Session5-6 封じられた"力"?

シュシュ:「……これは」床がずれる音に耳をぴくりと震わせ。

シンカイ:「反応している……。こういうのをカギとしているという事?」

イスデス:「遺跡が反応した……。魔法文明末期、ハイマンと何か関係がある場所だったのだろうか」

GM:内部は暗いが、その最奥でわずかに光るモノ……アルクトスが感じる魔力の源がある。


GM/ライズ:「なんだろう。……アルク、行ってみる?」飛び込みたくなるのを我慢しつつ、アルクトスに顔を向ける。

アルクトス:「……」灯りも着けずに僅かな光を頼りに近寄りましょう。

オルフ:「待て、アルクトス」進もうとするなら一旦は止めておこう。

アルクトス:「……邪魔をするな」筋力的に止められると進めない。

オルフ:「明かりを用意し、奥に空気があるのか確かめてからだ」

GM:邪魔をするな(ぐいぐい)。

イスデス:「そうそう。流石に灯りも点けないのは危ないだろう」ランタンに火をともす

シュシュ:(ころころ)アルクトス様……火で御座います……しゅぼ(ティンダー)。

オルフ:おう悪いな(カットイン)。貰った火で松明を燃やしつつへし折った火のついた破片を中へ投げ込み。

GM:光源を放り込むと、部屋の内部がぼやっと浮かび上がる。その最奥には、カプセルのような何かの魔法装置。……魔法文明時代のものだ。それが破られている。

危険は特に感じられないだろう。

オルフ:「……ガス溜まり無し、空気もあるか。行くぞ」止めてた手を放す。



GM:……付近には、誰かが倒れているような影が見える。影はぴくりとも動かない。

シュシュ:「……ひっ」倒れている影を視界に入れると後ずさりし。

シンカイ:「! 待って、人がいますわ!」刀と剣と大槌を確かめつつ駆け出します。

シュシュ:恐る恐る近づきながらシンカイにかばう宣言しておこう……。

オルフ:一歩後ろで突然締まりだして閉じ込めたりされないかを良く見ておきます。

アルクトス:「あれは……」装置、人の順で確認しますね。

イスデス:「(カプセルか。そういうものでも作っていたのかね)」


GM:ではまず、装置を確かめたアルクは、そこに人1人分……あるいは、大きな武器ひとつぶん程度のスペースがあったことがわかる。すでに装置は破壊されており、正常には作動していない。漏れだすマナの光も、いつか消えてしまうだろう。

シュシュ:いつ頃まで動いていたかは予測つきますかね?

GM:動いていたのは、つい2,3ヶ月前……そう、『開かずの遺跡』の扉が開いてしまった、という噂が出たころだとわかる。

イスデス:ふむ……。

GM:カプセルの側には、魔法文明語で何か文字が書かれている。魔法文明語の読文ができれば、その文章を読み取ることができるぞ。アルクが確定で読めるな!


イスデス:わぁい。拙も読めます。

シュシュ:さすハイ。

アルクトス:読めなかったらただのひょろい顔が良いだけの人間ですね!

イスデス:前世の記憶はあるからセーフ。

シュシュ:顔がいいからセーフ。

オルフ:顔の良さは爆アド。



魔法文明語で書かれていた文章は、以下の通り。

『異界の力を封じる。

 我々には過ぎた力だった。

 星の導きがあったとしても、

 この力を抑えきれない。

 人為的に加護を与えし人造体にて、

 この強大な力を封じる。

 いつの日か、我々の犯したあやまちを

 浄化できる日が来ると信じて』



イスデス:「(異界の力、星の導き……。強大な力、ねぇ)」

GM:──シンカイたちが、倒れた人影に駆けより、その様子を伺えば、

その人影……どうやら人族のようだが、すでに息絶えている。周辺には、おびただしい血痕。……これも、2か月ほど前につけられたものだろう。

オルフ:「何か分かったか?」いざという時全員閉じ込められないように前の方で待機してるのでわからない。何というかこう、成り上がりを目指す割に根っから安全志向だな……。

シュシュ:安心安全。

GM:では、見識判定、目標値9で頼もうかな。オルフ君もいいよ!

