第353話 複合ジョブ、魔法戦士と武僧のスキル
午前中に調合、午後からは銀鉱石集めと複合ジョブの試しをして、最後には花乙女ポージーの伐採作業と、色々と作業に追われた日であった。今日のレベルアップは以下の通り。
・基礎レベル31
・魔法戦士レベル1→30
・武僧レベル1→30
【複合ジョブ】【名称:魔法戦士】【ランク:2nd】解放条件:戦士Lv30、魔法使いLv30。近接距離で魔法を使い魔物を倒す。属性が付与された武器を使う。
・魔法の力を剣に込め戦う前衛職。魔剣術で敵の弱点を突きながら、特有のエレメントスキルで戦局を有利に運ぶ。ただ、魔剣術が全ての起点となるため、切らさないよう、切れても直ぐに再使用する必要がある。
また、このジョブは例外として、魔道士のスキルも引き継ぐ。並行して育てれば魔法の種類も増え、戦略に幅が出るだろう。
・ステータスアップ:HP中↑【NEW】、MP中↑、筋力値中↑、耐久値中↑、知力値中↑、精神力小↑、敏捷値中↑【NEW】、器用値小↑【NEW】
・初期スキル:戦士、魔道士スキル、魔剣術・初級、エレメント・カウンター
・習得スキル
Lv 5:エレメント・ソードガード
Lv 10:毒耐性小アップ【NEW】、器用値小↑【NEW】
Lv 15:エレメント・チャージ【NEW】
Lv 20:麻痺耐性小アップ【NEW】、敏捷値中↑【NEW】
Lv 25:エレメント・スラスト【NEW】、エレメント・リロード【NEW】
Lv 30:HP中↑【NEW】、緘黙耐性小アップ【NEW】
流石は複合ジョブと言うか、幸運以外の全ステータスに補正が入り、精神力と器用値以外は中補正と、村の英雄を超えてしまっている。極め付けは、魔法使いではなく、魔道士のスキルが使えるところだな。魔法の威力を上げる〈魔攻の増印〉とか、〈MP自然回復量中アップ〉も内包している為、そのまま魔道士としても戦える。完全に上位互換なジョブである。
順に新スキルを見て行こう(※1)
【スキル】【名称:エレメント・チャージ】【パッシブ】
・魔剣術を発動中のみ、同属性の魔法の充填が早くなる。
魔剣術が切れそうな時、再充填するのを補助してくれるスキルである。ランクの低い魔法を付与していると、〈エレメント・カウンター〉の反撃で直ぐに切れてしまうので、意外と重要。もちろん、切れる前に充填を始めないと効果が無いので、魔剣術の残量を管理しながら戦わないといけない。
【スキル】【名称:エレメント・スラスト】【アクティブ】
・魔剣術を発動中、任意で発動可能。剣を振るった際、同じ属性の剣閃を飛ばす。なお、発動は念じるだけで良い。
要は、低威力の〈エアカッター〉(属性毎)を打ち出すスキルである。『斬り裂け!』とか『行け!』と念じるだけで、撃てるので、斬り裂いた後の追撃や、牽制には便利だ。
ただし、剣を振るわないと撃てない為、狙いは付け難く、〈エアカッター〉のように遠距離から狙うのは難しい。更に、威力も低めなのだ。(ランク1を付与しても、3発使えるのでリーズナブルではある)
まぁ、必殺技と言うよりは、便利な小技だな。
【スキル】【名称:エレメント・リロード】【パッシブ】
・魔剣術の効果が切れた際、充填済みの魔法陣があれば、自動的に魔剣術を発動する。
〈エレメント・チャージ〉と同じく、魔剣術をサポートするパッシブスキルである。魔剣術を再使用する手間を省いてくれるのは良いのだけど、例によって切れたタイミングで充填した魔法陣がないと意味をなさない。
その為、魔法戦士は戦闘中、剣の先に魔法陣を灯し、充填し続ける必要がある。
俺はワンドも左手に持って戦う事があるので、大分慣れているけど、戦士メインや魔法使いメインで戦ってきた人には難しいと思う。
【複合ジョブ】【名称:
・僧侶の修業のみならず、肉体も鍛え上げた教会の僧兵である。格闘術に関するスキルを多く覚え、徒手空拳で魔物と渡り合い、対人戦においては無類の強さを誇る。
また、身に着ける装備品の重量が少ない程、アクティブスキル後の硬直が短くなる特性を持つ。身体の動きを妨げない軽装を心掛けよう。
・ステータスアップ:HP中↑、MP中↑、筋力値大↑、耐久値中↑、知力値小↑、精神力中↑、敏捷値中↑、器用値中↑
・初期スキル:僧侶スキル、修行者スキル、格闘の技巧、格闘術の心得、三日月蹴り
・習得スキル
Lv 5:カウンター、受け流し
Lv 10:HP中↑【NEW】、敏捷値中↑【NEW】、肉切骨断【NEW】
Lv 15:衝撃浸透【NEW】、断空手刀【NEW】
Lv 20:器用値中↑【NEW】、格闘家の勘所【NEW】
Lv 25:魔光相殺【NEW】、柔術の心得【NEW】
Lv 30:筋力値大↑【NEW】、聖光錬気【NEW】
これまた、ステータス補正が凄い。複数ジョブでなくとも、複合ジョブ1つだけでも、物理と魔法、両面に対応できるだろう。まぁ、万能な魔法戦士とは違い、武僧は完全に前衛系のようだけど。
【スキル】【名称:肉切骨断】【パッシブ】
・敵からのダメージを受けた後、次の攻撃にダメージ分を上乗せする。
また、一撃で50%以上のダメージを受けた場合、少しの間だけ痛覚を遮断する。
鬼足軽レベル15で覚えたものと同じスキルだ。徒手空拳でリーチの短い武僧は、最前線で戦う必要がある。心得とか〈受け流し〉があっても、全てを回避するのは無理だからな。多少の被弾は織り込んで、この火力スキルで反撃と言った、感じだろう。
【スキル】【名称:衝撃浸透】【パッシブ】
・敵を打撃した際、衝撃力を増加させ、内部ダメージを増やす。
これも重戦士レベル15で覚えたスキルと同じである。どうやら、打撃武器のみならず、素手による打撃にも対応してくれているようだ。格闘なんて、投げ技以外は全て打撃技だからな。純粋に攻撃力アップになる。
【スキル】【名称:断空手刀】【アクティブ】
・手を刀に見立てて、空を斬り裂く程の速度で放つ打撃技。
別段、切断力は無いので、実際に斬れる訳ではない。
要は強いチョップだな。ロックアントに使ってみたところ、〈衝撃浸透〉の効果も合わさり、頭の中身が爆ぜた。ただし、銀の金属装甲部分には亀裂が入った程度なので、飢餓の重棍程の威力は無い(あっちは叩き潰すから)。ただ、それでも関節の甲殻程度なら楽に両断できる威力であり、スキル後の硬直も殆ど無いので、連打が出来るのは良い。スキル名を連呼するのは面倒であるけどな!
