第18章:デビルファイトクラブ

悪魔達の闘技場

「ワンダバワンダバワンダバーー!!」


戦う事でしか己を見出せない師宮はいつになく荒ぶっている。


「遂に狂ったのかあの電球悪魔は・・・」


「綾さん、実はだね・・・」


芥子河原の説明が入る。悪魔のコミュニティである地蜂巣ビーハイヴ

地下都市において定期的に行われる「武闘会ルチャンド」・・・

彼の戦闘階級であるスーパーミドル級のワンマッチが組まれるのだ。

戦闘階級は主に魔力によって決まるモノであり

制約を受けて人間界に暮らす悪魔達の戦闘力は

野生の魔獣との戦闘や悪党との闘いにおいてもある程度制限されており

一度そういうモノが爆発すると指名手配めいた扱いを受けて

悪い意味で有名になってしまうのだ。戦闘悪魔と呼ばれている彼は

顔で笑いながらも心ではイライラしていたのかもしれない・・・


武闘会ルチャンドでは一時的に制限を解き

地下都市の強固な悪魔時空の闘技場で力の限り戦う事が出来たりする・・・

いわばストレス発散の機会。


「ヴェっさんは出ないんですか?血に飢えてません?」


「えー?いやァ俺は遠慮しとくz」


「コミュニティに掛け合って組んで貰ったんですけど・・・出ますよね?」


笑顔の裏に「No」を言わせない圧力を醸し出す結ちゃんは確実にデビっていた・・・


「うっ。ウッス!悪魔探偵の名に懸けて、負けないっす!」

芥子河原は初めて「この人に殺されるかもしれない」と言う恐怖に駆られていた・・・


「俺は魔改装甲シェディムギア使わないミドル級かァ・・・

 今回は技を受ける余裕なんか無いぜ。」


「お前こそ元は準上級悪魔だったであろう!?小骨までヘシ折ってやれ!」


背中をバンバン叩いて師宮に鼓舞されるが、この段階で骨がミシミシ言ってるぜ!


そして、戦いの日を迎え地蜂巣ビーハイヴの地下都市へと降り立つ一行・・・

日の当たる世界では見かけない毛羽立ったオーラを纏う奴らがひしめいていた。

こういった裏の興行、文字通りの地下闘技で経済を回しているところが

悪魔らしい金儲けと言った所か。


いつからだろうか?闘争だけ考えてた頃からは想像もつかない程

誰かの心の流れとか本質に迫ろうとして、いつの間にか悪魔らしくなくなったのは・・・争って勝てば正義。果たしてそうなのだろうかって疑問から

俺は戦いまくるのを辞める様になった。

強さってのは腕っぷしだけで表現されるモノじゃないから。

そんな事を何かに知らされてから、人の心に興味を持った・・・


なんて考えてる間に呼び出しがかかる。


「ミドル級賞金トーナメント第一試合!

 芥子河原・ヴェンデッタ悟vs村田・インフェルノ・龍児!」


俺はトーナメントであるのを聞いてなかったことを

かなり後悔したんだぜ!



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