戦闘悪魔:師宮ヴォルテ准一のお話「季節外れの怪談!」
いやぁー!!!!怖いなぁ怖いッ!
体感5分ぐらいしか寝てないのにガッツリ30分寝ていたァ!
怖いですよねー・・・
んはァー!!!ッ!!!
「カラマーゾフの兄弟」の上巻と下巻を買って
展開のジェットコースターに脳を揺さぶられていたのに
実は中巻が存在したのだ!怖いなァー・・・
申し遅れました私、魔界の怪談発電所・
と申し上げます。以後、お見知りおきをゥ!
こちらは心霊スポットに遊びにいった人のお話だ。
男女カップルで夜の廃墟に肝試し!大学生の彼らは若さに任せて
夏休みに遊びつくしたのもあって、思いついたと言うか
ふとインターネットの記事で見つけた地元の心霊スポットである
廃墟のビルへと足を運ぶことになったのだ!
吊り橋効果で成立した関係は長続きしないから気を付けろ人間達よ!
仮にA男とB子としよう。その二人は特に霊感みたいなのは無い方であるが
エントランスに入った時から様子がおかしい。
車で雑木林の近くのそこへ辿り着いたと言うのに夏場なのに
虫の声一つしない・・・なんでだろう。
アレ?ちょっとそこのお客さん、そなたの後ろの方・・・
キシャアアアアア!!!・・・悪魔から目を逸らすでない!
特に話に関係無いから続けるとしようか!
夏なのにエントランスはさも暑い時期に涼しくて寒い時期に温かい
鍾乳洞のそれを思わせるような湿気と冷気に包まれていた。
「ねぇ、帰った方がいいよね?」
B子は促した。しかしA男はテンションが上がってしまい
「うーん、でも金目のモンとかあるかもしれないじゃん?」
と欲深く奥へと歩を進め、階段を登っていく。
誰も通ってないのか、コンクリートの破片が散らばっており
ザリ、ザリ、パラ、パラと薄暗い脚元は散らかっていた。
奥には錆び付いた防火扉が塞がっており
手前にあった事務室の様な部屋を探索した・・・
そこは意外と散らかっておらず、少し埃をかぶった程度だったのだ。
さながらゲームの様に開けられる机の引き出しを
バタンバタン!と引っ張り出すA男。
関係ない書類がバサバサ出てくるばかり。
「ねぇ、マジで帰ろうよ。」
「そうだなぁ・・・そもそも不法侵入だしィ」
すると錆び付いて開きそうになかった防火扉からドゴン!ドゴン!
バキバキバキ!と人間じゃない何かが暴れてる様な音が轟く。
「なになになに!?」
パニックに陥るA男
「・・・!?」
もはや言葉に詰まったB子。
その音が止んで何の気配もしなくなったので
機を伺って立ち去ろうとする二人。
すると一階の大きいフロアに子供が1人。
着物を着た、時代を感じさせる背を向けており、その子が呟いた。
「だーるまさんがこーろんだ」
もはや泣きそうであった。
怪異は本当にあるのだと後悔する二人。
とりあえずその「だるまさんが転んだ」に従えば良いのか
しかし、それでは帰れない。
A男は3回目ぐらいの「だーるまさんがこーろんだ」で
少年が振り向いた瞬間に目をつむったまま動けないB子を連れだして駆け抜けた。
車に乗り込んで、そこから信号とか守ったのかすら覚えてない。
一気に見覚えのある地域まで戻って来たところでようやくA男が口を開く。
「お前、アイツの目ぇ見たかよ!?」
「え!?見てないよ!?」
A男は続ける。
「あの子供。目ん玉が6つ付いてたんだよ!何なんだよ!?」
冷や汗と虚脱感でもうどうしようもないまま二人の住むアパートへ戻る。
すると、A男はケロっと元気になった。
「あー。今日は楽しかったなあ!」
B子は呆気にとられながらも
「はぁ!?オバケに出くわしたじゃん!?」
すると背中を向けて部屋の奥へかけていくA男が
聞いた事も無い様な・・・地の底から響く様な太い声で
「ダルマサンガコーロンダ」・・・
振り向いたA男には6つの目玉が左右対称に3つずつ付いていた・・・
その後、A男とB子がどうなったかを知るものは居ない。
悪魔探偵:
「ヴェっさん。我慢しないでトイレ行って来てくださいね」
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