第12話

てくてくと、私たち三人は歩く。

 「お玉さんは、どこに住んでいらっしゃるのですか?」

「海の近くじゃ。」

「じゃあ、私たちと目的地は近いかもしれないですね、小雪さん。」

「お主達は、なぜ伊豆国を目指しておるのじゃ?」

「……」

どうしよう。どう考えても話せる内容じゃないっ!

「えっと…」

その時、

「うりゃあー!」

声がしたかと思うと、私たちは男達に囲まれていた!

うわ、鍬やら刀やらを持ってるじゃん!

静姫との会話を止められたと言う点では救世主、でも、命の危機に晒している点では悪者…てか、明らかにあっちが悪い!救世主とか血迷ったか⁉︎

小雪さんは、男を威嚇するように睨みつつ、さっきの木の棒を握りなおす。

そして、

「ていーやっ」

謎の掛け声と共に、小雪さんは木の棒を振り上げ、振り下ろす。そして、木の棒は男の首筋に直撃!

「きゅー」

痛そう…

「おトキ、後ろ!」

小雪さんに言われ、慌てて振り向く。

そのとき、私の拳は宙を舞い、襲ってきた男の頭ににクリーンヒット!

「ぐあっ」

あー、ごめんなさーい!

「おトキ!」

「はい⁉︎」

小雪さんの方を振り向いたそこには男!

「きゃぁぁぁぁ!」

無我夢中で殴りまくる私!

気づくと男は地面に倒れ込んでいた。

ホントに申し訳ない!

他の奴らは小雪さんが成敗し、私たちに訪れた平和な時間。

「おトキって…最強?」

まぐれです。


「ふうー、ついたぁ。」

やっとこさ伊豆国に着いた私たち。

「海が綺麗だなぁ。…⁉︎」

「どうしたの、おトキ…⁉︎」

私たちの目線の先には、大量の男たち。

そして、その中に、

柊真がいたのでした…

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