第14話 体育祭練習後の来客と双子の制服デート

4時間の外での練習が終わり、愛央たち女子を始め、クラスメイトは疲れていた。愛央は2時間も、ホイッスルを吹きながらポンポンを振ったのだ。スズランテープで作ったポンポンは既に使い果たされていた。一方、愛央の特注した方は全然使える。愛央は俺にこう言った。


あお「愛央の揺れるスカートと、体育祭の熱気で、私ついついホイッスルを吹きすぎたかも。すごい疲れちゃった〜」


愛央がこう言った次の瞬間、


あい「きゅぴらっぱ〜」


あいちゃんは超能力や羽があるなどツッコミどころの多い赤ちゃんではあるが、今日のあいちゃんのきゅぴらっぱ〜で出てきたのはなんと俺らの水。

あいちゃんは大喜びでこう言った。


あい「ねーねー、にーにー、おみじゅ!」

あお「あいちゃん・・・ありがとう!」

たく「すげぇな。ありがたく飲むね」

あい「あい/////」


愛央は水を飲むと、首からかけていたホイッスルを机に置き、特注のポンポンを持って、俺の片手を握った。


あお「たっくん!お出かけして、帰ろっ!」

たく「いいけど、飯か?」

あお「たまには外食して、愛央と制服デートしてくれない?///」

たく「顔、赤いぞ・・・」

あお「はじゅかしいの!」

たく(大事なところで噛んでる・・・)


制服デートするのは良いが、今日は俺の塾の友達が来る。それを伝えて納得した愛央をおんぶして俺は家に帰ってきた。160cmの男子が154cmの妹をおんぶするとか、考えただけですごい光景だ。


20分後、塾の友達が家に来た。

名前は佐倉結衣さくらゆい、中学2年生。

うちの妹たちは初めましてなのだが、

あいちゃんは昼寝をしていたので、愛央はあいちゃんにつきっきりだった。


たく「んで結局あじしたんだ?」

結衣ゆい「いきなりごめんね。実は、受験まで1年切ったんだよ。それでさ、私勉強しないといけないんだけど、勉強が苦手で」

たく「あー。分かるよ。勉強が苦手なのは」

結衣「それで、匠の妹さんって、応援が得意だったよね?」

たく「得意だけど・・・愛央、他人ひとのことあんま応援しないしなぁ・・・」

あお「私の事、呼んだ?」

たく「愛央!タイミング良すぎ!」

結衣「初めまして!佐倉結衣です!」

あお「琴乃愛央です!よろしくね!」

結衣「愛央ちゃんって、応援得意?」

あお「チアをずっとやってきたから得意だよ!」

結衣「いきなりで申し訳ないけど・・・私の事、応援してくれる?」

あお「なんで?」

結衣「私勉強が苦手で、来年受験生になるんだ。どうやっても勉強しなきゃいけないから・・・」

あお「・・・いいよ!待っててね!」

結衣「ありがとう!」


愛央が他の人を応援するのは初めて。可愛さ重視でチュールスカートに着替えた。紺のブレザーに、青いリボン。そして、青色のチュールスカート。結衣に向いてそうな青のメタリックポンポンを両手に、部屋から出てきた。


あお「結衣ちゃん、お待たせ!」

結衣「ほんとに応援するの?」

あお「うん!フレ!フレ!結衣ちゃん!がんばれがんばれじゅーけーん!Fooooo〜♡」

結衣「ありがとう!わざわざごめんね!」

あお「だいじょーぶ!結衣ちゃんが受験受かりますように!ふふっ♪」


結衣は嬉しそうだった。愛央に応援してもらい、自信がついたのだろう。結衣は家に帰り、俺らは制服デートへ出かけた。


愛央は制服のチュールスカートをなびかせながら、俺に甘えてきた。


あお「たっくーん、たまにはアイス食べに行きたい!」

たく「行くか?んじゃあ」

あお「うん!」

あいちゃんも一応だっこして連れてきたが愛央と俺のデートなんて、滅多にない。チアリーダーの妹とはいえ、可愛すぎて俺が誘えないのだ。


愛央は結構おとなしめの子に見えて可愛い。その美貌から、過去にスカウトされたこともあるが、「たっくんを入れないのならお断りします!」って言って撒いた。そのくらい、俺が好きで俺がいないと困る存在なのだ。たまに愛央が俺のバイト先へきてお水を持ってきてくれるが、あいちゃんも必ずいるのだ。あいちゃんも俺が好きなのかな。


アイスを買った愛央は、ほかの男子にやらないことを俺にやってきた。


あお「たっくん!あ〜ん♡」

たく「あーむっと。美味っ!」

あお「愛央ね、いちごとりんごのアイスを選んだの!たっくんがりんご、愛央がいちご!」

たく「どちらも甘酸っぱいから?」

あお「うん!」


愛央らしさ、いつになっても、可愛いと。


この一句を読めるくらい、愛央は可愛く、そして成長していった。

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