Session5-5 開かずの遺跡

GM/職人:さて。その話を聞いていた職人のひとりが、

「土手道つったら、あの"開かずの遺跡"の近場だな」と口を挟むだろう。

オルフ:「開かずの遺跡?」

GM/職人:「ああ。なんでも扉が魔法かなンかでずーっと開かない遺跡があってな。高レベルの冒険者も挑んだみてぇだが、びくともしなくてよ。それで"開かずの遺跡"さ」

アルクトス:「……」ぴくりと反応する。

シュシュ:「……開錠の魔法でも簡単に開かないということですか」

イスデス:「高レベルの……それは中々だ」

シンカイ:「ふむ……しかし閉所である事に違いはなし。 がっぷりよつになるにはうってつけですわね」


GM/漁師:「んまぁ、でも奴さん、いつの間にか開いたんじゃなかったか?」漁師が言う。

オルフ:「……どういうことだ?」

GM/職人:「ああ。オレっちは確認してねぇんだが……つい最近、そこが開いてたっていう噂があったんだよ」

オルフ:「つい最近……それを目撃した者はここにいるか?」

GM/漁師:「見たこたねぇんだが、つい2,3ヶ月前だったかなぁ。冒険者や兵士たちが中を確認したが、特に何もなくもぬけのカラだったんだってのは聞いたが」

シンカイ:「それは初耳ですわ。……先に改める必要があるやもしれません」

イスデス:「封印でもされてたのかねぇ」

シュシュ:「……誰が何のために開けたのでしょう」

GM/漁師:「いやぁ、それがさっぱり。宝物もないっていうし、なんでそんな"開かず"だったのか……もしかしたら、タコ騒ぎと関係があるのかもしれねぇな?」


オルフ:「(……あくまで可能性の話だが、時期次第では……)出所はそこか?」 小声で呟く。

シュシュ:「……オルフ様?」考え込むその表情を見て首を傾げる。

オルフ:「……いや、何でもない。」不審だったかな、とふるふると首を振りつつ答える。

「情報感謝する。これからその当たりを見にいこうと思うが、何かしら禁止事項なんかは?」 

GM/漁師:「まあ海を汚さずきれいに、ってくらいかな。タコ討伐ってんなら、オレっちも手伝いますぜ」漁師は胸を張りながら釣り竿を持つ。

シュシュ:「……失礼を承知でお聞きしますが…その釣り竿でですか?」

アルクトス:「いや、危険なのでやめておけ」

オルフ:「一般人を巻き込んで怪我とかされたら査定が下がってしまうからな」 

GM/漁師:「おっと、それは悪ぃな……それもそうか」しゅんとしつつも、

「ただ、釣り中に襲われたって話を聞いてな。誘い出すなら、その大タコの好物……『大物の魚』を寄せてやりゃあ、しだいに大タコも食い付いてくらぁ」と言う。

オルフ:「大物の魚か……」

GM/漁師:「もし良けりゃ、釣り竿貸してやるぜ。安モンだが……」


イスデス:「なるほど……ふっふふふ。早速この釣竿の出番が来てしまったか」

シュシュ:「あ、いえ……こんなこともあろうかと……思っていたわけではございませんが」

シンカイ:「ふむ。この時期の大物……引っ張り回せるなら、この上ない助力ですわ。是非に」

オルフ:「……それなら、折ってしまっては悪いし買い取ってもいいか?」ここで購入したことにします。

アルクトス:同じくここで購入していこう。

シュシュ:「(私の占い……当たったのかな)」少し嬉しそうに荷物から釣り竿を取り出し。

GM:では、アルクトスとオルフ、シンカイは釣り竿を購入した!

一同:いぇーい!


シンカイ:「貴方がたの借用物でわたくし達の命が万が一……となられては、それもよくありませんからね」

GM/漁師:「く、クロンヘイムの娘さんまで……」ありがたやありがたやと拝むよ。

イスデス:「いやぁ、昨日夜なべして作ったこのメイジロッド・改が火を噴いちゃうなー!」

シュシュ:イスデスは何故……もしかしたらあれ以降毎日ラッキーアイテム聞きにきてるかもしれない。

オルフ:「それでいいのかコンジャラー……」

シュシュ:「……イスデス様、昨晩遅くまでお部屋に灯りがついてると思ったらそんなことを……」

シンカイ:「それでは、此方こそ有難う御座います。毒抜きできるかはわかりかねますが、仕留めた暁には解体調理をお願いするやもしれませんから、皆様の御手はそちらにとっておいてくださいまし?」

オルフ:「食う気なのかお前」

シンカイ:「そりゃ少しは食べたいですけれども、まずはこの方々に振る舞う事こそが重要ですわ! 【施す事こそ最高の贅沢】ってご存知なくて? オルフ」

GM/漁師:「へぇ、任せてください! もし良ければ、タコでもイカでもマグロでも買い取りますんで!」漁師たちは地図を手渡し、君たちを見送るよ。



GM:それから2時間ほどで、君たちは目的の土手道にたどりつくことができる。

例の"開かずの遺跡"は、この土手道を少し進んだ先にぽつんと建っているらしい。

イスデス:「むううう~」波打ち際をばしゃばしゃと蹴り上げてる。「(しかし海……来た当初はそれなりに良いところと思ったけど、なんだかべたつくなぁ……?)」

シュシュ:海水だからね。

GM/ライズ:「えーと、お話まとめると……遺跡があったり、釣りしたり、だねっ!」

アルクトス:「まあ……そうだな。単なる想像なら良いが、もしかすると今回の"紫水晶"がそこから出た可能性もあるかと思ってな。」迷宮の中の魔域から水晶が出た可能性があるって昨日聞いたし。