オルフ:(ころころ)失敗。離れてるから分かりませんでした。

シュシュ:(ころころ)成功。「……手遅れ、のようですが」血痕からは意識的に目を逸らし。


GM:オルフ以外OK。その人族の遺体を調べるとわかる。……腕には、アルクトスと同じ形の『魔法陣』が刻まれている。どうやら、ここに保存されていたハイマンのようだ。

シュシュ:死因はわかりますか?

GM:死因は、何者かによる『斬殺』だとわかるよ。おそらく大剣による一撃か。……抵抗できたのかどうかは分からないが、どちらにしても実力差は歴然だったのだろう。

シンカイ:「剣の痕……」

アルクトス:「態々こんな所に来て斬り殺すということは、明確な意思を持ってここに来たということか……?」

シュシュ:「……しかし、先程アルクトス様が開けたように、ただの人間には入ることすら……」

イスデス:「無理やり、という感じだったね。防御魔術が張られていたようだが、それを突破するほどの力を……」

シンカイ:「……此処に明確な目的と知識を持って来訪した、というのは間違いないでしょうね。」

GM:はい。何者かがこの扉をこじ開け、ハイマンを殺し、地下の施設から『なにか』……生物か、アイテムかは分からないが……それを回収していったと予測できる。

もとより、高レベルの冒険者でも開かなかったという場所だ。明確な意思、そして実力がなければ実行できないだろう。

アルクトス:「(それよりも、何故同じ魔法陣を……?)」他に手掛かりがないか死体ごそごそ。

GM:死体には、特に手掛かりになるようなものは残っていないようだ。……ここで見つかるのは、そのくらいだ。


シュシュ:「……アルクトス様、ハイマンの魔法陣というのは個々人で別の物を与えられているのですか?」

アルクトス:普通個人で違う、よね?

GM:位置や形状は個人で違いますね。また、魔法陣もそれ自体は『マナを収束させ、魔力を上昇させるための器官』に過ぎない。

今回のように、何かに反応する、といった事例は……ハイマンの記録自体が少ないものの、めったに見られないケースだろう。

オルフ:アルクトスも遺跡で眠っていたハイマンだった説出てきたな……。

アルクトス:「あぁ……あまり同族に会うものでもないが、普通は別の物になる」

オルフ:「そいつ自身に何か見覚えは?」死体を指して。

アルクトス:「いや、無いな……」記憶がないのでない。

イスデス:「ふむ……。まぁ、覚えていないというならそれまでかな」

GM/ライズ:「……うーん、でも……他には何もないかな」恐る恐る部屋を探っていたライズは、悲しそうにハイマンの遺体に手を合わせ、そのまま地上へ出ていく。



シンカイ:「今はここまでですか……。では、切りかえて参りましょう」

オルフ:「……地形を確認したら釣りでもするか」 

イスデス:「遺跡の調査も大事だけど、それより今は大蛸だからネ」

GM/ライズ:「……そうだねっ! 釣ろーつろーっ!!」

アルクトス:「(『あの遺跡』とここは何か関係があるのか?)」眉間に皺寄せながら外に出よう。

オルフ:「一応改めて言っておくが、電撃は禁止だぞ」ライズとシンカイを視界に納め。「この辺の魚に警戒心を持たせたら漁師連中に悪い」

GM/ライズ:「わ、わかってるよぉ!」


シュシュ:「……ライズ様、私の釣り具お貸し致しましょうか……?」

そう、ラッキーアイテムだから持ってはきたものの、うっかり蛸を釣りたくないのである。

GM/ライズ:「うん? 大丈夫! オイラもおっちゃんから買って来たから! 釣り竿!」ばばーん!

シュシュ:「そ……そうでしたか……」がっくしと肩を落とし。

GM/ライズ:「一緒に釣りしよ? ねっ!」

シュシュ:「……、……はい」

GM/ライズ:「やったー!!」

シュシュ:「(一緒なら多分……大丈夫だよね……?)」

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