【スキル】【名称:格闘家の勘所】【パッシブ】
・物理攻撃に限り、視覚外からの攻撃を察知し、自動回避する。
鬼徒士に、視覚外の攻撃を察知する〈心眼入門〉があるが、それの亜種のようだ。こっちは物理のみだけど、自動回避してくれるのが良い。
【スキル】【名称:魔光相殺】【パッシブ】
・拳の先に魔法陣を出し、そのまま格闘攻撃する場合、充填された魔力の分だけ攻撃力を上げる。
また、その状態で敵の魔法陣を攻撃すると、MPの分だけ相殺し発動を遅らせる。こちらが上回った場合は、敵の魔法陣を破壊して、短時間スタンさせる。
魔法陣を出したまま攻撃とか、魔剣術の様であるが、属性は付かない。メインとなるのは後ろの方だろう。魔物が範囲魔法を充填している途中に殴り掛かれば、中断もしくは遅らせる事が出来る。前衛として前に出る武僧なら、機会は多いと思う。
ただ、難点を言うならば、ここまで覚えた武僧スキルには移動系が無いところか。〈フェザーステップ〉とか、〈稲妻突き〉みたいなやつね。範囲魔法を使う魔物って遠距離からでも充填を始めるから、走っても間に合わない事がある。
バトル漫画のように、瞬間移動するようなスキルが欲しいところだな。
【スキル】【名称:柔術の心得】【パッシブ】
・格闘技の中でも投げ技や関節技、捕縛技、合気など相手と組み合う行動全般を補正する。
相手を傷付けずに取り押さえる事も、逆に破壊するように投げる事も、術者の心根次第である。
〈格闘術の心得〉でも投げ技のサポートをしてくれていたが、〈柔術の心得〉ではサポート力が強力になっていた。ベルンヴァルトとの訓練で試させてもらったところ、セミオートで技を掛けてくれるのだ。俺は、関節技は詳しくないのだけど、組み合った時に〈柔術の心得〉が技を掛けられそうと教えてくれる。それにGOサインを出すと自動で身体が動いて技を掛けてくれるのだ。
この時、知っている技を自力で掛けに行くと、自動ではなく細かいサポートをしてくれるようで、技が掛け易くなる。体格で上回るベルンヴァルトを軽々と投げる事が出来たからな。
他の心得系と同じく、初心者にはありがたいスキルである事に間違いはない。
【スキル】【名称:聖光錬気】【アクティブ】
・拳に魔を払う、聖なる魔力を纏う。アンデッド系に限り、攻撃力が極大アップし、浄化して消し去る。
ここまで僧侶っぽさが一切なかったけど、ようやく教会の僧兵らしいスキルが出て来た。実際に使うと、両手が白い光に包まれる。少し眩しいくらいの光で、ランタンの代わりになりそうだ。
威力? アンデッド系が出ていないので分からん。ロックアント相手では攻撃力は上がった気がしなかったな。只の目立つ照明である。
複合ジョブである魔法戦士と武僧のレベル30時点の情報は以上だ。
どちらもステータス補正の高さだけでなく、スキルの多さからも普通のジョブとは一線を画している。俺的には魔法戦士が使いやすそうではあるが、習得の為には魔法使いを持っていないと駄目なので、お勧めし難い。武僧ならば、誰でも習得出来るのだが、素手なので敬遠されがちである。レスミアとベルンヴァルトにも勧めてみたのだが、
「流石に女の私では不利ですよ。遠慮しておきますね」
「俺もだな。騎士を目指してんだから、格闘よりも盾や長物の扱いに習熟したいぜ。
まぁ、なんだ、治安維持をする第2騎士団なら、武僧のジョブが欲しい奴もいるんじゃねぇか?」
「なるほど、鷲翼流を教えているくらいだから、需要はあるのか」
そんな感じで、報告書を作成するのだった。
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※1、後日確認した結果も含め、資料としてまとめた状態の物です。
いつもの様に、雑魚敵と戦って検証したいところですが、都合によりカットしました。
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