Session2-11 無限鳴子編

冒険者たちは、ディックの案内で森へ入っていきます。

月明かりはあるものの、視界は良くはありません。道と呼べるものはなく、目印になりそうなものはまばらに立った背の高い樹や、いくつかの大きな白石。それに、時折見える廃屋です。



ジャンくん:『夜とはいえここまで鬱蒼としていると月の光もあまり届かないな……』

GM/ディック:「……昔は、このあたりに狩人が暮らしていたらしい」ディックが言う。

「あいつらは、どうも、その狩人が使っていた小屋の跡地を転々としているみたいなんだ。……なんで、そんなことするのかわからないけど……」


農場を狙っての人さらい。確かに周辺には村が少なく、冒険者や兵士もほとんど見かけられない。でも、遺跡ギルドのメンバーとしてグランゼールに居たのであれば、貧民街で好きなだけ人を持ってこれるはずなのに……と。


オルフ:「……そも、何故人を攫うのかについては?」

GM/ディック:「……気のせいかもしれないけど。生贄、って言ってた気がするんだ」

シュシュ:「生贄……なんだかわかりませんが、怖い響きです……」

アルクトス:「なんにせよ、碌な事じゃない」

オルフ:「……ま、食い詰めた冒険者なんざ攫っても労働力か生贄にくらいしかならないか」間違いなく身代金の請求先はない。

イスデス:「中々剣呑な響きだよねぇ。実験にでも使っているのか、魔神でもいるのか」

シンカイ:「魔神……」デーモンルーラー予定なので、少し反応。

シュシュ:蛮族と繋がりがある人族のギルドが魔神の生贄を用意しようとしてるなら、かなり業が深い。


GM/ディック:「……この先だ」ディックが遠方から指した場所はわずかに開けており、見通しが良くなっている。今のところ人の姿はないが、そこが取引場所だという。。

シュシュ:「……まだいらしてないのでしょうか」キョロキョロ。

GM/ディック:「多分、呼べば……来る。……オレが1人で行って、呼び寄せるから」

オルフ:「……ディック、任せた。」  言いつつ、自分は呼吸を潜める

イスデス:「後ろは見ておこう。……夜目は効かないがね。」

GM/ディック:「……、……あとは、お願いします」ディックは君たちに頭を下げ、明かりを持って1人、向かっていく。

アルクトス:「さて、どうなるか」

GM:遠方からなら、木々が生い茂っているために見つかりづらいだろう。

隠密判定をしてもらおうかな。ただ、ピンゾロでなければ成功だ。

アルクトス:前回、ピンゾロした人が居ましてね?(ころころ)せーふせーふ。

GM:全員成功。では、君たちは身を隠す。隠れられやすいのは相手側も同じだ、周辺に敵が潜んでいるかもしれない。

イスデス:ブッシュに身を隠しました。

GM/ディック:その間にディックが広場の中央へ向かい、あたりを見回した後、声を張り上げる。「ッ……来たぞ!!  取引だ!!」

シンカイ:一応マギテック1でマナサーチとかがあるんで、何かあれば使えるようにしておきます。

シュシュ:はぁい。



GM:しばしの静寂の後、森の奥側から2人の足音が聞こえてくるだろう。1人は柄の悪い男、1人は身なりの良い男。後者はやけに煌びやかなアクセサリーや、高級そうな長剣を見につけている。

