第187話 試作品×2と、2度目の出発

 出発の朝、メイドトリオが引っ越し荷物の最終確認に慌ただしく動いていた。俺はそれを邪魔しないように、離れの各所を〈ライトクリーニング〉で浄化して回った。立つ鳥跡を濁さずってね。


 フォルコ君経由で本館の浄化も頼まれた為、浄化するついでに各所に挨拶をして回る。前回から差程時間が経っていないので、汚れやすいキッチンや、お風呂場等だけで済み、短時間で終わってしまった。それと言うのも、浄化は俺を呼び出す口実だったようで、浄化のお礼&出発の餞別にと、料理やお菓子を大量に頂いてしまった。

 中にはベアトリスちゃんが作った事の無い料理も混ざっている。「レシピは教えませんが、舌で感じ取って再現しなさいと、伝えておいて下さいませ」と、離れに料理を教えに来ていたメイド料理人のお姉さんからの課題らしい。


 そして、以前「自室も浄化して欲しい」と溢していた掃除が苦手なメイドちゃんからは、「年末の大掃除には里帰りして下さいね。この広いお屋敷の掃除は大変なの」と、こっそりお願いされた。隣に居たメイド長にも聞こえてそうだったけど、おとがめ無し。つまり、そう言う事なのだろうか?


 恐る恐る目を向けると、柔和に微笑んでいたメイド長と目が合った。


「無事な姿を見せるのも親孝行……いえ主君への忠義の一つと存じます。忘れないようにしなさい」

「はい、ヴィントシャフトでの予定次第とは思いますが、トゥータミンネ様がソフィアリーセ様を新年祭?に招待すると仰っていたので、それに合わせる事になると思います」


 その頃には婚約しているので、多分エスコートとかしなければならない筈。

 俺の答えに、満足したのか「ええ、楽しみにしておきますわ」と、笑みを深めた。


 メイド長は怖いと聞かされ、お説教を目撃しているので、どうにも苦手意識がある。今回は、目が細められたままなので、多分セーフ。




 ノートヘルム伯爵一家は見送りに来てくれるそうなので、挨拶はその時で良い。

 それと言うのも、お貴族様は忙しいので、面会予約を取らないと会えない。一昨日の婚約トラップについて苦情を入れようとしたけど、素気無く却下されたしな。見送りには来てくれるそうだけど、機先を削がれた。


 離れに戻ると、リビングが宝物庫になっていた。いや、俺が提供した木の宝箱に、引っ越し荷物を詰めただけの話だけどね。ただ、10個以上の宝箱が並んでいるのは壮観だ。

 メイドトリオの指示で、確認が終わったものをストレージに回収し、各々毎にフォルダ分けしておく。ストレージの場合、箱の中身まで閲覧できるのだが、その事は誰にも開示していない為、宝箱の蓋には何が入っているのか書かれた紙が挟まれている。

 まぁ、ちょっと後ろめたいのだけど、開示しても良いことは無いからな。私物を覗かれるかも、と知られたら女の子の荷物を預かれないし。勿論、俺も不用意に覗き見ることは殆ど無い。


 今回収しているのは、女性陣の荷物ばかり。メイドコンビの女子寮では家具が備え付けてあるので、大物は無いが、女子だけあって服や、小物が多い。

 直近で使う物や、数着の着替えは自前のアイテムボックスで持っていくそうだ。

 因みに、今は何を着ていくかでキャッキャと相談中である。


「女は、ああなると長いからな。リーダーもこっちで一緒に飲もうぜ」

「いや、朝っぱらから飲む訳無いだろ。この後も出発の挨拶とか、向こうでも出迎えに対する挨拶とかあるのに、酒臭い息を吐くわけにはいかないって」


 部屋の片隅に追いやられて、酒樽を背もたれに座り込んでいるのはベルンヴァルトだ。酒を飲んでいるのはいつもの事で、のんびりしているのは自分の準備が終わったからだろう。引っ越し荷物なんて、着替えが手提げカバン一つだけ、後はこの間新調した装備品とお酒しかない。


 勧誘した後、騎士寮の引っ越し荷物の引き取りを、フロヴィナちゃんにお願いしたのだが、憤慨して帰ってきたからな。


「荷物なんて、大きな酒樽一つしか、なかったよ! 後は空ビンや、空樽、空水筒竹が散乱してて、掃除がメインじゃん!」

 

