Session7-4 フルール監視硝へ
グランゼールの南東門。冒険者たちが初めての依頼で訪れた場所を通り、乗合馬車の停留所から、一路ユーシズ方面を目指す。何度かの乗り継ぎを経て、冒険者たちは道中の宿場町で1泊し、次の日の昼過ぎには、コロロポッカの森の入り口にたどりつく。
この3ヶ月ほどで、ライズも冒険者としての活動に慣れてきたようで、見知らぬ土地ではあるものの、大分落ち着いた様子が見られる。
ひしめく樹木続きの緑の海を割り、土の街道を這うようにしながら北へ向かう。
コロロポッカの森に起伏はあまりなく、平坦な地面に、残暑の木漏れ日が降り注いでいる。
風通しはとても良い。果てしない樹海が側面に広がるが、この道の周辺だけ見れば木々はまばらで、ところどころ不意に生えた植物が伐採された跡も見える。
葉はまだ色づいておらず、たまに黄緑がかったそれが1枚落ちてくる程度だ。枯葉を踏みつけた時の、あの特有の音と香りは混ざらない。
街道を進んでいく君たちは、ユーシズ魔導公国の
彼らはそちらを一瞥するが、君たちの身なり、あるいは見える場所に冒険者の店の
やがて、道を少し外れた場所、多少の窪地となっているところに、周辺の木々よりも背の高い、高さ20mはある塔のような建造物が見えてくる。
どうやら、目的地の"フルール監視硝"のようだ。
その塔の根元では、複数の兵士たちが周辺を険しい目つきで見張っている。
イスデス:見られてるのに気が付いたらにこやかに手でも振っておこう。
シュシュ:すれ違う度にジャンくんやみんなの陰に隠れる。蛮族だしね、冒険者とはいえユーシズだとどう見られるか。
オルフ:厄介ごとになるのもアレだし分かりやすくぶら下げておこう。
GM:なら問題ないな!
シンカイ:「あ、ちょっとお待ちくださいませ。本件にはかかわりないかもしれませんが、この男をご存じですか?」老師の写真を取り出す。
GM:いきなり!?(笑)
オルフ:「シンカイ」流石に他所で仕事中の奴にはやめとけ! と制止しておこう。
アルクトス:「何をしてるんだ、あいつは……」
シュシュ:目立つシンカイから離れるように隠れてよう。
GM/ユーシズの兵士:「なんだ、人探しか……ふん、悪いが見覚えはないな」ぶっきらぼうに答えられて終わる。
イスデス:ノルマ達成。
シンカイ:「お手数をかけました、ありがとうございます」ぺこりと礼。
GM/ユーシズの兵士:「……あんたら、例のグランゼールの冒険者か。なら、ついてこい」じろじろと君たちの容姿を観察しつつも、兵士は監視硝へ案内する。
シュシュ:耳をできるだけ丸めて髪の中に隠す。尻尾は……スカートの中で丸めてよう。疲れるけど
アルクトス:気にせず案内されます。
オルフ:「ああ、分かった。案内してもらおう」堂々とふてぶてしく。
イスデス:「お願いしまーす」
GM/ライズ:「おねがいしまーす!」
アルクトス:「こういう連中だ、あまり気にしないでくれ」
シュシュ:「(すごい、イスデス様もライズ様も。堂々としてる……)」
GM:「……まあ、問題だけは起こさないでくれよ」
周辺を警戒しているのは兵士だけではなく、ローブを纏ってスタッフを持った魔術師も数人見受けられる。魔法大国ユーシズ特有の魔術師の多さは、軍略にも影響があるだろう。
ジャンくん(シュシュ):『ごしゅじんが契約証の中に入れればなぁ』
オルフ:「依頼を受けただけだ。妙な事をする気は無い」
兵士についていくと、大きめの見張り塔、といったような建造物に案内されます。
両開きの扉を開くと、そこにはテーブルや椅子、事務仕事をするのに必要なデスク……奥の仕切られた部屋には簡素なベッドも置いてあります。
塔の上部へとつながる階段も見え、小さな拠点といったような印象を受けるでしょう。
GM/ユーシズの兵士長:入ってきた冒険者を見て、壮年の兵士が応対する。
「ふむ……君たちがグランゼールの。依頼書は読んだな」
君たち(ナイトメアーズ、ベスティアーズ、およびコボリンとハイマン)を一瞥し、わずかに眉をしかめながら、抑揚のない声で言う。
ジャンくん(シュシュ):『読んだよ。ごしゅじんが』
アルクトス:「ああ、雀のお宿亭から来た。今回はよろしく頼む」
イスデス:「ええ。魔域に"暗黒の波動"持ち、でしたか」
シュシュ:「(あの目……バレてる……?)」ぷるぷる。
GM/ユーシズの兵士長:「では、簡潔にいこう。このコロロポッカの森で、奈落の魔域が確認された。幸い街道からは離れた地点だ」
シンカイ:「経路分断はされていないと。……ある程度は気がラクになりますわね。むろん、軽んじていいものではありませんが」
GM/ユーシズの兵士長:「とはいえ、街道の哨戒も増やしてはいる。早急にその魔域の攻略を頼みたい、というのが1点」
シュシュ:「……い……1点……?」
オルフ:「2つ目と言うのは依頼書にあった“観測機材”に関わる話か?」
GM/ユーシズの兵士長:「そうだ、もうひとつ。貴様たちグランゼールの冒険者には、これを渡すように上から指示されている」兵士長は傍らの箱から、細い杖のようなものを取り出し、君たちの前のテーブルに置く。
宝物鑑定判定、目標値は16でお願いしようかな。
アルクトス:(ころころ)おのれ出目3。
イスデス:(ころころ)17、やったぜ。
シンカイ:(ころころ)わたくしも自動成功ですわ!