オルフ:金になりそうなやつが出てきた。

GM:着ている服こそ良質だが、胸元が見えるまで着崩しており、窮屈そうだ。髪は銀色で、肩より下まで伸ばしている。ディックの言っていた男だね。


GM/身なりの良い男:「来たか。取引っつったな? だが……どういう事かな? 冒険者が……いるみてぇじゃねぇか」

シュシュ:「っ!?」

イスデス:「(む。気が付かれたか?)」

GM:君たちに目線を向けてはいない。気づかれてはいない、はずだ。

シンカイ:「……」打って出られるよう構え。

GM/ガラの悪い男:ガラの悪い男は続けて言う。「へっ、お前が呼んだんだろ? そのせいであの襲撃もパァみてえだがな」

オルフ:「(……妙だ、此方に目を向けたわけじゃない。単にいるという事だけを認識している?)」

GM/ディック:「……オレが呼んだんじゃない。あんたらが人さらいをしたって噂が立って、農場の警備のために呼んだんだ」

ジャンくん:『どうやら"農場に"来たことを気にしている……だけのようだな』

イスデス:ちょっと自分たちの後ろを見てみます。

GM:イスデスの後方には、気配はない。

イスデス:「(ふむ。彼らが追ってきたわけでもないと)」目線を戻す。


GM/ディック:「……だから、睡眠薬の量が足りなかったし、怪しまれるだろ」ディックの話に、身なりの良い男が舌打ちする。

GM/身なりの良い男:「チッ……使えねぇ"人族"だぜ」

シュシュ:「(……人族? 人族が人族のことを……そう呼ぶでしょうか……)」

GM/身なりの良い男:「で? だからお前1人で来て、取引だって? 作戦失敗の報告だってなら、その覚悟はできてんだろうな?」

ふと、君たちは異常な雰囲気を感じる。異常感知判定、目標値12でどうぞ。

ジャンくん(シュシュ):(ころころ)13。我が気付いたのだ。

シンカイ:(ころころ)自動的成功、見切った!

イスデス:ナイス!

アルクトス:(ころころ)フェアリーウィッシュ温存したら1足りない。

GM:では、シンカイとジャンくんは、男たち2人の背後に誰かが潜んでいることを察知した。

数は3体。今にも飛び出しそうな勢いだったところを、身なりの良い男がそれを静止するよう片手を挙げる。

アルクトス:ステイステイ、まだだまだだ。

シンカイ:「数、3。数的優位にはなりませんか」

イスデス:「ん……? ああ、何かいるようだね」ひそひそ


GM/身なりの良い男:「殺すなよ……正直なところ、1人でも生贄は欲しいからな」……その言葉にたじろぐディックに、男は懐から15㎝程の小さな紫色の宝石を取り出す。「この"紫水晶"……テメェも見たことあんだろ?」

ジャンくん:『ほう……あれが件の』

GM/身なりの良い男:「取り入んのに苦労したぜ。もっとも、そのせいで遺跡ギルドからも追われる身になっちまったが……まァ、コイツが手に入ればもうあんな場所に用はねぇ。"発現"に、お前たちみてぇな生贄が必要っぽいのは気に食わねぇがな」

男たちは、じりじりとディックに詰め寄っていく。

アルクトス:「そろそろ行くか」

オルフ:どっか遠くの方へ石とか放って、そっちに意識集中させてから行こうかな。

イスデス:「もっと情報をべらべらと喋って欲しいところだが……仕方ない」

GM/ディック:「……そういうことかよ。だから、こんな面倒なことをしてんだな」後ずさりをする。だが、情報を引き出してやったと、半ば得意げな顔だ。

オルフ:……1話で拾った鳴子を、無限に使いまわしてもいいですか。

シュシュ:無限鳴子編。

アルクトス:かつてここまで使い倒された鳴子があっただろうか。

イスデス:リサイクルだいじ。

GM:いいぞ! 所持品に鳴子を入れておいてくれ。

オルフ:よし。では2人の背後の方へ鳴子を放り投げる 

GM/身なりの良い男:「ま、この力があれば行く行くは"王"になれるだろうからな。おっと、逃げようたって無駄だぜ、コイツの射程は……、……!?」男たちの意識が逸れる。


オルフ:「今だ!」  

シンカイ:「──ッ!」 抜刀して突進します

イスデス:「やぁ、こんなところで内緒話してどうしたんだい?」茂みから立ち上がり「我々にも聞かせて欲しいなぁ。そういうの、興味があってね!」

シュシュ:「……!!」目を瞑って騎獣にしがみ付く、が。

「……あれ、ジャンくん?」いつものように走り出さないのを見て、「……ええっ?  ……ああもう、早く行って!」手綱を握ってジャンを蹴る!

GM:2人がひるんだすきに、ディックは君たちの後方に下がる。

アルクトス:「そこで待っておけ」ディックを背に隠しておきますね。

オルフ::「良い事を聞いた。お前ら、遺跡ギルドからも追われてるんだってな。助かるぜ、まだあそこは敵に回したくない」殴らない理由が1つ消えたなぁ! 

GM/身なりの良い男:「ケッ……喋り過ぎたか。だがンなことは関係ねぇ!」戦闘準備だ! 

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