神代涼、変身!そして試運転へ・・・

「ここはやっぱり僕の力で検索をかけてですね。」


スーパーパワーを手に入れた時あるあるだぜ。使いたいよな?

ヒーローでも悪役でも構わないがそういう時が来るのって

人のライフサイクルでは1回かもしれないし100回ぐらいあるかも。


俺達の魔術とかトンデモパワーの類も数値化されてる筈もなく

どれだけ使えるのかってよく分からない。

銃砲の様に装弾数は把握できないのだな・・・


「じゃあひとまず師宮の居場所を頼む。」


事務所の屋上でオルタギアのメカ筋肉めいた外骨格が身体に浸透していき

彼は変身を遂げる。さすがに内側に隠し持つ超級悪魔を解き放つのはマズいので

このデバイスによる強化ぐらいが丁度良いのかもしれない。


機械的だがスタイリッシュで日曜の朝に荘厳なテーマで現れそうな

ダークヒーローの風貌だぜ!


「強そうですね。お相手の怪人は・・・ヴェっさんでどうです?」


結ちゃんもデビジョークが過ぎるぜ。今は能力の試験なんだぜ!

流石に身内にボコられるのは嫌だぁ・・・


手元の端末にエンジニア垂涎のデータのポップアップが浮かびあがり

彼の能力が明らかになる。


Variable

Reactive

Ability

Battle

Exterminater


全領域反応型殲滅機・・・V-RABE【ヴレイブ】と略称された個体は

平たく言えば広い領域を感じ取り、敵を逃さない戦い方をするのだろうか?

とりあえずバトルはお預けにしておいて

生まれ持った・・・否、悪魔の器になってしまった時から備わった

感性の鋭さが予想通り強化された事になるのだ。

こんな説明で大丈夫かコレ?俺様も新しい電化製品は苦手なんだぜ!


すると、魔力を使える人なら分かる感じの周波数が耳に響く。

まるでソナーの様に電波を飛ばしてるヴレイブこと神代涼くんの姿は見ものだぜ!

さながら千里眼の様に・・・


「なんか、テレビのチャンネルを変えるみたいにあちこち入れ替わりますね。

自分が俯瞰で見えるって変な感じです」


便利だが、見知った顔のヤツじゃないと使いにくいといった感じみたいだな。

世の中全員の情報が一気に頭に入ってきたらストレスで死ぬだろうが・・・


「・・・何か、お友達の悪魔と話してるみたいですね。地蜂巣ビーハイヴのお友達・・・あっ!例の事件についての話みたいです。」


あの野郎、地味に良い仕事してやがるな。しかし雰囲気が変わってきたようだ。


「あっ!武器を持ちだしましたよ。これは・・・」


よっしゃバトルだな!?と思ったが・・・


「あの、『最近俺の剣を強化したんだ良いだろう!』だそうで・・・」


「それと、『最近だとリュウノアギトが高騰してるだと!知り合いが持ってるんだ!』だそうで・・・」


「悪魔っていい歳こいて子供っぽいですね。あの人も10万歳オーバーでは?」

全く結ちゃんに言い返せない俺。

「嘘つかないヤツってプラスに捉えとくが、アイツやっぱアホだわ」

綾さんは容赦ない。

呆れかえる女性陣を後目に

男がロマン語ってるの見られるのは恥ずかしいなと思い知らされつつ

V-RABEの試運転は順調に進んだのであった。

人類よ。自慢話には気を付けろ!

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