 当の本人は悪びれもせず、「荷物にならんように、買い置きの酒を、飲んで片付けたんだぜ」と、得意気に言うので始末に終えない。鬼人族は度が過ぎる酒好きと、再認識した日となった。



 それはさておき、出発までは2時間程。中途半端に時間がある。フォルダの整理でもしておこうと思った矢先、馬車を手配しに行ったフォルコ君がリビングに戻って来た。


「ザックス様、急なお客様が……あ、お待ち「ザックス! 試作品が出来たぞ! だが、乗り方が分からんと検証も出来ん!早く教えるのだ!」」


 フォルコ君を押し退けて入ってきたのは、白衣の男……ランハートだった。




 軽く事情を聞いたところ、昨日になってようやく稼働する試作バイクが完成したのだけど、誰も2輪車を乗りこなす事が出来なかったそうだ。問題点があるから乗れないのか? 乗る者の技術が足りていないだけなのか? それすらも分からない為、発案者の俺のところへ押し掛けてきたと言うわけだ。


 僅か10日で、スケッチ程度の設計図から走る物を作って来るのだから、流石マッド……は言い過ぎか。行動力は凄いけど、アポ無しで家に上がり込むのは、本当に元貴族なのだろうか? いや、これも誉めていないな。


 玄関の外には、見覚えのある助手君がへたり込んでいた。

 テストパイロット生け贄だった助手君は、プロテクター代わりに革の鎧一式を着込んでいる。鎧が傷だらけな辺り、派手に転倒したのだろう。腕も押さえていたので〈ヒール〉&〈ライトクリーニング〉をサービスしてあげたら、涙ぐんで喜んでくれた。半分くらい愚痴も聞かされたけど。


 取り敢えず、出発までは時間があるので、近場の空いている訓練場へ移動した。



 試作バイクは、一見すると太めの自転車だった。木製のフレームを鉄板で接合、補強してありゴツい。車輪も木製……と言うか、馬車の車輪の流用っぽい。勿論、エンジンは無いし、自転車のペダルとチェーンも無い。

 有るのは足を置くステップと、ハンドルくらいだ。いや、燃料タンクの位置に小さな箱が設置されている。そこから黒い配線が伸びており、ハンドルと前後の車輪の軸へ繋がっていた。


「ああ、それは魔力配線だ。搭乗者の魔力を、前後の車軸に設置されたゴーレム核へ届ける為の物だな」


 ……ゴーレム!? 馬車に使ったとは聞いていたが、実際に見るのは初めてだ。とは言っても、車輪の中心が岩になっているだけ。


「低レアのゴーレムは単調な命令でしか動かん。こいつは魔力を流せば回転する、それだけだ。おい、説明はこれくらいで良いだろ、早く乗って見せろ」

「了解です。っと、最後に一つだけ、ブレーキは?」


「無い。足で止めろ。馬車用をそのまま使えなかったから、新たに考案中だ」


 当然、揺れ対策は何もない。サスペンションとして油圧シリンダーは試作したが、油漏れが酷く、まだ使える精度ではないらしい。

 その為、シート部分も木が剥き出しのまま。自転車のサドルのようにバネ付きは難しいとしても、最低限として綿クッションくらいは提案しておくべきだったな。機構部分にしか、考えていなかったよ。


 試作バイクを支え持っていた助手君とバトンタッチする。自立させるセンタースタンドも忘れていた。

 まぁ、改善点として後で挙げれば良い。それよりも大事なのは、試作バイクに触っても拒絶反応が起きないことだ。やはり、バイクは馬ではない。当たり前だけど、馬にトラウマを持っている俺には重要なことだ。


 そんな木製バイクに跨がり、ハンドルを握る。そこには黒い配線が延びてきており、握り手の辺りで銀線になっている。新調した武器にも施されていたから分かる、魔力伝達用の銀だ。電気じゃないから銅線じゃなく、魔力伝達が良い銀が配線に使われているのだろう。


 それを握り締め、魔力をほんの少しだけ流す。鉄鍋調合で経験済みなので、いきなり大量に流すような愚は起こさない。ハンドルのグリップを捻ってアクセルを空けるのではなく、魔力と言うガソリンを流すのだから、慎重なくらいが良い。


 そして、ある一定の魔力を流した後、車輪が回りだし、ゆっくりと前に進み始める。


「おお! 動いたっと、っとと」


 低速だとバランスが取り難い。それはバイクでも、自転車でも同じ事だ。足で地面を蹴り、水平に戻しながら体感でバランスを取る。その感覚は懐かしい。


 ……ああ、大学通うのに使っていたな。折角、バイトして買った愛車だったのに、駐輪場に置きっぱなしだろうか?


