魔改装甲:アスタロト
現世に居る悪魔は現実の公文書に使える改竄書類を揃える為、悪魔の異空間で
諸々の手続きを行う。さながらヘッドギアの様なパーツに繋がれ
必要な事をインストールされるのだった。
流動的にデータを送信されるが、並の人間だったら脳がつぶれて
廃人になると言う・・・
「基礎学問試験、運転技能・・・うェっ、何か色々入って来て・・・キツい。」
とある村の事件から消えた人間として隔離され、悪魔探偵たちに救助された神代涼は
今、この世界では何者でも無い。それは悪事を働く上ではアシが付かないが
色々手筈を整えて貰っていた。
「
此岸の役所と書いて
青白い人形みたいな職員たちが機械の様に書類仕事をこなしていた。
講習室の機械に繋がれる事3時間。超感覚を持つ彼にとっては
自分の中身を色々と見ると言うなかなかに辛い試練に差し当たっていた。
ふと、室内のガラスに映る自分を見ると、仰々しい甲冑の悪魔・・・
師宮さんとかが纏う
ぼんやりと浮かんでいる。それは自分の手の動きに合わせて動く。
そう。この姿が悪魔としての本来の自分の姿なのだと自覚させられる。
不思議と恐怖は感じなかった。ずっと傍にこういうのが居る感じがしてたから。
面倒くさい事って長く感じるけど、今回はそういったイベントだった。
残り6時間のカリキュラムもどうにかこうにかこなして
長時間のインストールが終了する。
そうしてる間に、自分の中に潜む悪魔が何者かが分かる気がして来た。
「此役所から・・・どう帰るんだっけ?」
行く時は芥子河原さんの魔術で入れたけど
連絡すれば・・・でも自分でどうにか出来そうな気がして・・・
ふと空を見上げると、ドクン。と心臓が強く脈を叩いた。
身体の隅々に紋様が浮かび、アスタロトの装甲に身を包まれる。
超級悪魔のデビルスキル:時空干渉で磁場を見出すと巨大な穴が出来て
その向こう側に見慣れた人間の世界が見えた。
力に飲み込まれたら自分が自分では無くなると釘を刺されていたが
自我を保ったまま、時空の歪みの中へ入り込んでいって現世へと戻る。
膨大な脳記憶領域のせいで無自覚のままに上級の悪魔スキルである
自らを異次元転送させる術を行使していたのだった・・・
「ただいま帰りましたー。」
「涼!?その様子だと上手く行ったようだな!?」
「あれ?メールくれたら転送する予定だったんだけど・・・?まぁいいや」
「みんなのおかげです。ありがとうございます。これ、お土産の海老最中!」
ちょっとだけ大人に近づけた安心感と共に
何故自分にこんな力が授けられてしまったのか
そういった謎が脳裏に浮かぶ涼であった・・・
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