シュシュ:「……なんでしょう。棒?」(ころころ)わからん。
アルクトス:魔法職のくせに杖持たないから知らなーい。
GM:イスデスとシンカイは、それが特殊な魔力を感知し、大元に伝達する魔法の品であるとわかる。それ自体には、特に杖としての効果はない。
シンカイ:つえーわけじゃねぇのか(笑)。
イスデス:でもすてっきでしょう?(笑)
GM:君たちが魔法を行使したり、練技を使用したり……なんらかの特殊な行動を行った際に、持ち主に対し、それが目の前で起こったかのように伝達されるものだね。言わば、『通話のピアス』の魔力版といったところ。
アルクトス:計測機ってこれか。
イスデス:では皆にこそっと、「あれが観測機材らしいね」と杖を指して。
GM/ユーシズの兵士長:「我々も詳しくは知らされていないが」補足するように兵士長が言う。「貴様たちには、何か特殊な魔力が宿っているのだとか」
オルフ:むむ。真偽判定してみてもいい? 詳しくは知らされていないとか、なんかその辺について。
GM/ユーシズの兵士長:ふむ、真偽判定をしてみるのであれば……特に判定はいらないかな。本当に何も知らされてないようだ、とわかる。
オルフ:はーい。まあ、だとするとむしろ得心は行くな……。上司に『なんか怪しい奴に頼んだから怪しいもの渡せよ!!』って言われたらこんな態度になるわ。
シンカイ:対波動態勢の、臨床記録ってところでしょうか。
GM/ユーシズの兵士長:怪しむようなオルフの目線に、「まあ、にわかには信じがたいが。"大魔導公"が言うのであればそうなのだろう」と眉間にしわを寄せて言うよ。
アルクトス:「ふむ……」
オルフ:「大物の名前が出てきたな」
シュシュ:「……やはり皆様の言う通り、これは……」
GM/ユーシズの兵士長:「ふん。マグヌス公が、それだけ貴様たちに期待を込めているということだ。……くれぐれも破損、紛失はするなよ」
オルフ:「……まあ、此方としても否はない。これを所持したまま魔域を攻略すればそれでいいんだな?」
GM/ユーシズの兵士長:「上からは、そう聞いている」事務的な対応だね。
アルクトス:「了解した」
シンカイ:「畏まりましたわ」
シュシュ:皆の反応を見てから遅れて小さく頷く
オルフ:「イスデス、アルクトス。どっちかが持っとけ」
イスデス:「では、拙が頂戴しておきましょう」
GM/ユーシズの兵士長:「報酬は、魔域の消失が確認され次第支払う。現地までの地図は渡しておく。奈落の脅威度は、4日前に計測した次点での数値だ……他に質問はあるか?」
シュシュ:「……え、えと」おずおずと小さく手をあげ。
GM/ユーシズの兵士長:「……ふむ」ちらとシュシュを見やり、控えめにうなずいて発言を促す。
シュシュ:「どうして……暗黒の波動が関係していることがわかったのでしょうか……。あっ……ご、ごめんなさい。変な質問でしたら無視してくださいぃぃ」
GM/ユーシズの兵士長:「……それも、"大魔導公"からの指示だ」溜息をつきながら、兵士長は言う。「"暗黒の波動"とやらについて、我々は詳細を教えられていない」
シュシュ:「……そ、そうですか。……ありがとうございました」
GM/ユーシズの兵士長:「ただ、貴様たちが適任であると国が判断するのであれば、それに従うのみだ。……外国に頼るというのは歯がゆいがな」
オルフ:「だろうな。態度を見ればわかる」
GM/ユーシズの兵士長:「ふん。察してくれて助かるよ」この問答でわかるだろう。ユーシズの長、ヴァンデルケン・マグヌスは、"暗黒の波動"を察知できる何らかの技術を、すでに持っているということ。そして、それを公にはしていない、ということだ。
シュシュ:察知……察知かぁ。
オルフ:「……で、質問だが。〈悪魔の血盤〉の貸し出しは頼めるか? 破壊した場合は弁償する」
〈悪魔の血盤〉は、奈落の魔域の危険度を測るアイテムです。
危険度自体は依頼書にも書いてありましたが、計測が4日前ということから、突入前に再確認するのは重要なことです。
GM/ユーシズの兵士長:「……まあ、その程度ならばいいだろう。おい」兵士長に指示され、部下の兵士が君たちに『悪魔の血盤』を渡すよ。
オルフ:「助かる」ぺこり、と軽く頭を下げておこう。
GM/ユーシズの兵士長:「ま、気をつけろよ。この近辺では動植物、それに最近じゃ蛮族の襲撃もあった。そのあたりが魔域の主として居るかもしれん」多少、口調を崩して君たちに気を遣ってくれるだろう。
オルフ:「ああ、参考にさせてもらう」
シュシュ:「……蛮族」顔を伏せて。
オルフ:その辺の事をある程度聞いて回るのも悪くないかと思いましたが。ここにいると互いのストレス値が上がっていく気がするのですぐ行った方がいい気がする(笑)。
アルクトス:せやね……。
GM/ユーシズの兵士長:そうですね。少し聞いてみるなら、なんてことはない、ウルフたちによる家畜の襲撃や、ゴブリンやボルグなんかの集団による略奪だ、とだけ聞かされます。
イスデス:ふむ。一応、覚えておこうか。
冒険者たちは監視硝をあとにし、地図を見ながら"魔域"の地点へと進んでいきます。
やがて数十分ほどで、その魔域の入口──光さえ飲み込んでしまいそうな漆黒の空間が見えてきます。
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