悪魔、少しプロレスラーになります
「許せません!
呪いの書を取り出そうとする結ちゃん。
「待て待て。カチコミなら、こっちの方がセンスいいだろ?」
俺は悪乗りで、ホラ、以前地獄のロブスターと戦う時に使った
地獄の熊で作った鎧、ジゴックマ君3号を取り出す。
こうやって場を和ませないと突っ走るタイプなのがまだ青いと言った所だぜ。
もちろん裏を取らねばならない。相手が詰む程の証拠を探し出すのだ。
こうして悪魔と悪魔探偵は街へ繰り出す。ジゴックマ君3号は
デビルポケットにしまって置いた。
俺はアフロになっちまった髪をバサバサ気にしながら新しいスーツのネクタイを気怠く締めつつ
道を歩く。思えばイロモノになっちまったもんだ。デビルスキルで人間の目からステルスする事も出来るが
さっきのダメージが色濃くて無理っぽい。
こうして同じ道を歩んでる中年男と若い女。傍から見たらどう見られるのかちょっと気になったりもする。
チラッと視線を彼女の方にやると、結構こっちをガン見してた。
「ぷークスクスクス!アフロは・・・その体格でアフロってズルい。面白い・・・アフロ悪魔・・・」
完全にマスコットだ。いいぜ。ちょっとしたイイ感じの雰囲気はこうして再びお笑いムードだぜ。
「山田恵一郎・・・って言うと飛翔プロレスリングのトップ選手ですね。写真も一致してます。」
「俺もプロレスは好きな方だけどさ。結ちゃんプロレス好き?」
「悪魔さんっぽいガッシリした骨太型のも良いですが、
鍛えて痛みに耐え抜いた不自然な筋肉を纏ったガチムチな男たちのこう。絡み合いってのは、そりゃもう・・・」
俺もそういう時期があったからわかる。オタ特有の早口マシンガンだぜ。
話を聞きながら、とりあえずその山田恵一郎。インディープロレスでは
飛びぬけた才能を持つ男としていい線で活躍している
その道場へと足を運ぶことに。やっぱ、ホンモノは迫力が違うな。
外から見ていても、ボディスラムの音、大きい体が素早くロープワークで広いリングを往復する。
そして地道に筋肉を軋ませてトレーニングに雄たけびを上げる姿を見て
完全にプロレスファンの結ちゃんの目は輝いていた。
今からトップレスラーの浮気調査するってのにさ。こんなんじゃ先が思いやられるぜって思ってたら
俺のアフロ頭とガッシリ目の格闘系ガタイに目が飛んで来たらしく
道場のトレーニングを指示していた年長のレスラーが近づいてくる。ヤバい。
「ヴェっさん!私にいい提案が!あなた!学生プロレスやってたんですよね!?」
仮にも地獄大学ではプロレス同好会で「チョコボーイ芥子河原」として馴らし
数多のレスラー達を48手のサブミッションで仕留めて来た事はあるが・・・
無駄に阿吽の呼吸で判断する。そういう事か。
ここで人間界潜入スキルの応用だ。
見せてやる。デビルスキル「
俺はプエルトリコで活躍するプロレスラーと言う設定に置き換わる。
今日は選手として呼ばれたので来たんだ。と。
ご都合主義の技にも見えるが、生贄とグリモワールのバックアップがあっても
かなり肉体へのダメージが出る。大体結界喰らったダメ―ジがあるし・・・
ハイリターンではあるが覚悟が要るのだ。
するとスキル発動の範囲に居たレスラー団体のリーダー、長野力が
「おっせーい。待ってたんだよお前チョコボーイ!タココラお前!」
と道場へと招き入れる。俺は今だけは学生時代のチョコボーイ芥子河原。
血と関節に飢えていた地獄の回転風車だぜ!
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