映画と言うのは小さな旅だ。

知らない国の映画を見るのは楽しい。

チリ、モンゴル、そして、アイスランド。

それぞれの国らしさがあり、風景があり、変わらないものがある。今回は、アイルランドのありふれた隣人トラブルを紹介する。

『隣の影』

ちょっとパソコンをいじっているうちにムラムラして、元カノとのFAXビデオを見返していた男は、その姿を妻に発見されて、妻子に別居されてしまう。

そんな男が、妻と子供によりを戻そうと暴走したり、反動で元カノに迫ったり、実家に帰ったら、隣人トラブルに巻き込まれたり……つまり、世界のどこにでもある家庭問題を取り扱った作品である。

繰り返されるトラブルや隣人トラブルが本当にどうしようもなく、良い意味で「あるある～」という共感をもたらしてくれる、それでありながら、街が途切れたびに出現する荒涼たるアイスランドの風景は、異世界そのものだ。

（ぜひGoogleストリートビュー等でアイスランドの風景を探してみてほしい）

とはいえ、この作品は、アイスランドアカデミー賞作品である。

どうしようもない隣人トラブルがみるみる加速していく後半、隣の家に長く影を落とす木を巡った争いが激化していく。隣人との嫌がらせ合戦にはじまり、暴力の行使があり、そして、おそらく映画史上もっとも攻めた飼い犬に対する仕打ち。

家族が変わり果てた姿になるショッキングなシーンはウギッ！て声が出てしまった。

いやあ、隣人トラブルって遠い世界でも同じなんだね。おもしろい！

『隣の影』

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