 今となっては、知るよしも無い事だ。そんな思いを振り払うため、魔力の流す量を増やした。


 加速する。


 エンジン音もモーター音もせず。ただ、木製のタイヤが、地面の砂利を踏み走る音だけが鳴る。

 それと同時に、腕と尻に振動が痛いほど響く。


 訓練場は、見習い騎士達が持ち回りで整備しているため、大きな石は転がって無い。ただし、小石程度であっても、只の木の車輪では、ご覧の有り様だ。ジョブの補正で耐久値が上がっているので、痛みは我慢できる。でも、振動はキツいな。


 そして、訓練場の端の方まで来たので、カーブして戻ろうとした時、いきなりドリフトをしてしまった。

 いや、カッコいいからとか、受け狙いと言うわけでもなく、後輪が予想外に横滑りをしたせいだ。木製車輪のせいかグリップ力が弱いせいだろう……溝が掘られたゴムタイヤと同じ感覚で乗ってはいけないな。


 低速で緩やかなカーブを描くように曲がれば、何とか走れないこともない。木製のフレームからはギシギシ異音がするのが怖いけど……


 しばらく走ってから皆の所へ戻る。魔力を流すのをやめれば、途端に車輪が重くなり、減速し始めた。ある程度、減速してから足で止まると、興奮した様子のランハートが駆け寄ってきた。


「やはり、私の設計に間違いはなかったな!! 低レアのゴーレム核しか使えなかったのが残念だが、魔力消費は抑えられたし、何より木製でも耐えられる強度をだな……」

「確かに、これだけ走れる物が出来るとは思いませんでした。ただ、実際に乗ると、前の世界の物と比較してしまって……欠点も多いですよ」


 興奮を収める為、わざと話を遮ってダメ出しをした……のだけど、食って掛かられた。


「大いに結構! 欠点とは、言い換えれば改良出来ると言う事だからな! 研究対象が増えるじゃないか!

 何をボーッとしている、早う言わんか!!」


 ……ダメだこりゃ。諌めるのは諦めて、話すことにした。


 既に、アイテムボックスから紙とインク瓶を取り出し、メモの準備を整えていた助手君は、我慢強いな。奪い取るようにメモを始めたランハートの助手なんて、よくやっているよ。




「…………フレームは金属の方が良いですね。速度を出したり、曲がったりする時に、軋み音がしていましたから」

「ああ、木製なのは試作の作りやすさと、形状的に何処に負荷が掛かりやすいのか、調べるためだ。次はこの結果を反映させてミスリルで成形をだな……」


「工房長、それはエヴァルト様に却下されています。材料はチタンで発注しました」

「フンッ! 私は次の設計に入る! お前は、乗れるようになっておけよ!

 ザックスは、ダンジョンでゴーレムコアと、樹脂素材を集めて送るように!」


 ランハートはそう言い捨てると、近くに止めていた自身の馬車に乗り、帰って行ってしまった。助手君は試作バイクに乗れるようになってから、それで帰ってこいと言う事か。

 少し同情して助手君に目を向けると、それが伝わったのか、否定するように手を振った。


「いえ、工房は貴族街にあるので、歩きで大丈夫ですよ。あの無茶振りがあるから、お給料も多く頂いていますし……

 それよりも、乗り方を教えて下さい。」


「……ああ、了解。

 振動が軽減されれば、楽しい乗り物だからね。短い時間だけど、バランス感覚を覚えられるように手伝うよ」


 出発まで、練習している時間は余り無い。簡単にレクチャーした後は、実地で身体に覚え込ませる事にした。自転車の後ろを押さえるアレだな。先ずは低速でバランスが取れないと危ない。

