Session7-3 森都からの依頼
GM:エミディオは一息ついた後、食堂を出てホールへ向かい、依頼書の束を手に戻ってくるよ。
オルフ:「……考えてもしょうがねぇか。それでエミディオ、水晶絡みの依頼は来てるのか?」
GM/エミディオ:「ふむ……おや?」1枚1枚丁寧にそれをチェックしながら……エミディオはふと、依頼書の束から1枚を選び出し、じっくりと文章を読み始める。しばらくして、厳めしい表情で君たちを呼ぶだろう。
シュシュ:「安全そうな依頼がありました……? 試食の依頼とか」
オルフ:「冒険者に向けて出る試食の依頼は安全じゃなさそうだけどな」
シュシュ:「……それも、そうですね……」
GM/エミディオ:「悪いが、試食の依頼ではない……が、信頼を得られるかもしれん依頼だ」
イスデス:「ほほう、早速だね」
GM/エミディオ:「……『ユーシズ魔導公国』が、依頼を出してきた。奈落の魔域の攻略らしいが……これは。少し、集まってくれるか。良ければ君たちに頼みたい」
オルフ:「早速だな。……分かった」
GM/メイベル:「いつもの6人ね。……騎獣とゴーレムもいるけど」
シンカイ:「ユーシズ……。わかりました、然りて拝聴いたします」
シュシュ:「………は、はい。ジャンくん行くよ。起きて」ぺふぺふ。
イスデス:「東の森奥にあるらしい、あの? へぇ、詳しく聞こうじゃないか。」
アルクトス:近くまで行こう。
GM:ライズを含めた、君たち6人がエミディオの周りに集まると、エミディオは依頼書を拡げる。
●依頼書●
【"ユーシズ監視硝"周辺の奈落の魔域攻略】
依頼主:ユーシズ魔導公国
グランゼールから北東へ徒歩で3日、馬車を使うのであれば1日半、街道を進んだ地点から広がる
『コロロポッカの森』。
随所にユーシズ魔導公国管轄の監視硝が存在し、森林内や"ふんばり剣溝"から攻め入ってくる
蛮族の動きの監視を行っている他、森を調査するさいの拠点ともなっている。
さて、最南端の"フルール監視硝"近辺で、数日前に奈落の魔域が出現しているとの報告があった。
調査の結果、脅威度「6」のこの魔域の内部には、"暗黒の波動"と呼ばれる能力をもつ魔物が
存在することも判明しており、『雀のお宿亭』に魔域の攻略および魔物の排除を要請したい。
報酬として、冒険者1人に対し5000Gを約束する。受注した場合は"フルール監視硝"に赴き、
観測機材を受け取り、説明を受けるように。
GM:依頼は、コロロポッカの森に出現した奈落の魔域の踏破のようだね。報酬は1人あたり5000Gと、やはり"暗黒の波動"絡みだからか、割りは良いように感じる。
アルクトス:「暗黒の波動、か」
シュシュ:「……奈落の魔域。聞いたことはありますが……」
シンカイ:「……既に深いところまで事態が進展・把握されていますわね」
GM/ライズ:「えーっと、"ユーシズかんししょう"……どこだっけ」ライズが地図を広げる。北東の"コロロポッカの森"周辺には、そのような地名が記されているのがわかるだろう。
イスデス:「ふむ。最南端ということは、ちょうど森の入口付近だね」
"ユーシズ監視硝"は、コロロポッカの森を通る街道付近に複数設置されている、見張り塔兼、兵士の詰め所です。
主に街道に出没してくる動植物などから通行人を守ったり、巡回して安全を確保したりしています。
ユーシズ公国周辺の村や町から駐屯する兵士を募っていますが、本国である程度の基礎訓練を施してから配置されるため、魔法が使える者が多かったりと、下手な冒険者よりも実力は上のようです。
オルフ:「この『観測機材を受け取り』、というのはどういう事だ? 単に魔物を排除する依頼ではないのか?」
GM/エミディオ:「……それは、私も気になるところだ。依頼書から見るに、"奈落の魔域"の内部に"暗黒の波動"を持つ魔物がいると、初めから分かっているようだ」
アルクトス:大丈夫? 実は罠だったりしない?
