第343話 非戦闘職の新スキル確認(Lv30)

 あらすじ:レベルアップ内容の確認中。今回は非戦闘職。


・錬金術師レベル27→30   ・料理人レベル25→30

・罠術師レベル25→30    ・植物採取師レベル27→30

・採掘師レベル25→27



【ジョブ】【名称:錬金術師】【ランク:2nd】解放条件:職人Lv15、魔法使い系の血筋、薬品系アイテムを調合する。

・薬品や魔道具を作り、ダンジョン探索をサポートするジョブ。専用スキルの錬金調合は、材料をあらゆる物の元となるマナへ還元し、再構成することで新たな調合品へと変化させる。しかし、大量のMPと術者の確固たるイメージが必要になるため、難易度は高い。

 一応、初級属性魔法も少し覚えるため、ダンジョンで戦えなくもない。


・ステータスアップ:HP小↑、MP中↑、筋力値小↑、耐久値小↑、知力値小↑、精神力小↑【NEW】、器用値中↑

・初期スキル:職人スキル、初級鑑定、錬金調合初級

・習得スキル

 Lv 5:アイテムボックス小、インペースト

 Lv 10:フォースドライング、MP中↑

 Lv 15:量産の手際、初級属性ランク0魔法、初級属性ランク1魔法

 Lv 20:知力値小↑、パウダープロセス

 Lv 25:錬金調合中級、投擲術

 Lv 30:精神力小↑【NEW】、品質管理【NEW】、巧妙煎じ【NEW】



 精神力が上がるのは、過酷な創造調合に耐えるためだろうか? アレ、集中力がいるから、地味にキツイんだよね。傍から見ると、魔力を流しつつ鍋を掻き混ぜるだけのレシピ調合と同じに見えるけれど、頭をフル回転させなければ成功しないから。


 〈品質管理〉は新興商人で覚えた物と同じだ。アイテムボックス内の時間経過が遅くなるので、薬品を作る錬金術師としても、有難いスキルなのだろう。



【スキル】【名称:巧妙煎じ】【パッシブ】

・植物系素材を煎じる場合、効能をそのままにして、苦みや渋み等を無くし飲みやすくする。

 また、他のスキルによる加工においても、苦みや渋み等を多少和らげる効果もある。



 恐らく、フルナさんに錬金術を教えてもらった、薬品調合用だと思う。いや、白銀にゃんこで販売中のポーション等は、全てレシピ調合なので、薬品調合は殆どノータッチなんだよね。今のところ、司祭のジョブがあるので、薬品に頼っていないというか。解毒薬以外の状態異常対策のレシピも保留中だしな(売店で買えるから&素材を購入してまで作る気になれない&白銀にゃんこの需要に合っていない)。


 後日、試してみたところ、レシピ調合もスキル〈錬金調合中級〉なので、効果の対象であった。現在、店売りしている解毒薬(甘)は、子供用の風邪シロップみたいな味である。それが、〈巧妙煎じ〉を覚えてから調合した物は、甘さの奥に隠れていた苦みが更に薄くなった。

 それを試し飲みしたフロヴィナちゃんが、『錬金術師が改良して、美味しくなりました! お子様でも飲みやすい!』なんて、ポップを作っていた。文言的に『美味しくなって、新登場!』が頭を過ったけれど、実際に美味しくなったのでセーフだろう。お値段は、据え置きだからね。




【ジョブ】【名称:料理人】【ランク:2nd】解放条件:職人Lv15、一人で一食分の料理を作る。

・体の資本である料理を作るサポートジョブ。ダンジョン産の食材を使うことで、様々な効果があるバフ料理を作ることが出来る。

 非戦闘職ではあるが、多少のステータスアップはあるので、多少は戦える。食材の探求は程々に。


・ステータスアップ:HP小↑、MP小↑、筋力値中↑、耐久値中↑、器用値中↑

・初期スキル:職人スキル、アイテムボックス小、バフ料理初級

・習得スキル

 Lv 5:初級鑑定

 Lv 10:筋力値中↑、インペースト

 Lv 15:食材調達

 Lv 20:耐久値中↑、初級属性ランク0魔法

 Lv 25:MP小↑、アデプト・シェラー

 Lv 30:バフ料理中級【NEW】、温度の見極め(【NEW】



【スキル】【名称:バフ料理中級】【パッシブ】

・マナの含有量が多いダンジョン産の食材で料理を作ると、そのマナから魔法のような強化を生み出す。食材やレア度によって効果が変わる。ただし、中級はレア度Bまでしか、扱えない。



