Session7-2 格上の相手たち

GM/エミディオ:「しかし……そうなると、ハーヴェスでの研究は今後もあまり期待できん、だろうな。魔法の品としてみれば、ユーシズ公国の協力を得られれば良いのだが……」

オルフ:「とはいえ、研究関連で出来る事なんざあるのか?」

GM/エミディオ:「私たちに出来ることは、まずないだろうが……"紫水晶"絡みの事件を請け負っていけば、信頼が得られるやもしれん」

オルフ:「まずは地道な活動で実績を積む他無い、か」

アルクトス:「いつになるのだろうな、それは」

イスデス:「つまり、やることなすことはこれまでと一緒ってことだ」

シュシュ:「研究はあちらに任せ、こちらにできることはこれ以上広まるのを防ぐこと……でしょうか」

GM/エミディオ:「そうだな。もともと"暗黒の波動"を持つ魔物は、大迷宮から"紫水晶"が出土したこともあり、グランゼールからハーヴェス地域での出没が主だった。が、最近の広がり具合からラージャハ、ユーシズからの支援要請も増えてきている。……彼らが危機感を持ってくれればよいのだが」

シンカイ:「どちらから先に協力を取り付けるか、という話になれば、わたくしはラージャハ帝国を優先したいところですわね」


オルフ:「しっかし、仮にも1度かなりの量を回収したはずだがまだ増え続けてるのか。奴らの鉱脈にはどれほどの量が眠ってるんだろうな」

イスデス:「病巣を摘出するまでには至ってないからねぇ。難しいところだ」

シュシュ:「……もともと出自自体が謎です。無尽蔵という可能性も」

アルクトス:煙草に火を付け始める。

GM/ライズ:「なーんかアヤシイよね。大迷宮からシュツド? したって言ってるけど。それ以上にたくさんありそう」アルクトスからそそくさと距離を取る。

アルクトス:ハーブを調合したやつなので、タバコ臭さはないよ。

GM/ライズ:「……」そそくさと近づいていく。

シュシュ:かわいい。


オルフ:「あるいは紫水晶の精製を行っている可能性も無いとは言えないか。その辺を明らかにするためにも、研究を進めて欲しい所なんだがな」

GM/エミディオ:「開拓者パイオニアである『遺跡ギルド』ならば、何か情報を掴んでいそうなものだが……依然として各非合法組織は、私たちの"紫水晶"収集を妨害し続けている。さすがに、協力は期待できそうにないな」

シュシュ:残念。

シンカイ:あーぁいねぇかなぁ。度胸勝負一発で協力してくれる気前のいい大物がよぉ~。

オルフ:「とはいえ、完全な敵対状態でもない……考えが入り混じり過ぎてるな。地方を巻き込む大騒動ならそんなものか」

アルクトス:「ふん……どうせあの赤毛やらとも今後関わっていくだろう」

シンカイ:「レナード……」師匠と同じ動きのやつ……だったよな。

シュシュ:そうそう。

GM/エミディオ:「……聞くところによると、非合法組織支援を行っている冒険者ギルド〈桜下酔虎の宴〉から私たち、それと奈落教に向けて強力な助っ人を差し向けたらしい」

シュシュ:「……両方に対して、ですか?」

イスデス:「どちらか片方だけに加担するわけでもなく、どちらか片方だけに肩入れしないわけでもないと」

GM/エミディオ:「ああ、両方だ。君たちが以前会ったという赤毛……レナード、と名乗った男も、ギルドの一員かもしれんな」

イスデス:「どちらが勝っても、自分たちはそこへ口出しできるようにしているわけだ」

オルフ:「なるほどな。結局、両方蹴散らせばいいだけの話だろう。何も問題はねぇ」

GM/エミディオ:「簡単に言うがね。<桜下酔虎の宴>の中には、《武器の達人》クラスも混じっているときた」

イスデス:げぇっ、11レベル冒険者!



