Session2-14 お宿亭の"加護"

GM:さて、帰還予定の日。特に農場でやること、話したい事がなければ、馬車に乗り戻ることになるが……大丈夫かな?

オルフ:突然"うずまき農場ホイールフィールド"が発生したりしなければ特には無いです!!!

GM:発生しま……せん!!(笑)

オルフ:残念。

シュシュ:ディックに力仕事のやり方を少し教えるでしょう。小さい身体で大きい物を持つコツとか。

アルクトス:流れの蛮族がやってこない限りはないです。

オルフ:他には……最終日にもう1曲演奏したかもしれません。

GM:ピピンがさぞ喜ぶだろう。この先5日くらいは農作業効率に50%のブーストがかかる。

イスデス:やったぜ(笑)。

ジャンくん(シュシュ):じゃあピピンとじゃれてようね。

イスデス:きゃっきゃっ。

アルクトス:合間合間に失敗談を取材したりしました。


オルフ:「宿に来たら後輩としてこき使ってやる」それだけ言ってばいばいします。

イスデス:「また会おう」

シンカイ:「ええ、また何処かで」

シュシュ:「……もしよければお宿亭を訪れてください。私なんかの料理でよければ……何かお出ししましょう」

アルクトス:「世話になった」

GM/ディック:「ああ……またな!」



朝方。ディックたちに見送られ、お宿亭には日没付近に到着することになる。

シュシュ:帰りの馬車ではジャンくんに寄りかかって寝てます。……近くに人がいるのに寝てます(大事件)。

オルフ:めずらしい。……オルフはその珍しさを認識しているのかいないのか?

アルクトス:お客様の中にマナカメラお持ちの方は。

シンカイ:マギテック1でマナカメラを使用できるようになりませんかしら。

イスデス:寝顔をパピルスにスケッチしてよう。



GM:お宿亭に戻れば、クレナイがいつものように出迎えてくれる。

「戻りまちたか! 今回もお疲れさまでちた」

オルフ:「ああ。……なんか久しぶりな気がするな」

GM/クレナイ:「おおよそ6日ぶりでちからね。……人さらいについては、大丈夫でちたか?」

アルクトス:「問題は……あるといえばあるが、仕事自体は問題ない」

オルフ:「……そうだ。この紋章について詳しく聞かせてくれ」取り出して、輝きだした事を言おう。

イスデス:「急にピカーってなって驚きましたよ」



GM/クレナイ:「……ふむ。そうでちたか」

テーブルで君たちの依頼報告を聞きながら、クレナイは水を注いで君たちの前に置く(ジャン含む)。

シュシュ:こくこく。

オルフ:軽く手をつけつつ。

ジャンくん(シュシュ):『農場の近くで汲まれた水もよかったが……やはりここの水は格別だ』

イスデス:「うーん、このお冷を飲むとお宿に帰ってきたーって感じがするよ。(ごくごく)美味い! もう一杯! おかわりくーださい!」

シュシュ:みんな水キチになっていけ。

GM/クレナイ:「……」やれやれって感じのジト目で2杯目を注ぐ。

イスデス:「うーん、お冷に比例するように視線が冷たいが拙は元気です」


クレナイ:クレナイは、ため息をつきながら言う。「おまえ様たちにも、"加護"が宿っていたとは……いえ、ここは素直に喜ぶべきでちか」

アルクトス:「この紋章に備わっている機能ではないのか?」

シュシュ:きょとんと首を傾げる。

クレナイ:「……黙っていて、申し訳ありまちぇん。実は、この〈雀のお宿亭〉自体に、ある魔剣からの加護が施されているのでち」

イスデス:「おや、これそのものが魔法の品マジックアイテムか何かと思っていたのですが……」

シンカイ:「ふむ。蛮族などがいるのもその恩恵、と? ……わたくしは農場で聞くまで知りませんでしたが……」

GM/クレナイ:「……いえ、それはあちきの我儘。加護とは無関係でち」クレナイは続ける。「この〈雀のお宿亭〉を立てたのは、その魔剣の導きがあったからなのでち。……今回の件でお前さまたちは、"紫水晶"の力についても、経験したと思われまチュ」

シュシュ:「……はい、あれは一体……」あの時のことを思い出し、少し身を震わせる。

GM/クレナイ:「あの水晶が発する、闇の力……"暗黒の波動"と呼んでいまチュが、それに対抗できる、現状唯一の手段。それが、このお宿亭に備わる加護なのでち」

オルフ:「"暗黒の波動"……唯一?」

アルクトス:「……それは、冒険者の宿に備わっていて良い機能なのか?」

GM/クレナイ:「正直なところ、過ぎた力ではあるとは思いまチュ。

でちが、この魔剣がどんなものなのか……魔剣がどこに存在するのかすら、いまだ判明していないのでち」

イスデス:「つまり……今現在は、その"加護"だけがあると?」

GM/クレナイ:「……そうでち。昔はしばしば脳裏に聞こえていた魔剣の声も、今はもう何も……」

オルフ:「…………」そっと側頭部に手をやる。いずれ聞こえなくなるのかなぁ、って。

GM:オルフは、"声"を思い出す。物心ついたときから導いてきた声。クレナイの言うそれと同じなのだろうか?

シュシュ:「……不思議な話です」こくこく。


GM/クレナイ:「導きの声が聞えなくなり。そして、時を同じくして"紫水晶"……"暗黒の波動"のチカラを持った者たちが増えてきまちた」

シュシュ:「……何か関係しているのでしょうか」空になったコップをコトンと置き。

オルフ:「……その2つが対抗するものだとするなら、勢力が逆転した、みたいな想像は出来るな」コップを置く効果音があるの準備良すぎない???

