魔界球技:手榴弾野球!俺の魔球を喰らえ!!

地球の科学とは戦争の歴史のどさくさに紛れ、魔界の商人が

秘かに現世に出入りして人類に授けた叡智。オーバーテクノロジーだったりする。

たまに歴史の辻褄が合わないオーパーツがあったりするであろう?

商才に長け、悪魔との駆け引き上等な人間の金持ち共が買い叩いたり

技術や資源の奪い合いが発生する。それが今なお続く紛争の原因なのだな。

繁栄を望む経済活動が人を進化させるが、その過程で何かを淘汰する・・・

その時の都合で答えが変わっちまうから禍根は絶えないと言うぜ。


俺みたいな商売っ気の無い技術畑の下請けみたいな悪魔にとっては

何が今後の人間達に必要なのかいまいち分らんのだな。

人類よ。不必要なモノには気を付けろ!お金を多く使うと

後で同じぐらいすり減らす事があるからな。


フフフ、よし行くぞ師宮しのみや!喰らうが良い・・・

必殺!手榴弾野球奥義、爆熱激痛弾バーニングペインボール!!


「あっ・・・」


何故俺には投げる肩の力が無いのだ?プロレス技的な意味の投げでは

特に困らない筈なのに・・・せっかく悪魔時空展開デビジョンツリーを利用して意気揚々と日頃の余った体力を発散しようとしてたのに・・・

俺が作った魔界手榴弾でのキャッチボールは師宮のバットへと届かず

自分の足元に叩きつけてしまい、爆散!

悪魔は頑丈だし競技用手榴弾なのでちょっと服が破けたり煤ける程度で済む。

我々は魔力や呪い、浄化等のパワーが無ければしぶとい部類なのだ。


「フハハハハ!!馬鹿め、こっちから行くぞ!」


魔界手榴弾野球とは、投げては打ち返し、打ち返しては打ち返す

人間の想像を超えたエクストリームスポーツ。

悪魔の肉体の強靭さを競う為に行われる手榴弾を使っての

デビル狂い咲き野球なのだ!どっちで爆発したかの回数で競われる。

(やられなかった方の勝ち。乱闘あり)

基本的に1対1でやらないとグラウンドがボコボコになる競技・・・

9人制だった頃には試合ならぬ死合になっていたと言うぜ。

悪魔時空展開技術のおかげで進化したと言っても過言ではない。


まずは1アウト取られて、すかさず師宮が自分の球を投げつけてくる。

しかし、当てるとなれば話は別!今は二刀流メジャーリーガーが

大活躍と聞いてるが、俺のバットは漲って・・・下ネタみたいじゃねえか。

男達よ。不意に出てしまう誤解を招く言葉に気を付けろ!

恐らく1万年と2千年ぐらいの愛も終わる事であろう。

8千年過ぎても恋しくならないとか、悪魔的にはキツ過ぎる。


芯を捉えて良い感触だがこれはマズい。

当たり所が悪く信管が作動し叩きつけたバットで爆散!俺は遂にツーアウト。

まったく誰だこんな事やろうと言い出したのは?

苦手を克服したい俺自身じゃあないか・・・

人類よ。悪魔は定期的にボケるぞ。ツッコミ不在に気を付けろ!

爆破された側が打つと言う約束の元で試合は続く。


「これで終わりだぁ!雷撃激痛弾!《ライトニングペインボール!》」

俺めがけて投げられた手榴弾が複雑な軌道を描く。

まさに稲妻の如く・・・今度こそは俺のバットが唸るときだぜ!

いかん。またも下ネタっぽい。しかし躊躇いなくフルスイングすると

ライナー性の特に理由のないピッチャー返しが師宮を襲う!

某ボイルドエッグ先生のプロレス漫画理論でその威力は100倍だぜ。

師宮の奴に打ち返す時間を与えず

見事なクリティカル爆発!!良いながめだぜ。デビル愉悦・・・

すると逆切れした師宮が駆け寄ってきて

「キシャアァァァァ!!!」と叫んで襲い掛かってくる。

魔界野球の喧嘩は素手でやるのが通例なので俺が有利だが地味に泥仕合。


悪魔の言語は肉体言語だったりその場のノリだったりするのだ。

俺達は黒焦げでズタボロにタイマン張って子供じみた意地を張り合う・・・

そう。悪魔にとっては子供心のまんま痛快に生きる事を美徳とする。

「いつまでも 夢の途中で 居たいのよ。」

デビル川柳が一句出来上がってしまったぜ。

俺達は煤けた身体をデビルスキルで隠して自宅への帰路へ着いたとさ。





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