思惑

 トパーズは、多くの俳優ヒーローを有している初老の男に微笑みかけた。


「相談役、貴方にとっては好都合でしょう」

「何が言いたい、ギャンブル王」


 何を言い出すのか、固唾を呑む周囲をよそに続けられた言葉は更に周囲の空気を張り詰めさせた。


「私がエッグを気に入り、連れて帰ればこれ以上の朗報はないはずという事です。――貴方は出来る事ならば、エッグにこれ以上英雄ヒーローの座を維持していてほしくなく、そして死して名を残して欲しくもない。穏便に今すぐ誰の記憶にも記録にも消え去ってほしいと願っている」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Miss.エッグの秘密(5/11更新) 狂言巡 @k-meguri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