 バフ料理がバージョンアップした。初級ではレア度Dまでだったので、31層以上で手に入るレア度Cに対応する為だろう。レア度Bは51層以上らしいので、まだまだ先であるが。



【スキル】【名称:温度の見極め】【アクティブ】

・スキル使用後一定時間、注視した物の表面温度を表示する。また、注視し続けると、内部の温度も表示できる。



 スキルを使用してから、適当に床を見つめてみたところ、視界に【21.5℃】と温度表示がポップアップされた。温度が分かってもねぇ。砂漠フィールドの様に極地の気温が分かる程度か?

 俺的には、いまいち使いどころが無いのだが、料理人の二人は「「私も欲しい!」」と食い付かれた。

 なんでも、オーブンの温度管理が楽になるそうだ。二人とも最初から、オーブンを使いこなしていたように思っていたのだけど、そうではないらしい。



「薪のオーブンと比べて、魔道具のオーブンは楽なんですけど、温度が見えないのは同じですからね。パイはこれくらいの熱さで何分、クッキーはこれくらい、パウンドケーキはこれくらいって、覚えたんですよ。お母さんに教えてもらいながら、何度も焼いて経験を積みましたからね」

「私も実家が料理屋なので、家族用の賄いを作りながら教えてもらいましたよ。伯爵家のメイドになった後は、オーブン担当の料理人が、そのスキルを使って温度管理をしているのを見ましたし、使用人の食事を作る時に先輩も使っていました。

 そっかぁ、あの先輩もレベル30以上だったんですね」


 そう言えば、魔道具のオーブンといっても、デジタル表示やタイマーなんて無かったな。ON/OFFと、温度の強弱しかなかった。村の時からレスミアが普通に使っていたのでお任せしていたけど、オーブンを使えるとは結構凄い技術だったようだ。


 ……そう言えば、料理人ジョブって、職人系だったな。

 そんな事を改めて実感して、二人を褒めちぎっておいた。そして、早いうちにレベリングに行く事も約束する。明日が店の定休日なのだけど、女性陣も予定が入っているそうなので、明後日には連れて行く事となった。




【ジョブ】【名称:罠術師】【ランク:2nd】解放条件:採取師Lv15以上、魔物のドロップ品を数多く拾う。魔物を罠に掛ける。動物を解体する。

・各種罠スキルを使い、魔物に行動阻害のデバフを掛けるサポート職。ステータス補正は非戦闘職並みに低く、攻撃系のスキルは無いため、直接戦闘は他のジョブに任せよう。罠スキルはダンジョン内、及びマナが濃い場所でしか使用出来ない。


・ステータスアップ:HP小↑、筋力値小↑、耐久値小↑、器用値小↑

・初期スキル:採取師スキル、罠看破初級、かすみ網の罠

 Lv 5:魔物鑑定初級、アイテムボックス小

 Lv 10:トリモチの罠

 Lv 15:解体の素養、くくり罠

 Lv 20:潜伏迷彩

 Lv 25:アイテムボックス中、落とし穴の罠

 Lv 30:罠看破中級【NEW】、血抜きの一刺し(【NEW】



 〈罠看破中級〉はトレジャーハンターで覚えた物と同じで、60層までに登場する罠を見破るスキルである。そして、もう一つは、一風変わったスキルだ。



【スキル】【名称:血抜きの一刺し】【パッシブ】

・罠に掛かった獲物の、切りやすい大動脈の位置が分かるようになる。また、場所によって以下の追加効果を得る。

 ダンジョン内の場合、その急所を刺突すると、低確率で即死させる。

 ダンジョン外の場合、その急所を刺突すると、獲物を失神させ大量出血を促す。



 闇猫の弱点が分かるスキル〈狩の本能〉に近いけれど、罠に掛かった獲物限定なので汎用性は落ちる。しかし、それを補うのが追加効果の方だな。低確率とは言え、即死は強い。特に動物系の魔物は生命力が強いので、内臓辺りを刺しても平気で動くからだ。分かり易い弱点の首を落とすのが早道な訳である(例:雷玉鹿)。

