そいつらは大勢であるが故に
「ヴェっさんって雑に見えて細かくやってくれますよね。」
褒められてるんだかディスられてんだか分からない俺。
魔界に居た時からそうだったが悪魔らしくない繊細な精神を持ち
時に浮かれてハメを外した時の落差で周りをドン引きさせる。
陰キャが弾けると気が狂ったとか思われるのか・・・
人類よ。ハメを外すのは気を付けろ!
俺様は・・・
勘定科目をぶち込み、必要経費の算定に当たっていた。
入ってくるモノが兵器だったりするので大変なのだな・・・
出したり入れたりズコズコズルズル数字を合わせて完了!
事務仕事の後には魔獣狩りのお仕事である。
カブトガニの様な風貌の体高1m、体重120kg相当のモンスターの群れとの対決だ。
実は知られていない都市部の地下通路・・・
そう言った所に奴らが湧くのだな。
同業者が来る前にやっちまえば報酬になるのだ!
今日は結ちゃんと俺との黄金コンビだぜ!
彼女はタクティカルな服装に身を包み
少し大きめのヘルメットから覗く瞳は戦士のそれだ。
慣れた手つきでアモンライト小銃のレバーを引き装填して
クリアリングをしながら埃臭い道を往く。
人間界の5.56mm弾をパーツ交換で使用可能なんで
結構これが役に立つのだな・・・
すると、まぁ壁を縦横無尽に駆け巡る「奴ら」とのご対面だ。
俺様は
肉弾戦に興じる。ただ小気味良いテンポを刻む銃声と
俺様の装甲が金属音立てて饗宴するだけだ。
「結ちゃん!喉元をねらえ!」
至近距離での小銃弾が的確にカブトガニモンスターの首筋に刺さると
そいつらは一気に体内のガス圧が下がって動きが鈍るのだ。
そこからトドメを刺す様に撃ち込んで倒すトコはマジでカッコいいな。
戦闘慣れしてるとは言っても、やはり悪魔寄りの人間なだけあって
闘いに飢えてる様だぜ!俺様は
心臓部を貫き手で突き刺してハートキャッチだ。
あんまり気持ちのいい感触では無いぜ!
そいつらは大勢であるが故に・・・聖書の事はあまり知らんが
とにかく数の暴力で攻めてくる系モンスターはキツイな。
キツイから報酬もそれなりになるんだけどね・・・
大立ち回りの末に敵を一か所に集め
俺様の熱いデビルスキルが炸裂する!
「
地下道を爆炎の噴射が駆け抜け
俺の必殺の一撃の炎魔法と共に奴らは焼き尽くされる。
「今回は数がヤバかったですねー。100匹ぐらい居ましたよ?」
「俺達の努力のおかげで市民の皆様が平穏に暮らしてるのだな・・・」
「ところで甲殻類モンスターですよね?食べたくならないんですか?」
「人間から見てお家に居て欲しくない真っ黒な虫と同類だぜ?」
悪魔にも好きなモノと嫌いなモノがあったのだった・・・
そいつらは大勢であるが故にヤバいのだ。
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