第5話 反撃の狼煙

《登場人物》

[アーサー・ラス・クルーガー]

物語の主人公で、敗北から修行話重ねて強くなった

[トライト・ウーズ]

アーサーの幼馴染で相棒。アーサーとならどこまでもいける。

[ドロイト・ティジ・スターク]

アーサー達が所属する一番隊のリーダー

[シャル・クランス]

八番隊隊長を務める、ドロイトの同志。

[クラーローズ・ホワイト]

女性だけで構成された大軍騎士隊、二番隊隊長

[スカーレット・ヨハナ]

二番隊副隊長でホワイトの懐刀。ホワイトを姉のように慕っている

[ダグラス・アンスール]

帝国軍総司令官総軍長で、アーサーの仇

[ブラッドリー・ガイア]

帝国軍のマッドサイエンティスト。帝国軍兵器の生みの親

[プラーム・ララ]

ダリア平原で半強制的に大将を任せられた帝国軍武将

[ギュフル・エクサ・アドラ]

ダグラスを支える参謀でその才能は欧米でも随一の腕を誇る。


〜凍えるような気温に昨日の残雪が足場を覆う中、騎士隊一行は帝国軍との境界線であるダリア平原に到着し着々と準備がされていつ戦火が切られても可笑しくない様な状況下で緊張が張り巡らされていた〜

ホワイト:今回はしくじる訳にはいきませんね......。

スカーレット:勿論無敗の姉様なら絶対にありえないことでしょうけど

ホワイト:世の中に絶対は無いのですよ、だから戦場は......。

スカーレット:でも、万が一の時は2番隊の誇る白荊隊で蹴散らしますっすから

ホワイト:えぇ、ですが切り札は最後まで取って置きたいでしょう?

スカーレット:意義なしっす、姉様。

ホワイト:うふふ、そろそろかしら?

スカーレット:全部隊配置に着きました、後は指示一つっす。

ホワイト:では賽を投げましょうか、

スカーレット:承知......!

〜一方で敵陣帝国軍本拠地物見櫓上では作戦会議がギリギリまで執り行われ気まずくも恐怖が、空気を凍るような空間があった〜

ララ:この戦の総大将をお務めにはならないのですか?!

ダグラス:だから先程からそう言っておろう

ララ:ですが、相手は主攻に隊長格が数人おります!

ダグラス:だから......なんだというのだ?

ララ:ヒェ......いや、

ガイア:ダグラス様は常に先を見据えておられるのだ、邪魔はするな

ダグラス:そういえば、確か例の試作品があったよな

ガイア:あぁ、はい。ですが、あれは......

ダグラス:一向に構わん。何かあれば使用すれば良い

ララ:だ、大事に使用させていただきます......!

ガイア:”本当に”キツくなった時だけだからな?クヒヒヒヒヒ

ダグラス:これからド派手なパーティーと行こうじゃぁないか、ついて来い

ガイア:喜んで、どこまでも。

〜吹き荒れていた凍てつく風が一気に、音を消した。と、同時に両陣営から勇ましい女性の声が平野に響きえ渡った〜

ララ:いざ開戦だ!

ホワイト:全勢力をもちまして

ララ:一撃粉砕!突撃!

ホワイト:敵を壊滅させよ


アーサー:よし、そろそろ俺らが掻き乱す時間だ。行くぞ

ウーズ:あぁ。

ドロイト:待て!俺ら一番隊の役割は前線じゃあない。

アーサー:じゃあまたあの無茶な敵将を討てっていうのか?

ウーズ:流石に復帰すぐだし荷が重すぎじゃ?

ドロイト:いや、今回は違う。姉貴はそんなことは無茶は言わない。

ウーズ:じゃあ今回は待機......

ドロイト:いや、それも違う、今回の俺らの役割は8番隊と協力して

     「敵の動力源を潰せ」ってことだ。

クランス:また共同戦だな。

ドロイト:今度も背中を預けることになるな。

クランス:安心して目の前の敵に集中しとけ、指一本も触れさせねぇよ。

ドロイト:同じくだ。任せておけ。

アーサー:俺らはいつも通りやるだけだな。

ウーズ:いつも以上に、だろ?

アーサー:そうだったな。あの頃の俺たちじゃ無いことを見せつけるか。

ウーズ:言われずとも、だ。

ドロイト:じゃあ主攻をこの四人として一番隊の突破力食らってもらうか。

クランス:必ず討ち取るぞ、失敗は無い。

ウーズ:はい。

アーサー:俺らが前線を上げます。二人が討ってください。

ドロイト:......いいのか? 

