第7話 願い

「本当に私の願いを聞いてくれるの?っていうか天使ってそういうものだっけ?」

「私は聞くだけよ。叶えるのは神様ね」

私はベッドに腰かけて天使をまじまじと見た。

何から何まで怪しすぎる。

「ちょっと、あんまりじろじろ見ないでよね」

「あ、ご、ごめん……」

ムスッとした顔の天使が立ち上がり、私が腰掛けているベッドに上がり、私を後ろからハグした。天使に会うのは初めてなのに、なんだか懐かしい匂いがした。

「で、あなたの願いは?もう決まってるんでしょ?そんな顔してるわ」

「えっ……ああ、まあ」

私は驚いた。天使は心を見透かす能力でもあるのだろうか。私には確かに叶えたい願いがあった。叶うはずのない願い。

私は天使やら神様への疑いを諦めて小さく笑った。もうこれが現実でもそうじゃなくても何だっていいや。

私は天使に向き合った。天使はいつでもどうぞ、と笑った。

「私の、願いはーー」

私の言葉を聞いた天使は、楽しそうにケラケラ笑った。

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