二章　燐性者

　汝、天に由来する魂と地に由来する肉の狭間に在る汝なれば、信仰の道を修むべし。肉に惑うことなかれ。

　汝、過ちのうちに産み落とされた天使の模像なる汝なれば、模像によりてこそ真理を受けよ。天に在る真理を求むるなかれ。

　汝、天使と本質を同じうする汝なれば、彼我の隔絶をも知るべし。決して驕ることなかれ。

　汝、見えぬ天使を信ぜんと努む汝なれば、見える天使をも信ずるに能うべし。偶像とは汝らの名なり。

　汝、性（せい）に劃（わ）かたれし汝なれば、肉の性（さが）の違（たが）いを包みて魂の共同を求めよ。地上の穢れしこと、福音のなきこと、神の贋物（がんぶつ）なりしことに悲しむなかれ。全ては、叡智を信ぜしより。

　　　　　　　　　　　　　　　『聖書（ケノボスキオン）』所収「天使（アイオーン）の律法」より

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