこととなる。



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