第8話 泣き出すあいちゃん、あやす匠、華の愛央

保育園に迎えに行った時、あいちゃんが泣いていた。先生は俺らに気づくと、こう言った。


先生「あいちゃんが喧嘩しちゃって泣き出しちゃったの。どうしたらいい?」


まさかとは思ったがそこには確かにあいちゃんともう1人の子が泣いていた。多分どっちかが原因なんだろう。愛央に荷物を持たせて、俺はあいちゃんの所へ近づく。


たく「あいちゃーん、どしたよ?」

あい「あいたん使いたかったのにかちてくれなかった!」

子供「違う!僕が使うはずだったの!」

あい「あいたん使いたかったもん!うわぁぁぁあん!!!」

たく「ちっ」


思わず舌打ちが出てしまった。キレるとよく出るのだ。しかも相手は6歳児。うちの妹、愛華は0歳児。歳が離れた喧嘩とかバカバカしいわって思っていた。だがあいちゃんは素直な子だ。俺は正直に聞き出す。


たく「ほんとはどっち?あいちゃんが勝手に横取りしようとしたんじゃないの?」

あい「・・・うん。ごーめーんなーさーい!!!うわぁぁぁあん!!!!」


やはりか。あいちゃんが泣いている時、だいたい原因はあいちゃんだ。だからさっきの件でイライラしていた俺はブチギレたかったが、嫌われたら困るので優しく言った。


たく「謝ったのはいいこと。次、やらないね?」

あい「ひっく、うん、ひっく」

たく「分かった。愛央、先生!」

あお「なぁに?」

先生「泣き止んだ?」

たく「おもちゃの取り合い。あいちゃんが悪かったけど、大丈夫。もう泣き止ませたんで」

あお「おもちゃの取り合いか〜。愛央達昔よくやったよね?」

たく「うん。だから、泣いてたんだって。怖がってるかな?」

あお「あーいーちゃん」

あい「びえええええええん」

たく「俺にははーおいねぇ。さぁ帰るべ」

先生「明日も待ってるよ」

たく「はい。ご迷惑をおかけしました」


子供達の相手をする先生方には頭が上がらないが、あいちゃんが泣く時は到底先生方の手に負えない。だから俺らが泣き止ませることをしている。


家に帰ってきて、あいちゃんがまだグズグズしていた。と同時に、愛央が花道を作っていた。


あお「たっくん、負けちゃったけど、頑張ってたよ」


ポンポンを振りながら、愛央が言う。俺は愛央にこう言った。


たく「愛央、今日はありがとね。あじする?俺はもう寝るけど」

あお「愛央、たっくんと居たい」

たく「メシ食べる?」

あお「食べたい」

たく「じゃあ食べようか」

あお「うん!」


飯を食べないまま寝るのもどうかと思い、昼は摂ることにした。が、あいちゃんは泣き疲れていたのかな。知らない間に寝ていた。俺がだっこするより布団いた方が良いだろうと思い、あいちゃん用の布団を持ってきて、そこで俺と愛央が横にいてあげることにした。これが俺に出来るあいちゃんへのお詫びだ。


4時間後、俺と愛央は部屋で目覚めた。

愛央は朝からチアをずっとやっていたから、疲れてしまって寝ていたようだ。


久しぶりに編集をしたその動画は、なかなか上手くいった動画だった。

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