第二話「通学路の曲がり角で運命の聖剣とぶつかりました」

聖剣「いっけなーい☆遅刻遅刻っ☆」


聖剣「私、聖剣アンタレス十六歳っ☆キラッキラの高校二年生っっ☆☆転校初日から遅刻だなんて、大変、たいへーん!? 恥ずかしくて、新しいクラスのみんなに合わせる切っ先かおがないよぉ~!」


ドーンッ☆


聖剣「きゃっ!?」グサァッ

鈴木君「ぐああああああああああああああああああああ!?!?!?」ドバァ


× × ×


キーン、コーン、カーン、コーン


先生「えー、鈴木君は登校中事故に遭ってしまい、学校に来られなくなりました」


男の子「まじか」


女の子「やば」


先生「それと鈴木君を刺してしまった転校生も来られなくなりました」


女の子「いや事件じゃん」


男の子「こわ」


――――ガラガラッ!


聖剣「ハァ……ハァ……ハァ……! せ、先生すみませんっ! 遅刻しちゃいましたっ!!」


クラスのみんな「ざわ……ざわ……」


聖剣「えっ、あっ……あぅ……」モジモジ


女の子「あいつ」


男の子「やったな」


聖剣(はぅぅ……!? こんなの、恥ずかしくて、切っ先かおが真っ赤になっちゃうよぉぉぉ……!///)


男の子《それは鈴木君の返り血なのでは?》


聖剣《ハッ!? 私の精神に直接語りかけてくる貴様、何者だっ!?》


男の子《おはよう、アントニオ》


聖剣《なーんだ、貴様かー。おはよー》


女の子《なにこれ》


聖剣《説明しよう。これは聖剣に選ばれし者のみが通ずるための〈聖剣なかよしネットワーク〉だ》


女の子《聖剣なかよしネットワーク》


男の子《じゃあこれ、あの口臭い勇者も使えるの?》


聖剣《いや、アイツはもう、なかよしじゃないから》


男の子《ブロックしたんだね》


女の子《かわいそう》


聖剣《まぁ、そんなわけで今日からよろしく頼む》


男の子《もちろん。よろしくね》


女の子《鋭利な刃物がしれっと普通の高校に転校してきた経緯、端折り過ぎじゃない?》


先生「えー、紹介します。さっき話した転校生で、鈴木殺しのアンタレスさんです」


女の子「悲報。鈴木君、亡くなってた」


男の子「二つ名かっけー」


聖剣「よ、よろしくお願いしますっ! はやくみんなと仲良くなりたいですっ!!」


女の子《そのキャラなんなん》


聖剣《いいじゃん別に》


先生「ええと、席は……そうだな、本田君のとなりに座りなさい」


吉田「先生、そこはボクが座ってます」


先生「今すぐ出て行け」教卓バンッ


吉田さん「どうして」


男の子「いいやつだったよ、吉田君」


女の子「鈴木君の席が空いてるのに」


先生「そこ、私語は慎みなさい」


男の子「あっはい」


先生「違う!! 貴様だ吉田ァァァァァ!!」


吉田「どうして」


女の子「先生は吉田さんに親でも殺されたのかな」


聖剣「よ、よろしくね? 本田くん」


本田君「殺さないで」


女の子「本田君が鋭利な刃物に怯えている」


男の子「文化祭のお化け屋敷でビビリ散らかしながら穴という穴から謎の液体をチビった本田君なら仕方ないね」


先生「少し遅くなりましたが、一時間目の授業を始めます。教科書は前回の終わりと同じページからです」


聖剣「あっ!? せ、先生すみませんっ! 教科書を忘れてしまいました!」


先生「仕方ないですね。本田君。アンタレスさんと机をくっつけて、教科書を見せてあげなさい」


聖剣「えへへ……。ご、ごめんね……? ありがとう……あっ///」ジョリッ

本田君「ころさないでころさないでころさないでやめて――――アッ」


後ろのまきちゃん「先生!! 本田君の頸動脈にアンタレスさんが食い込んでいます!!」


先生「仕方ないですね。保健委員は誰ですか?」


女の子「保健委員の私どころか、野戦病院の衛生兵でも手に余すレベル」


本田君「」ブシャァッ!!