GM/クレナイ:「……そうでち。その影響だと思ってはいるのでちが……」クレナイは息を吐く。

アルクトス:「今後もああいう輩が増えていく訳か」

イスデス:「……となると一大事ですね。」

ジャンくん(シュシュ):『……その声がお宿亭を作らせたのも、こうなることを予期していたのだろうか』


GM/クレナイ:「……この店に在籍している冒険者の半数ほどは、その加護を受けていまチュ。でちが具体的に、誰に加護が発現するのか……無くなることもあるのか……そういった条件も、わかっていないままなのでち」

オルフ:「"暗黒の波動"自体、よく見るものでもないだろうしな。それと相対しないと発動しない加護だ。調べるのは難しいだろう」

シンカイ:「依頼先で必ずしもバッティングするとは限りませんものね」

イスデス「調べるために"紫水晶"を使うのも、本末転倒だしね」

ジャンくん(シュシュ):『……となると、加護を持つ我々が最終防衛線。銀の弾丸』

GM/クレナイ:「しかし、"波動"の件数が増えてきており、各国もその対応に追われてはじめていまチュ。なので、あちきは周辺国に働きかけ、秘密裏にそうした"暗黒の波動"を持った魔物の討伐依頼を、地方全体から受けることにしたのでち……」

シュシュ:「……ではもしかして、前に他国の騎士様たちが訪れていたのも……?」依頼を受ける前のことを思い出す。

GM/クレナイ:「そうでち。彼らは、"波動"を持つ魔物の討伐依頼を持ってきた者たち、でち」

イスデス:「ほうほう。となると、これから四方八方に連れていかれる可能性もあるのか。やぁ、楽しみだねぇ」

シュシュ:「(……私なんかが、何故そんな加護を……)」


オルフ:「……特殊条件である以上、相応に割りは良い依頼である。そう取って良いんだな?」

GM/クレナイ:「それは、そうでちが……危険な依頼ではありまチュ。魔航船で各国を飛び回ることになるので、慣れない者は大変でちょう」

イスデス:「いやっほう! 依頼の経費で諸国漫遊! やだ素敵! ま、漫遊してる暇はなさそうだけどねー……」

アルクトス:「他の国にも行くことになるのか……それは、悪くないな」

シンカイ:「わたくしの目的とも合致します。 諸国を早々に見て回れるのはよい見聞ですが故」


GM/クレナイ:「おまえ様たちはまだ新人……とはいえ、加護を受けたことも事実でち」クレナイは、君たちに向き直る。

「……もし良かったら、この"暗黒の波動"の対処を手伝ってほしいでちよ。オルフが言った通り、報酬は高額なものが多いでち」

オルフ:「依頼だってなら俺は構わない。そこが最短なら、俺はやる」 

シュシュ:「……私は……ごめんなさい。まだ……わからないです」コップに注がれた水に自分の顔を映しながら。

GM/クレナイ:シュシュをやんわりとなでる。「いいのでちよ。すぐに決めなくても大丈夫でち。今日明日で外国行き、なんて依頼は出しまちぇんから」

イスデス:「うんうん。いざその時に決めるぐらいでちょうどいいのさ。」

シュシュ:「(今回ので……少しは頑張れると思ったんだけどな……)はい、ありがとう……ございます」とりあえず即決できない子が1人はいてもいいよね! ってことで。少しずつ成長していきたい。


GM/クレナイ:「ただ……このことは他言無用でち。さすがに、〈雀のお宿亭〉だけですべての依頼を対処できるわけではありまちぇん。

それに、噂というのは尾ひれがつくもの。お宿亭に仕事が殺到することも、逆にお宿亭が狙われたり、仕事が来なくなることも考えられまチュ。

……おまえ様たちも気をつけるでち。……特別な力というものは、利だけあるものではないのでちから」

オルフ:「分かった」

シンカイ:「御忠言、感謝致します」ぺこり。

イスデス:「その時まではのんべんだらりと普通の生活でもOKって事ですね。了解了解」

GM/クレナイ:「そういうことでち。……長々と話し込んでしまって、申し訳ありまちぇん」

アルクトス:「いや、面白い話を聞かせてもらった」



シンカイ:「……少し是に浸ってから部屋に上がります。わたくしの事情も進展したので……」そのまま葡萄酒を開け、口を付け始める。

ジャンくん(シュシュ):『さてごしゅじん、部屋に戻ろうか』のしのしと階段を上がる。

シュシュ:「…………」ぺこりと大きくお辞儀すると自室へ小走りで戻っていく。

オルフ:「ああ。……良く休めよ」一瞬おやすみって言いそうになって言い直しつつシュシュを見送ります。

イスデス:(ころころ)なめろうをちびちびなめてます。

アルクトス:「少し今回の依頼を纏めたい。すまないが珈琲を頼む」ここ最近定位置になりつつある席で、今回の依頼をところどころぼかして文章化します。

GM/クレナイ:「ふむ、承りまちた」良く焙煎されたコーヒーの香りが立ち込める。

オルフ:なんか食うか(ころころ)。ハンバーグを食べたら依頼の熱を流すように端の方でハープ弾いてましょう。思い思いの過ごし方をしている。




お宿亭の食事や飲料、そしてベッドは、冒険者たちにひとときの安らぎを提供してくれるだろう。

冒険者たちに現れた不思議な加護。果たしてそれは、彼らをどこへ導くのだろうか──。




 第2話 『農場に潜む影』 了

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