悪魔の情報屋さん

俺は結ちゃんが寝てる間に魔界から密輸入して持ち込んだ悪魔チョコ

(こっちで言うプラスチック爆弾)を主食のカニカマ食べた後のデザートに味わって

ここまでの鬱屈した空気をリセットする。この毒々しい味はたまんねー。

(良い子は絶対に真似するなよ!)

世の中は嘘ばかりだが、その中に不都合な真実があるって話はいつかしたと思うけど

インターネットの動画配信者の中には本物の悪魔も居る。


匂わせ情報や拗らせた様な紛らわしい情報の中にもなかなかに参考があるって答え。

ここまでに殺された黄泉還りの人間は12人。人間がやったなら死刑。地獄行き確定。

「臨死体験者が多い」と言う共通点まで辿り着く人も珍しくないが・・・

現場の位置関係から六芒星が二つある様な図形が出来上がる。

今の時代、インターネットが情報屋だ。確度はさておいて

世の中がキナ臭くなるとその情報が欲しくなる。今の時代は人間達が

騙されたり真実を取りこぼしたり自分のやるべきことから逸れちまって

それでいて需要と供給、そして消費が成り立ってるからいろんなバランスが崩れるんだ。それに振り回されるのは考え物だぜ。

俺が見つけたのは某動画配信者のリアル悪魔。

(プライバシー保護の為に名前は伏せる)

この悪魔ったら悪魔大学時代の同級生。俺と一緒に悪魔社会に出た頃に

仕事に遅刻するからって時速80kmで凍冥トウメイ高速道路を

裸足で逆走した罪でデビル死刑になった男だ。

いやー。こっちにお友達が居るとかさ、なかなかに幸運だぜ!

悪魔にしか通じない挨拶メッセージ送って同期の桜の話がかなり弾んだ所で本題に入る。


「動画に出してる、六芒星二つが並んでる土地。その真ん中の地点があるだろ?」


「おう動画で見たよ。まだ何かやるのか?何故『黄泉還り』の人間が狙われるんだ?」


。「なんでも、『黄泉還り』した人間は無駄な余生を過ごしてる。みたいな・・・

 ここだけの話、六芒星の交わる中心で13人目の殺しが起きる可能性がある。」



「六芒星の交わるトコでもう一つ、13人目の殺しをやったらどうなる?」


「天界から認められて格が上がる。悪魔にとっちゃ胸糞悪いが、半神デミゴッドから天界に出世して正社員の処刑人パニッシャーとして稼げるようになるって流れだろうさ。しかし、今回は無実の人間を狩ってる。ズルをしての点数稼ぎ。禁止されてないとはいえ、後がないヤツの手口ってトコか。」


俺はそれだけでもうイライラする。罪人を処すのは悪魔の仕事だは単純に罪のない人間を殺す半神デミゴッドとやらも重罪人だぜ。悪魔達はそういうヤツは殺しても良いとの通達も出ている。


「話が長くなったな。後で礼はするよ。」


「まぁこっちは動画配信上手く行ってブランド服とかコラボ商品出すぐらい有名になったしー?お友達料金で良いぜー。じゃあな」


嫌味ったらしくデビルマウント取られたトコで朝が来る。


「んはぁー。良く寝た・・・あ、悪魔さん、おはようございます。」


ちょうど結ちゃんが起きて、事務所内にあるお風呂でリフレッシュ。

俺はその間にデビル飯・・・を作ると毒性高すぎて人間が死んじゃうから

人間用の朝ごはんを作ってやる。カリッカリのベーコンエッグにトースト。

ブラック濃いめ砂糖多めのコーヒーを淹れてやってエプロン姿で待つ俺。


朝から気怠いワイドショーがテレビで流れてやがる。

もっと朝からお笑いネタ番組やってテンション上げやがれ人間ども!


「続いてのニュースです。連続殺人鬼と思われる人物から犯行予告が届きました。」


「えー。2つの六芒星が13番目の点を築く時、我、天へと還る。」


「これは警察の捜査をかく乱するいたずらであるとの情報も・・」


なかなかに大胆なヤツだが、近い内にこの街で俺とも違う獣が嗤う。

全く、正義なんて世界を遮る壁でしか無いのに面倒な奴が居るもんだぜ。

俺はニュースを観ながらカニカマを食べる。六芒星二つが重なったこの街で

何と戦うのか。やるべき事に集中しないと物事の本質を見逃しちまうぜって答え。


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