男の子「ああああああああああああああ!? 本田君から謎の液体がっ!!!!」


× × ×


本田君「あれ……ここは……?」


本田君「そうか、僕は……死んだのか」


鈴木君「やぁ、本田君」


本田君「鈴木君……! 無事だったのかい?」


鈴木君「無事じゃないよ。死んだよ」


本田君「そうか……じゃあ君も」モコッ


鈴木君「ああ」モコモコモコッ


魔界の民ス・ズーキー「ヤラレタ……。忌マワシイ聖剣……アンタレス……ッ!!」モコォ……


冥府の怪人ホン・ダ「コロス……聖剣、コロスッ!!」メコォ……


× × ×


魔界の民ス・ズーキー「デモ、ヤッパリ先ニ、勇者コロスッ!!」


勇者「どうしてこういう時に限って、ぼくだけが勇者扱いされるんだ!!」


冥府の怪人ホン・ダ「マテ!! ユウシャァアアアアッ!!」


勇者「うるせーばぁーか!!!!」


姫「ゆうしゃあああああああああ!!」


勇者「ヒュゥ!! にんきものは辛いねぇ!?」


ス・ズーキー「クチ、クッサ!? オェッ!!」


× × ×


キーン、コーン、カーン、コーン……


林さん「ひるやすみ!」


男の子「あれは、昼休みの始まりを告げるためだけに生まれてきた林さん」


女の子「そういえば、動画見たよ。いいねとチャンネル登録しといた」


聖剣「あ、ほんと? かたじけない」


女の子「ねぇねぇ。あれやってよ、アレ」


聖剣「えー?w」


女の子「いいじゃん、やってよーw」


聖剣「もー、仕方ないなぁ……ww」


聖剣「――――我が名はアントニオ!! 唯一にして無二の聖剣系ユーチューバ-である!!」

男の子「う、うわぁ~!? ホンモノだぁ~!?!?」


聖剣「……はい、というわけで」

男の子「はじまりましたね~」


女の子「聞こうと思ってたんだけど。なんで男の子までレギュラー出演してんの」


男の子「永遠の友情出演。女の子も一緒にやろう」


女の子「やだ。はずかしい」


聖剣「インスタとTiktokはやるのに?」


女の子「インスタとTiktokは顔隠してるから」


男の子「あれ、逆にエッチだからね?」


勇者「アンタレス!!」


聖剣「げっ」


女の子「うわ」


男の子「ミンティアいる?」


勇者「力を貸してくれアンタレス!! 忌々しい魔族を倒さなければ!!」


聖剣「だから私もうそういうのやめたって言ったよね?」


女の子「そうだよ。嫌がってるんだから、やめなよ」


男の子「そうだよ。ミンティアあげるから帰りなよ」 


勇者「くそっ!? またお前たちか!? くっ、忌々しい魔族どもめ、次から次へと……!」


ス・ズーキー「ミツケタゾ!! ユウシャァアアアア!!!」

ホン・ダ「シネ!! コロス!!」

男の子「あー、ちがうちがう、あっちあっち……ハァーッ!(呼気検査)」


勇者「何故だッ!!!! ゆうしゃはぼくだぞ!!!!(ブチ切れ)」


ス・ズーキー「ハ? ダレ、オマエ」


ホン・ダ「ドッカ、カエレ! ジャマ!!」


勇者「う……うわあぁぁぁぁぁぁぁ……!! ぼくがほんとうのゆうしゃな゛の゛に゛ぃぃぃぃ!!(ガチ泣き)」

姫「ゆうしゃああああああああ!!」


聖剣「二度と出てくるな」


男の子「砕いたミンティア撒いておこう」


女の子「待って。この敵キャラっぽい二人、鈴木君と本田君じゃない?」


ス・ズーキー「アッ、オンナノコサン」


ホン・ダ「サッキハ、保健室マデ、アリガト」


女の子「ごめん。ゆるして。君を救えなかった私をゆるしてくれ……」


