Session1-1 集う5人
GM:ここは『迷宮王国』グランゼール、その南に立ち並ぶ新市街区の一角。
5年ほど前に建築された、4階建ての巨大な木造建築物は、周辺が背の低い民家だらけということもあり、威容を誇っている。
〈雀のお宿亭〉──そこは冒険者の店でありつつも、内部に大きな食堂が備え付けられており、一般客の姿も見受けられるだろう。さて、皆はどこで何をしているだろうか?
シンカイ:外来組なので、少し経ってから入店しようかしら。
シュシュ:厨房でお皿洗いしてます、ちゃぷちゃぷ。
オルフ:食堂の掃除とかをしつつ邪魔くさそうにしてますね。
GM:ふむ。元々店内で雑用などをして働いているのであれば、現在時刻は10時ごろ。朝食を求めてやってきた冒険者などを捌き終え、厨房はひと段落といったところだろう。
イスデス:オルフ君に仕事の邪魔にならない程度に縋り付いてます。
「オルフくぅん! 一緒に冒険行かないかい? いやさ行こうぜオルフくん! 前回断られたからってめげないぞう」
オルフ:「断る! 何度だってだ。冒険に出る事になってもお前とは組まない!」
軽く足蹴にしつつ掃き掃除とかしている。
ジャンくん(シュシュ):『ごしゅじん、ひるごはんをしょもうする』
騎獣のジャイアントリザード、ジャンくんにスカートをぐいぐいされてます。
アルクトス:そんな中適当に入店して、店内を軽く見まわしてから食事を注文しようか。
GM/メイベル:では、アルクトスに気づいた〈雀のお宿亭〉の給仕メイベルが、オルフ達に愚痴を漏らしつつも応対するよ。
「あーもう、なんでもいいけど、うるさくしないでよね……あっ、いらっしゃいませー♪」
オルフ:「こんな時間に珍しいな……いらっしゃいませ。好きなところに座れ」
GM/メイベル:「態度!! もっと笑顔で接しなさい!!」
メイベルはオルフに注意すると、店内奥、食堂に入って来たアルクトスを席に案内するだろう。
オルフ:めんどうくさいな……という顔をしつつ、水とおしぼりを運んでいく。
GM/メイベル:メイベルはアルクトスのついたテーブルに水を注いだグラスを置き、壁回りにずらりと張り付けられたメニュー表を指す。軽食、ディナー、デザートなどなど、かなりの種類があることがわかるね。
シュシュ:「……ここのメニュー、凄く沢山あるよね。早く覚えて少しでも役に立たないと……」メニュー表を見ながら。
イスデス:「うう……あ、お客様ですか。すいません、すぐにどきますね」そそくさと席移動。「ふっ……ウェイターさん、おひやのお代わりをお願いします」
GM/メイベル:「ふんっ!!!」イスデスには少し投げやりに水を置く。
イスデス:「どうして……皆が冷たい……」
オルフ:「お前がモーニングを頼んでもう2時間だぞ」
シンカイ:こすい。
アルクトス:「ふむ……なら、今日のおすすめを」
GM:(ころころ)そうだな。アルクトスは、"ハイン河産アサリの酒蒸し"を勧められるだろう。
アルクトス:じゃあそれを頼もう。
GM/メイベル:「はーい。ではしばらくお待ちを~」軽快な様子で、給仕は厨房へと飛んでいくだろう。
その背中には翼が生えており、よく見れば足は鳥の
シュシュ:給仕さんもディーラなんですね。
GM:といっても、ここで働いているディーラはクレナイとメイベルのみです。
ほかは人間が多いですが、コボルドや蛮族なんかもちらほら。
シンカイ:では、そんな所で流石にそろそろ三度笠を脱ぎながら入店しましょうか。
オルフ:「……今日は妙な時間に客が多いな。いらっしゃいませ」ぶすっ。
GM/メイベル:「え・が・お!!」厨房からオルフに向けて怒声が飛んでくる。
オルフ:「………イラッシャイマセ」 片頬をひくひくとひきつらせ。
シュシュ:「ま、また誰かきた……」顔だけ出して様子を覗おう。
シンカイ:慎ましく御辞儀をした後、きりっとした顔を上げて、
「御免! 冒険者登録と尋ね人をお願いしたく存じ上げる!」胸を張って声を張り上げます。
GM:喧騒をものともしない声を聞き、シンカイに向かって店内から視線が集まるよ。
オルフ:「うん?」その声に、何処か覚えがあるような気がして少し疑問符をだしておこう。
アルクトス:見向きもせず何かを書きながら注文した品を待っている。
GM/エミディオ:異様な空気を感じ取ったのか、厨房から背の高い男性が出てくる。〈雀のお宿亭〉、副料理長のエミディオだ。
かつて冒険者だったこともあって、新人にアドバイスを送ることもあるね。
シュシュ:先輩だ。
GM/エミディオ:「ふむ、新規の冒険者登録か? それならホールにいる女将がやってくれるはずだが……」と言うが、シンカイは、ホールの受付には雑用係しかいなかったように感じるだろう。
イスデス:耳をぴこぴこ動かして入り口の方に向ける。次の言葉を待つように。
シンカイ:「む……勇み足だったようで失礼申しました。ただ、その。老師アジム・マフトという男がこの国に居た、と聞いたのです」
