15回目の夏

15回目の夏

 どうやら、この人生は15回目らしい。


 それに気づいたのは16歳の夏、あるノートを見つけたときだった。そこには、16歳の夏からの日記が14回分記してあり、その日記と同じことが起こり続けたからだ。ノートを見つけたその日から、日記をつけ始めた。日記を書く目的は、同じクラスの男子に告白するためだ。しかし、いつも直前に準備不足に気づいて、悩んで、またやり直そうと死を選んでしまう。今回も断られるのが怖くて、学校の屋上から飛び降りる。人生が一度きりなら、思い切りがつくというのに。そう自分に言い訳して、またグラウンドへと打ち付けられる。


 じゃあ、また来世。

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15回目の夏 @COFFEE_DRUNKER

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