第7話

「瓦版だよ〜!なんとびっくり殿に使える武士二人が、城に火をつけたんだってさ〜!」

静姫を見た帰り、威勢のいい声が聞こえて思わずそっちを見る。

「瓦版ってなんですか?」

「それはね、21世紀なら新聞みたいなもの。」

小雪さんが答える。

「ちょっともらってこようか。」

「なんでですか椿さん!人混みやばいですよ!」

瓦版持ってる人の周りには50人くらいはゆうにいる。

「なんか予感がするんだよ、いいのも悪いのも!」

そう言い残すと、人混みに椿さんは突っ込んでいった。

        –十分後−

「はあ、はあ。あんなに頑張って人ごみに体をねじ込んだってのに、大したことは書いてなかったよ。『武士の子供が放火した』ってくらいかな。」

「ふう~ん……⁉」

「どうしたんですか、小雪さん。瓦版見ただけでそんな顔になって……⁉」

同じように瓦版を覗き込んだ私も、絶句する。

その放火した武士の似顔絵が、似顔絵が、柊真にそっくりだったのだ……!

              

「あの新入り、目障りですな~。」

「そうですな。殿から可愛がられて。対して頑張ってもいないのに。」

「追い出してやりたいですなあ。」

「そうだ、罪を擦り付けてしまいましょう。」

「何の罪をですか?」

「放火ですよ。」

「おっと、それはいけませんな、わっはっはっはっは」

「はっはっはっはっは……」

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