アーサー:俺たちはこの戦でダグラスを討ちます。

クランス:わかった、行こう。

〜こうしてアーサー達はホワイトの指示通り動力源、つまりガイアを討ちに、あの日のリベンジに馬を走らせた。一方で戦場では両軍が激しい衝突を見せていたがホワイトの策が上手く講じられ、戦況は徐々に傾きつつあった〜

スカーレット:流石姉様っすね......

ホワイト:三日三晩策を練った甲斐があったってものですね。

スカーレット:実に弱点がない、完璧な布陣っすねぇ

ホワイト:攻めに少々の難ありとも懸念された策だったが。

スカーレット:誰が見ても戦況は一目瞭然、圧勝っす

ホワイト:だが、慢心をすることは許してはいけないがな。

〜前線、敵の機動隊が全く以て機能していない事からスカーレットはもう時期勝敗は着くだろうと思っていた。一方でホワイトは上手くいきすぎている気がして成らず、何か不穏な気配を戦場から感じていた、次の瞬間敵の前線が急に撤退を始めたのだ〜

スカーレット:敵の前線は最早壊滅状態にあり、この機に殲滅だ!

ホワイト:ま、待て......!

スカーレット:え......?

〜次の瞬間、先程の兵士たちがガスマスクを着けて前線に帰還したのを見てホワイトが感じた悪寒の正体はこれだったと悟った〜

ホワイト:今直ぐに前線の兵を引き上げて! 早く......!

スカーレット:は、ハイっす姉様。

ララ:早い段階だし、あんまり気乗りしなかったけれど仕方ないわ。

   「GH-7000」を戦場に投入するわ。大砲から前線に撃て!

スカーレット:大変っす姉様!毒ガスが前線に充満して兵士が次々倒れていって......

手負の者から撃たれているっす!

ホワイト:そんなものは言われなくても分かっておる。このままだと押し返されるど

     ころかこの戦、負けるぞ......それだけは避けねば......!

スカーレット:......ッ!毒ガスとともに機動隊がこの本陣に攻めてきているそうっす

姉様、どうされますか?

ホワイト:ここで引いたら討たれてしまった者たちが浮かばれません。

     こちらも不本意ですが白荊隊を出しましょう。

スカーレット:承知しました、姉様。

ホワイト:我が軍の最後の砦です。決して無理はしないように。

〜白荊隊が出馬し、次々と敵の前線と機動隊を薙ぎ倒し先鋭部隊白荊隊10名にして約1500人を戦場に散らせたことで戦いはまた振り出しに戻った〜

ホワイト:よくやってくれた、スカーレット。

スカーレット:姉様のため......なら......

ホワイト:ご苦労だった、私の腕の中でぐっすり眠るといい。

ララ:おのれぇホワイトめぇ奥の手まで出したというのに、これではまた策で前線が

ホワイト:奥の手を出したのはどちらも同じこと、今度こそ策で勝つ......!

ララ:あぁぁぁぁぁまずいまずいまずい打つ手なし?! ダグラス様に殺される......

〜ホワイトはこの機に一気にケリをつけるために大策を放った、そしてこの戦は多少の犠牲は払ったものの騎士団の完全勝利かと思われ、ララは絶望の淵にいた。そんなララの肩を何者かが叩いた。そしていざ大策が実行されたのだが、〜

ホワイト:何故......どうなっているんだ......全く策が刺さらないどころか全然歯が立た

     無い......? 武力と科学力しか帝国には無い筈......知将といえば帝国には

     両才ダグラスぐらいしか......ま、まさか!

アドラ:そのまさかだよ、敵将ホワイトさん?

ホワイト:ダグラスの直接手がかかった者か。

アドラ:さぁて私が来たからにはこの戦勝てせてもらいますねっ!

ホワイト:ここに来て、真打地到来か......まずいな。

ララ:本当に助かりました! 法人アドラさん直々に来ていただけるとは。

アドラ:本来武将のあなたがよくここまで頑張ったものです。

    後は私にお任せあれ! あと、法人ではなく戦中は参謀とお呼びくださいっ

ララ:承知しました、アドラ参謀!あなた様が来てくれたので、私は戦います。

アドラ:そうですか、ララさんの遊軍、ワルキューレの騎行楽しみです。

ララ:期待に添えるようがんばります。

アドラ:ええ。上手く指揮してみせますから。

ララ:......(あれで私より年下か......武の才もあると聞くし、何者なんだ?)

〜その頃戦場から少し外れたアーサー達別働隊に大きな波乱が巻き起こっていた〜

ドロイト:さぁ、着いたぞ。ガイアのいるフーマ渓谷だ。

ウーズ:結構遠かったですね。

アーサー:コイツを討てば......!

クランス:帝国を追い詰めることに一歩近づく。

ドロイト:さぁ、行くぞ。

アーサー:反撃開始だ。






















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