第1話 パーティ結成!依頼を受けよう!

「」なしはプレイヤー発言、「」付きはキャラになりきった会話

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GM:それではまず、『冒険の宣誓』をしましょう。これをすることにより、“剣の恩寵”が受けられます。信条などに絡めて、キャラクターになりきった意気込みをお願いします。



スィオネ:「この大きな耳は何のためにあると思うのです? それは弱者の嘆きの声を聞き漏らさないためです! さあ、今日も誰かがスィオネたちの助けを待っています! 行きますよ!」

……こ、こんな感じでしょうか?


GM:いいですね。続いて、どちらからでもいいですよ。


ボラフ:「スィオネ様の行く道を阻む者は、この私が容赦しません」



サク:「この街の平和はワシたちが守ってみせようぞ!(ワシの家族を殺した蛮族たち、決して許さん……!)」



GM:ありがとうございます。先ほどのキャラメイクに沿った良い宣誓でした。それでは今回のシナリオ中に1回だけ、“剣の恩寵”が使えます。次のシナリオに持ち越しはできないので、ここぞというときには出し惜しみせず使ってくださいね。



一同:はーい!



GM:あなたたちは、アゼルの町の冒険者ギルド支部、<希望の架け橋亭>にいます。3人はもうパーティーを組んでいるということでいいですか?



スィオネ:スィオネとボラフくんはそれで良いかもね。

「まったく、ボラフくんったら、結局ここまでついて来ちゃって……」



ボラフ:「スィオネ様なしでは、私は私たりえません。このボラフがスィオネ様のお側を離れるなどありえません。スィオネ様が冒険者になられるのならば、私も冒険者になるのです」

パーティーって何か申請が必要でしょうか? もし申請書が必要ならスィオネ様に黙って記入提出していますw



スィオネ:「あ、コラ! どうしてボラフくんはこういうときだけスィオネの言うことを聞かないの!」

『親に反発』してるんですねw



サク:サクは喧嘩っぽいことをしている二人が見知った顔であることに気づいて近づきますね。魔獣から食べられそうになっていたことを救った、その後、ここで再会したということで。

「おや、あの時のお二人さんではないか」



ボラフ:前回会ったときに名前の教え合いはしたということにしていいかな。

「これはこれはサク様、先日はありがとうございました。ここにいらっしゃるということは、あなたも冒険者だったのですか」



スィオネ:スィオネはボラフが挨拶するのに任せてちょっとだけ身体を硬くしています。実はちょっと人見知りです。



サク:「『あなたも』ということは、お二人さんも冒険者ということか? ワシは、まあ、一応な。この間なったばかりでまだパーティーも組んでおらん。もしあんたらが良ければ、ワシも仲間に入れてはもらえんかの」



スィオネ:「え、ええ、もちろんですわ! サクさんが一緒なら心強いです」

スィオネはちょっぴり勇気を出して喋ります。



ボラフ:「私も己の力不足を痛感いたしました。サク様、ともにスィオネ様をお守りしましょう!」



スィオネ:「ち、違うでしょう、ボラフったら。スィオネではなく、蛮族たちに虐げられている人々を守るのよ!」



サク:「そうじゃな。ワシはあまり蛮族のことに詳しくないし、正直細かいことは苦手なんじゃ。お二人さんは魔物に関する知識やら何やら、ワシの苦手なことが得意そうじゃし、頼りにしとるよ」

というわけで、サクも二人の仲間入りっス。



GM:パーティーの申請を支部長であるマルコ・フェリーニが受け付けました。人間の13歳の少年です。



スィオネ:13歳……、ラクシアで人間が成人として扱われるのは15歳からですよね。スィオネは7歳くらいなので、同じくらいかしら。親近感を抱きます。



サク:サクは、お手伝いかな?って思うんじゃないスかね。彼が支部長だとはしばらく気づかんでしょう。

「よろしく頼む。で、ぼっちゃん、依頼はどこで受ければええんかの?」



マルコ:「ええっと、皆さんの冒険者レベルを拝見させていただきます。ふむふむ、そうですね……今お任せできるのはこちらの3つですね」

マルコはそう言って、依頼メモを3つ見せます。さて、どれを受けますか?



ボラフ:僕たちのレベルに合った冒険を紹介してくれてるんだね、優しいな~。



スィオネ:「今、依頼が出ているのはこれです」って全部見せられたら、スィオネはより大きな被害が出ていそうなものを選んでしまいかねないですねw



サク:そんなことしたら、サクが「やめとけ」って止めるっスよw



スィオネ:(依頼カードを見ながら)うーん、ステップを見ると「ゴブリン退治」はかなり上のステップでも受けられるので、もしかしたらこの中で一番難しいのかしら?



