第3話 ①その先に
二度目の眠りまでそう時間はかからなかった。
次に目を開けるとまたあの真っ白な世界の中にいた。例の、どこまでも壁と天井のない、すべての輪郭が曖昧で、危うくて、儚い世界。
前回と違うのはーーそうだな、今日はなんだかこの世界が悲しみに包まれている。そんな気がする。
そっと目を伏せ、全ての五感を研ぎ澄ませる。遠くであの電話の着信音が聴こえ、目を開いた。
聴きたくないのに、自然と足がその音の方へ動いていく。導かれるように。見たくないのにその景色へと歩いていく。求めるように。なにかを確かめたくて。確信したくて。
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