 まぁ、大物の首を落とすのは大変なので、聖剣だとかミスリルソードが要る訳だけど……〈血抜きの一刺し〉で一刺しするなら、貫通効果持ちの黒槍がある。それに、即死が効かなくても大動脈を切れれば、大量出血から程なくして死ぬと思うので、罠に拘束した状態で一刺しして、次の敵に向かえるのは良い。


 そして、ダンジョン外の効果はもっと良い。村で畑を荒らすイノシシを解体した時に教わったけれど、獲物を苦しませずに血抜きをすると、お肉が美味しくなる。逆に、苦しんで暴れたりすると、血抜きが中途半端になったり、身体をぶつけて肉の質が悪くなるそうだ。即死させても、心臓が止まるので血抜きが中途半端になって駄目。

 その点、このスキルなら、一撃で失神させて、即死させずに大量出血を促す。理想的であると思う。

 そう、アドラシャフト領は牧場が多く、肉が美味い土地としても有名(ベルンヴァルトの父親がアドラシャフトに来た理由)なので、大いに活躍できるだろう。


 報告書には、牧場での検証を進め、有用であれば関係者の罠術師ジョブへ転職支援もどうかと提案しておいた。レベル30くらいのレベリングならば、騎士団の負担も少ない(と思う)。護衛料金を取っても良いし、支援と言う形で割引しても良いからな。




【ジョブ】【名称:植物採取師】【ランク:2nd】解放条件:採取師Lv15以上、植物系採取地で多く採取する。採取物をその場で食べる。

・非戦闘職。植物系採取地に特化し、採取地で採取をすると経験値が貰える。〈自動収穫〉スキルと各種手腕スキルを習得して、作業時間を短縮することが出来る。その分、多くの採取地を巡ろう。


・ステータスアップ:HP小↑、筋力値小↑、耐久値小↑、器用値中↑【NEW】、敏捷値小↑

・初期スキル:採取師スキル、自動収穫、葉物収穫の手腕

・習得スキル

 Lv 5:初級鑑定

 Lv 10:敏捷値小↑

 Lv 15:投擲術、果物農家の手腕

 Lv 20:アイテムボックス小↑、フォースドライング

 Lv 25:潜伏迷彩、野菜農家の手腕

 Lv 30:器用値中↑【NEW】、キノコ採り名人の手腕(【NEW】



【スキル】【名称:キノコ採り名人の手腕】【パッシブ】

・キノコ全般を〈自動収穫〉スキルの対象に加える。



 毎度おなじみになって来た手腕スキルである。今回はキノコ!

 後日使ってみたところ、他の手腕スキルと同じく、キノコの種類ごとに分けて袋詰めしてくれる。毒キノコとか、煙キノコがあるので少し心配であったが、ちゃんと分別してくれた。最近登場したロケットキノコこと、フクロトビタケに至っては、ガス抜きをしてから、空中を飛んで来て袋に入る。落下の衝撃で胞子も飛び散らないので、至れり尽くせりな仕様だ。流石キノコ採り名人!




 以上で、今回のレベルアップ確認を終了する。

 現在、育て中のジョブは21種類(カンスト除く)。そのうちの9種類について確認と考察を付け加えて、報告書を作成した。最近は夜中に調合(イミテーション・ダイヤモンド)をしていたので、書くネタは多い。鑑定文の写しなら、〈鑑定図鑑閲覧〉からの〈マニュリプト〉で、自動書き写しが出来るのだが、考察などは自分で書き加えるしかない。これが結構時間が掛かった。

 ついでに、リプレリーアに見せていない資料は文章校正もされていない。王族も読む文章なのだから、なるだけ読みやすいように心がけてみたのだけど、これが難しい。言い回しをどうしようとかで、悩んでしまう。

 それに、自分で書いて、自分でチェックだからなぁ……ヨシ!と思っても、誤字は出てくる。


 結局、翌日の午前中いっぱい(締め切り)まで掛かってしまった。

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