ボラフ:ステップに合わせて難易度が変わるだけかも? でも、報酬も一番高いや。やっぱり難しいかもね。



GM:ステップは時系列です。クリアすると一つ進みます。なので、『狼退治』は今しか受けらません。



ボラフ:うっ、プレミア感が出てしまったw ただ、まあ、ボラフとしては、スィオネ様の行く先に着いていくだけだろうけど、一番安全そうな『落としものを探して』を選んで欲しいかもしれない。でも、討伐依頼ではないとはいえ、きっと戦闘はあるんだろう、とプレイヤー的には思うけど。



サク:サクもこの3つ中から積極的に選ぶというよりも、スィオネちゃんの判断に任せそうスね。心の内では討伐依頼で力をつけていきたいって思ってそうだし、特に蛮族であるゴブリンを退治したがってそう。

ちょっと思ったんスけど、『町の近くに出没する、狼たち』って、これ、もしかしたらスィオネちゃんたちを食べようとしたヤツだったりしませんかね?w



スィオネ:ああ、有り得そう、ウサギと狼だしw えー、どうしようかな。これ、わたしの選択に委ねられてますよね。

スィオネは、おそらく先日殺されそうになった恐怖は消えてないんじゃないかと思うんですよ。となると、そのトラウマを克服するために『狼退治』か、まだ早いと考えて『落としものを探して』かなぁ…。

うーん……(もう一度依頼カードを見る)。

『落しものを探して』の依頼者は人間の13歳。マルコと同じ歳ということは、もしかして二人は顔見知りだったり? なら、タビットに換算するとスィオネとも同じくらいってことかな。シンパシーを感じてこれを選ぶかも。もし、お二人が良ければこれにしますか?



ボラフ:私はスィオネ様の選択に異論はありません。



サク:サクも大丈夫です。たぶん、復讐心が疼きつつも、堅実に行きたいでしょうし。仇がはっきり分かっているわけじゃないので、生涯をかけて復讐を果たしたいというか。



ボラフ:これ僕たちの行動次第で、サクさんが闇堕ちというか、闇に呑まれてしまうんじゃないか……?w



スィオネ:まず闇に気づけるかどうかの難易度が高いですからねw

それでは、スィオネはマルコに向かって言います。

「こちらの依頼(『落しものを探して』)を受けますわ」



GM:マルコは心なしか明るい顔をします。


マルコ:「ありがとうございます。僕が依頼人に皆さんが受けてくれたことを伝えます。おそらく明日の朝にはここに来てくれると思うので、詳しい話はリs…彼女から聞いてあげてください」



ボラフ:名前を言いかけたね、やっぱり顔見知りなのかな。



GM:特にやりたいことがなければ、このまま翌朝まで時間を飛ばします。

それでは翌朝です。我々の時間にすると朝の9時位、あなたたちの前に少女がやってきました。


リサ:「わたし、リサ・レナーといいます。みなさんがわたしの依頼を受けてくれたと聞きました。ほんとうに、ありがとうございます」


GM:リサはペコペコと頭を下げる。



スィオネ:「そんなに畏まらなくていいのよ。スィオネたち、あなたから報酬をもらうわけだし」

サクに対するときとは違って、相手が少女だからかスィオネはちょっとリラックスしています。



ボラフ:ボラフはあまり表情には出しませんが、少女の一挙手一投足を観察してる。スィオネ様が騙されないか、と、警戒している感じ。



サク:サクはスィオネちゃんに追従して「そうそう、気にしないでくれ」とか言います。

「依頼内容はお嬢ちゃんから聞けるって、マルコの坊っちゃんに聞いたんじゃが、教えてくれるかい」



リサ:「はい。あの……金の指輪を落としてしまったんです。持ち歩いていたルートと時間帯は覚えてたので、自分で探してみたんですけど、見つからなくて……。お願いします、お父さんの形見なんです」

リサは涙ぐみながらあなたたちに頼み込みます。



スィオネ:「分かったわ。もしかしたら、誰かに拾われたのかもしれないわね。一応、スィオネたちもまずはもう一度同じルートを探してみるから、あなたが覚えているルートと時間帯を教えてくれる?」



GM:リサは口頭で伝えるでしょう。



スィオネ:スィオネはメモを取ります。



ボラフ:ボラフも……、いや、うーん、ルーンフォークならインプットすれば大丈夫なのかな?w



GM:生まれてくるときはそれに近いものがあると思うんですけど、生まれてからは普通に記憶する必要があると思いますが、人族の中でも記憶力は良さそうですね。



スィオネ:「ボラフくん、そう言えばいつもこういうときにメモとっていないみたいだけど、覚えられてるの?」



ボラフ:「はい、もちろんです!」

ボラフはスィオネ様に頼られて生き生きしています。



サク:「ほー、大したもんじゃの~」

サクはボラフくんとは違う意味でメモをとらない、そういう発想がないw

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