聖剣「いや、お前はよくやった。王国軍の看護婦に推薦したいくらいだ」


男の子「鈴木君と本田君なら、僕のこともわかるでしょ?」


ス・ズーキー「ユウシャ」


ホン・ダ「コロス」


男の子「どうして」


聖剣「無駄だ。きゃつらは、魔界の民ス・ズーキーに冥府の怪人ホン・ダ。もはや、貴様らの知っている鈴木君と本田君では、無い……」


男の子「どうしてこうなった」


女の子「魔界と冥府のネーミングセンスが行方不明な件」


ス・ズーキー「セイケン・アンタレス……地面ニ落トシタ食パンノウラミ……。貴様モ、ユウシャモロトモ、コロシテヤル……」


聖剣「はて、なんのことやら」


ホン・ダ「ソウダ……アンタレス……全部、オマエノセイダ……コロス!!」


聖剣「いや、でも私、ただの聖剣系ユーチューバーのアントニオだし」


男の子「迷惑系ユーチューバーかな?」


女の子「迷惑ってレベルじゃねーぞ」


聖剣「私に良い考えがある」


キーン、コーン、カーン、コーン


男の子「あっ、昼休み終わった?」


女の子「え。短くない?」


聖剣「【ドッキリ】学校のチャイムに細工して昼休みを超短くしてみた結果wwwww」


男の子「やっぱり迷惑系ユーチューバーだったのか」


ス・ズーキ「ヤッベ!? ヒルヤスミ、モウオワリカヨ!」

ホン・ダ「アアアアア!? 教室ニ、モドンナキャ!」


女の子「いや、真面目か」


聖剣「 大 成 功 」テッテレー


男の子「でも二人とも、今あの姿で教室戻ったら、大騒ぎになりそう」


× × ×


先生「えー、ス・ズーキー君とホン・ダ君がおぞましい姿で登校してきたのは校則違反なので、吉田は停学処分になりました」


女の子「なんでやねん」


ス・ズーキー「ヨシダサン……」


ホン・ダ「スキ」


男の子「ホン・ダ君。吉田君は男だよ?」


女の子「いや、女だから」


男の子「えっ」


ス・ズーキー「スゴクシツレイ」


ホン・ダ「コロスゾ」


聖剣「吉田さん、カッコイイよね。王子様みたい」


ホン・ダ「デモ、ヨコ顔メッチャカワイイ」


男の子「マジか……今年一番の衝撃の事実だ」


女の子「クラスに鋭利な刃物が一振と、異形の魔物が二匹、自然と溶け込んでいる今の状況の方が、よっぽど衝撃的でしょ」


先生「それと、誰かが学校のチャイムにイタズラをしました」


聖剣「ギクッ」


先生「みんな机に顔を伏せなさい。それから、やった人は静かに挙手するように。先生怒らないから」


聖剣《ど、どうしよう……?》


女の子《物理的に本当にどうしようもなくて草》


男の子《仕方ないから僕が代わりに手を上げよう》スッ


聖剣《き、貴様……!》トゥンク


女の子《イケメン》


ス・ズーキー《感動シタ。ユウシャイイヤツ》


ホン・ダ《ヤサシイセカイ》


先セイ「セン、セイ……オコラナイカラ……ァ……?」モコォッ

男の子「えっ」


男の子「あこれだめなやつd――――」

セン・セイ「アハッ!? ミツケタアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」ウボァ


←To Be Continued

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男の子「フゥーッハッハァ!伝説の勇者の剣をコンビニの駐車場で拾ったぞ!!」 IGANTF @M5eK_IguanaTofu

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