アジム・マフトというのは、シンカイの父と許嫁を殺した、シンカイの師であった初老の男です。
師によって許嫁を殺される場面をたまたま見てしまったシンカイは、情報を頼りにグランゼールへと訪れました。
GM/エミディオ:「人探しかね? ふむ……この国は人口も多く、人の出入りも激しいからな……」困ったようにエミディオは腕を組む。
シンカイ:「……それともう一人。わたくし、ハーヴェス王国官僚カネサダ・フォン・クロンヘイムが娘、シンカイの幼馴染たる……!!!」
オルフを見て目をカッ開きます。
GM:オルフ、シンカイは幼馴染だったから5年ぶりくらいの再会だね。
イスデス:「ふむ、ハーヴェス王国官僚の娘とな。」
シュシュ:「なんだろ、オルフ様のことすっごい目で見てるけど」
オルフ:「……まさか……」こっちも普段に比べて動揺したような顔をして、額を手で押さえながら舌打ちを一つ。
GM/エミディオ:「おや、オルフ君。知り合いかね?」
ジャンくん(シュシュ):『元カノかな?』
イスデス:「えっそうなのか? オルフくんにも友達ぐらいはいるのだね」
オルフ:こいつ失礼だぞ。
シンカイ:「見つけましたわ……! わたくしです、シンカイです。心臓病だった"硝子の華"のシンカイ!」
表情をほころばせながらオルフにずいずいずいと近づきます。
オルフ:「……知らない奴だ。」後ずさり。
シンカイ:「貴方は……間違いありませんね! 貴方の名は──!」
GM:君の名は──!
イスデス:流れるイントロ。
アルクトス:このあと入れ替わりそう(笑)。
オルフ:「待て、くんな。人違いだ……やめろ!」近寄ってくるときには早口で止めていましたが、名を呼ばれそうになった時鋭い声で静止する。「俺は、ここの冒険者のオルフェウスだ。オルフで通ってる」
シンカイ:「ゑ!? 何故お止めになるのです!? だって貴方は……偽名?」
オルフ:「ああ。苗字も無い、異名も無い、ただのオルフだ。」
GM/メイベル:「まーた厄介事増やしてる……お待たせしました、『ハイン河産アサリの酒蒸し』です♪」
彼らを横目に、端の席についたアルクトスへ料理を運んでくるよ。
アルクトス:「ん? あぁ……ありがとう」書き込んでいた本を閉じて、隅の席でお客さんしてます。
イスデス:あの方は上流階級の御仁だ。つまり――金持ちだ! と気づいて、サッと礼服に着替えておく。
シンカイ:「ま、まさか……偽名を使わねばならぬ程の事をしでかしてしまったのですか!!!???」高速で空回りするシンカイブレイン。
オルフ:「おい、人の話を聞け、偽名とかじゃなく……」
ジャンくん(シュシュ):『面白くなってきたな。ごしゅじん、もっと近くで見よう』ぐいぐいとシュシュを引っ張る。
シュシュ:「えっちょっとジャンくん……? だ、だめー!」ずるずると引きずられて近くにどしーんと。
オルフ:「……シュシュ? お前は何をしてるんだ?」見下ろすような感じに。
シュシュ:「ひぃ! オルフ様、違うのです……! これはジャンくんが……!」ジャンくんの後ろに隠れる。
シンカイ:「オルフ『様』……!? まさか……そこな神官殿!」イスデスさんを見て。「彼は一体今何をしていなさるのです!?」
イスデス:オルフくんにはのがれられんぞ~~といった楽しそうな目線を投げつけておく。
オルフ:こやつら……!(笑)
シンカイ:「わたくしの幼馴染んんっん! オルフは……いたいけな乙女を奴隷として荒くたく扱うほどに堕ちてしまわれたのですか!!??」
イスデス:「oh、幼馴染……」わざとらしく口に手を当てる。
オルフ:「おい、待て、やめろ、客いんだよ今他にもちらほら!!」
シンカイ「つ、つまり、公衆の面前で奴隷を見せびらかしていると!!!!????」
オルフ:「奴隷ってなんだ奴隷って! 俺がいつ何をした!」
アルクトス:「(アサリの酒蒸しもぐもぐ)なるほど」何か納得したように頷き。
オルフ:ここでシュシュが素直にされてきたことを語ると拗れそうですね?
シュシュ:「オルフ様、お許しください……! 次からはこのようなことがないように……」うるうる。
GM:周りで、冒険者たちがひそひそ……ってめっちゃオルフのこと見てるよ。
オルフ:「クソッ……おら、見てんじゃねぇ散れ!」 注目を集めてた客をおっぱらいつつ。
イスデス:「ええ、とりあえずは水でも飲んで落ち着くのです。すいません、お冷もう1つ……いや、もう2つ!」
アルクトス:こいつまだお冷で粘る気だ(笑)。
シュシュ:「ひぃん……は、はい! ただいまー……!」逃げるように厨房へぴゅーん。
オルフ:最後に会ったであろう、10歳頃のオルフ君はどちらかというと室内で楽器に触れて歌うのが好きな少年だったよ!
イスデス:どうしてこうなった。
シンカイ:うぎゃーー!! ロッカー崩れですわーーーー!!!!!(笑)
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