戦闘特技武器の達人は、最低でも冒険者レベル11にならなければ、習得できないものです。

今の冒険者パーティでは、到底太刀打ちできないでしょう。



GM/エミディオ:「先の"紫水晶"摘発依頼で、パーティの1つがその達人……初老の男の妨害に遭ったようだ」

シュシュ:「武器の……達人。なんだかすごそうです」

オルフ:「そのレベルと遭遇したらまず逃げる事も出来ないだろ。なら、やる事は結局……」 

アルクトス:武器の達人、初老……ちらり、とシンカイを見る。

シンカイ:「この男であらせられますか!?」がたっと立ち上がってエミディオに老師アジムの絵を見せつける。


GM/エミディオ:「むっ!?」シンカイに驚きつつも、その絵を見て、控えめにうなずく。「お、おそらくは……だが。……確かに情報としては、そのような顔立ちだったらしい」

シュシュ:「その方は……」

イスデス:「たしかシンカイちゃんの目的の……?」

シンカイ:「我が師にして、父と夫の仇です」力強くうなずく。

シュシュ:「つまり……このまま紫水晶を追っていけばその方とぶつかることも……」少し身体を震わせ。

GM/エミディオ:「……こちらでも警戒はしておく。あまり突っ走るなよ」

シンカイ:「ッ……」

オルフ:「過剰な時は殴ってでも止める、大丈夫だ」

GM/エミディオ:「助かるよ、オルフ」シンカイの様子を見て、話題を変える。「非合法組織絡みもそうだが、"奈落教"にもそのレベルの……いや、それ以上の敵がいると見ていい。君たちは、イアンの様子を見たのだろう?」

シュシュ:「……はい、イアン様は明らかに何かしらの高レベルの魔法……【ギアス】でしたか。それをかけられているようでした」


GM/エミディオ:「【ギアス】は12レベルの深智魔法……君たちどころか、この店のエースを出しても敵うかどうか。慎重に事を進める必要がある。場合によっては、軍が動くこともあるだろう……こればかりは、女将の交渉次第だがな」

シュシュ:こちとら15レベルのスタバ魔法じゃい。

アルクトス:ドリンクしか出ないぞ!(笑)

イスデス:「国に一人二人いるかどうか、という領域だからねぇ」

GM/メイベル:「……ユーシズのヴァンデルケン公なら、それ以上って感じはするけど」

GM/エミディオ:「まあな。だからこそ、冒険者の活躍で信頼を得、国の協力を引き出すことは大切なのだ」

シュシュ:「……なるほど。冒険者として信頼を得ていくことの重要性が分かった気がします」なお信頼を得ても信頼はできん模様。

オルフ:はい(笑)。

GM/エミディオ:「君たちが倒した魔動機のパーツの調査結果も、マギテック協会から届いていた。最近、人の手で改良が加えられたことに間違いないらしい。【ギアス】の使い手のように、"奈落教"には、同じく高レベルの魔動機師もいると考えていいだろうな」

GM/ライズ:「前途多難ってやつだ」

シュシュ:「……あの門のような物。ゲートを自在に扱える人材もいると考えると……恐ろしい組織です」

オルフ:「(……しかし、結局連中の最終的な目的は定かじゃない。盗賊ギルドはある意味で分かりやすいが、奈落の狂人共の目的は……)」



アルクトス:「そういえば、アレはどうなった?」捕まえてきた女術師の件。

GM/エミディオ:「……ハイマンの女性、か。彼女はまだ目を覚まさないな」

イスデス:「あれから結構経つけど、そうか……」

GM/エミディオ:「アルクトスと同じ魔法陣、そして"紫水晶"により操られていた……もし意識を取り戻してくれれば、重要な情報が聞けるだろうが……」

シンカイ:「間に合うとよいのですが。……ハイマンとしては妙齢の方でした。遅くなると……」ごくり。

アルクトス:遅くなると……行き遅れる(笑)。

シュシュ:かなしい(笑)。

GM/エミディオ:「"紫水晶"が、魔神の種と完全に同じかどうかも分からん状況だからな。こればかりは、数ヶ月、あるいは数年か……待つしかないだろう」

アルクトス:「そうか……」

GM/エミディオ:「気になるのなら、女将が戻ってきてから聞いてみるといい。寝室まで案内してくれるだろう」

アルクトス:「……別に、そこまでの興味はない」

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