シンカイ:騙して悪いが……(笑)。
シュシュ:まぁぶっちゃけ、加護持ちを消すにはこういう依頼で釣るのが一番よね……。
GM/エミディオ:「おそらく、ユーシズ公国は"暗黒の波動"に関して、それなりの研究が進んでいるとみていいだろう。むろん、"波動"を持つ敵が出現した場合、被害を抑えるために依頼は"お宿亭"に回してほしいとの通達は出してはいるが……」
オルフ:「裏がある可能性もある、な」
GM/エミディオ:「……観測機材、か。"暗黒の波動"、あるいは君たち"加護"持ちの魔力を測るものだと見ていいな」
イスデス:「研究材料としては破格だよね、我々」
シュシュ:「……ひっ。私たちが研究されちゃうんですかっ」自分の身体を抱くようにして一歩下がり。
GM/エミディオ:「罠と言う可能性も、あるいはあるやも知れん……が」エミディオは思案する。
「依頼主は、あくまでも正式な『国』だ。表立って嘘の依頼をしてくることは、まずないだろう。何らかの思惑があるにせよ、書かれている情報は信頼していい」
シンカイ:「あるいは、試されているのでしょうね。協力するに足る者か否かを。……だとすれば僥倖というものでは?」
シュシュ:暗黒の波動があるとはいえ、その気になれば脅威度6くらいなら自国でどうにかできるだろうしなぁ。
GM/エミディオ:「そうだな。……成果を出せれば、かの大魔導公の協力を得るきっかけになるやもしれん」
オルフ:「フン……とはいえ、依頼は依頼か。向こうの思惑が何だろうと、やることは依頼をこなす事だけだ」
シンカイ:「やってやろうではありませんか、と思いますが、皆さまはいかがでしょうか」
アルクトス:「……。まあ、構わない」
イスデス:「脅威度は6ぐらいと。まだ対処できる範囲だし、良いんじゃないかなと拙は思うよ」
GM/ライズ:「オイラも大丈夫。……経験つんで、クレナイびっくりさせてやりたいしね!」
シュシュ:「(……達人さんとかに比べるとずっとマシだよね……?)は、はい……できる限りのことは……」こくりと頷く。
オルフ:「……結局、力はあるに越した事は無いからな」
GM/エミディオ:「このところ、蛮族の動きも気になる。襲撃は少ないが、君たちが相対したように"紫水晶"を持っている輩もちらほら見受けられる」
シュシュ:「……蛮族」魔神よりも怖い。
GM/エミディオ:「乗合馬車代は、こちらが負担しよう。片道1日半、往復と現地の調査で4日から5日コースだ。保存食は十分に持って行けよ」エミディオは君たちに、往復できるだけの乗合馬車代を計算し、支払ってくれる。
シンカイ:「相わかり申しました」
GM/ライズ:「やっぱり馬車かー! うーん、まあでも最近慣れてきた! がんばるぞっ!」
GM:買い物などはこのタイミングで行える。また、道中宿場町で1泊するため、そこで契約変更なども可能だ。事前準備で準備したものは、現地到着直前に準備できたものとするよ。
シュシュ:「馬車、私はゆっくりできて好きです。ええっと……1、2……5日分はあるかな、よし」
アルクトス:「少し煙草の材料を買い足しておくか……」
GM/ライズ:「いいにおいのする煙草オイラすき!」
アルクトス:「……普通のやつにするか」
GM/ライズ:「なんでーーー!?!? アルクってオイラのこときらい!?」
イスデス:くっつくか離れるかの2択。
アルクトス:「別に嫌いではないが」好きというほどでもない。
GM/ライズ:「じゃあ好きってことで!!」どやっ。
シュシュ:全員分のおひう弁当を作って……今日のおひうは新鮮なカツオで作ったステーキにしよう。馬車で食べようね。
オルフ:いくぞー!
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