シンカイ:「……それに、グランゼールのゴミ捨て場? のような所になっていたら少々厄介ですものね」

イスデス:「ああ、ない話でもないねぇ、それ」

シュシュ:「……それが"紫水晶"であるかはわかりませんが、危険なものが保管されていた可能性は……あるのでしょうね」



GM:その情報を頼りに進めば、すぐにそれらしきものが見えてくるだろう。

おそらくは昔、誰かが住んでいたあろう廃墟。その外観はほとんどが崩落しており、その中央に倉庫のようなものがひとつ。

アルクトス:あれか……。

GM:まずは、文明鑑定判定を。目標値は12だ。

オルフ:まあ任せてくださいよ(ころころ)9。

シュシュ:余裕なんだよね(ころころ)7。実質成功かな。

イスデス:アウトなんだよなぁ。(ころころ)14で成功。

アルクトス:(ころころ)16で成功だ。

オルフ:まあここまで行けば全員成功と言ってもいいでしょう。

イスデス:みんな知ってました(暴論)。

GM:イスデスとアルクトス『が』わかる!(強調) この建築様式は魔法文明時代、末期のもの。魔法文明時代末期……魔法王たちがこぞって研究し、結果的に暴走した魔神たちにより文明が終焉する、その直前です。

アルクトス:「魔法文明時代末期、といったところか」

イスデス:「最後の方のだねぇ。3000年ぐらい前かな?」


GM:周辺の建物のほとんどが崩れ去っているものの、"開かずの遺跡"と呼ばれたその倉庫状の建物……高さ3m前後、幅や奥行きも10mもないほどの小さな建物だけは、劣化したような様子はほとんど見当たらない。

何らかの魔法効果が、この建物のみを守っていた……と思っていいだろう。

オルフ:「……ふむ、大して広くもないが、遺跡というのは間違いなさそうだな」

GM:そして、その入り口の扉は開いている。見識判定、目標値10でどうぞ。

オルフ:(ころころ)ヨシ。今度こそ全員成功ですね。いやまあさっきも実質全員成功でしたが。

アルクトス:まだ言う。

GM:見識判定に実質成功した全員は!!!!(笑) その扉が『こじ開けられた』ような印象を受けるだろう。扉は破損しており、何かしらの強力な攻撃で扉を破ったのは事実だ。

オルフ:内から? 外から?

GM:そうだな……おそらくは『外側から』だとわかる。だが内側からも何らかの圧力がかかっていた……そんな印象を受ける。

アルクトス:「おそらくは外からだろう。遺跡に封印されていたタコが出てきた、というのも面白そうではあるが」

オルフ:「だが……中からも何か干渉はあった。そして、それをしていたものは今なくなっている」

GM/ライズ:「何かある……あった?のかな?」

シンカイ:「立て籠って圧し合っていたのかしらね?」



GM:中へ入ってみるのなら……オルフが言う通り、内部には何も残っていないように見える。周辺には瓦礫、丸い石の山。探索判定、人工環境。11でどうぞ。

オルフ:「念の為調べてみるか」(ころころ)13で成功。余裕よ。

GM:アルクトス以外が成功だな。この狭い建物の中には、文字通り何もない。

ただ、わかることがひとつだけある。……どうやら、何者かがここで戦闘を行った、あるいは暴れていた、ということ。

オルフ:「……戦闘痕」

ジャンくん:『この瓦礫の山……自然に積み重なったものではないね』

GM:そして、アルクトスは探索中に異変を感じる。

……ハイマンの特徴である、身体の一部に刻まれている魔法陣……それがほのかに発光し、魔力反応を見せるぞ。


アルクトス:「……」手袋を取る。手の甲が光っている。

シンカイ:「──アルクトス様?」

イスデス:「それはたしか……ハイマンの?」

オルフ:「ハイマンの持つ特徴だったか。魔力を収束するという…」

GM/ライズ:「アルクがへんた……じゃない、なんか光ってる!」

アルクトス:「貴様、シンカイの部屋に閉じ込めるぞ」

GM/ライズ:「それはやだーーー!!」

シンカイ:「ちょっと! わたくしが必ず何かするみたいな言われはやめてくださいまし!!」

シュシュ:「ど、どうされたのでしょう……ご病気、ではなさそうですが」

アルクトス:「ああ、我々には体のどこかにこのような魔法陣が刻まれている。何やらそれが反応しているようだが……」床ぺたぺた。



GM:アルクトスが地面に手を近づけると、その建築物の床一面がわずかに発光し、アルクトスのそれと似た魔法陣が躍るように展開。

オルフ:「……隠し路か?」



数瞬の後、その遺跡の床の一部分が、音を立てて少しずつ開いていき

──やがて、冒険者たちの前に、地下へ続く大きな階段が現れる。


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