 因みに、暇潰しに来ていたベルンヴァルトも乗りたがったが、却下した。飲酒運転は絶対に駄目。それに、俺が乗ってもミシミシ異音がしたのに、フル装備な巨漢の鬼人族が乗ったら、壊れること請け合いだからな。




「あ! また、変なことしてる~。馬?…………じゃないよね! 何あれ!?」


 甲高い声に振り返ると、アルトノート君が駆け寄って来るところだった。その後ろには、執事のシャルクレートさんと、護衛騎士が付き添っている。

 丁度、後ろを押さえなくても走れるようになってきたところだ。走る様子を見せながら、軽く解説して挙げていると、鐘の音が鳴り響いた。


「……ん? 11時の鐘か? って、出発時間じゃないか!」

「あ! お兄さんを呼びに来たのを忘れてました! みんな家の前で待ってますよ!」

                                    

 助手君へ練習の終了を告げて別れ、本館へ急いだ。余裕があった筈なのに、結局慌ただしくなってしまったな。




 遠目に見える本館の前には幌馬車と、人だかりが出来ていた。既に幌馬車に乗り込んでいるようで、中からレスミアが手を振っている。

 それに振り返しながら、足を早めた。

 そして、馬車にたどり着くと、呆れ顔のノートヘルム伯爵に注意を受ける。


「全く、遅いではないか。先方との約束があると言うのに……」

「すみません、試作の魔道具の実験と使い方を教えていたら、時間を忘れてしまいました」

「お父様、馬みたいな魔道具でした! 完成したら、僕も乗りたいです!」


 走る速度の関係上、シャルクレートさんに抱えられたアルトノート君が、目を輝かせてガッツポーズをしていた。


 ……あ、年齢制限の話をしてないや。期待しているところ悪いけど、乗れるのは成人の15歳以上にした方が良いよな。


「アルト、その話しは後にしなさい。ザックスも、魔道具の事は報告書にして送るように。

 時間がないので、挨拶も後回しだ。餞別にこれを受け取りなさい」


 隣からスッと、執事長がトレイを差し出してきた。その上には短剣が一本と、丸められた羊皮紙らしき物が乗っている。それを手に取るが、鞘だけでなく鍔や柄頭にまで装飾が施されており、実用品には見えない。柄頭が丸く平ぺったく、そこには短剣を咥えた鷲が描かれている。戦闘用には見えないので儀礼用かな? 


「その柄頭に施されているのは、アドラシャフト家の紋章だ。それを見せれば、貴族が後援する探索者という、身の証になる。銀盾従事章と合わせれば、同格の伯爵以下は無理強いをする事は出来ないだろう。困った事があれば使いなさい。

 そして、羊皮紙の方は、ヴィントシャフト領への転移ゲートの使用許可証だ。失くさぬようにな」


「ハッ、ありがたく頂きます」


 しまった、餞別まで貰ったのでは、婚約の件の苦情を言える雰囲気では無い。それも見越していたのだろうか? それが正解だったかのように、笑みを深めていた。


「良いことを教えておこう。ソフィアリーセ嬢とヴィントシャフト家に行く際は、今着ている装備品で行くと良いぞ。あちらは武を尊ぶ領地だからな。ダンジョン攻略に意欲があるところを見せた方が好感を得られるであろう」


「大丈夫ですわ、ノートヘルム様。ザックスですもの、上手くやるでしょう。

 わたくしからは、餞別と言うよりも試供品ですね。使い心地を試して、お手紙を下さいな。ソフィアリーセ様に1本差し上げて、宣伝もお願いね」


 トゥータミンネ様からは、3本の金属製のペン……いや、キャップが付いているから、ボールペンのようだ。



【魔道具】【名称:ボールペン】【レア度:D】

・本体にインク壺を内蔵した、新しい形態の筆記具。先端のボールが回転することにより、毛細管現象で引き出されたインクが、紙に転写される。錬金調合で一体成型をしているため、インクの交換は出来ない。

・錬金術で作成(レシピ:インク+チタンシャフト+チタンボール+チタンホルダー+銀線)



 日本のプラスチック製よりも重いが、薄いチタンなので、重量的には許容範囲だ。少なくとも俺が作った鉄製よりは使い勝手が良さそうだ。グリップ部分には銀の3本線が施されており、俺が言った改善案まで盛り込まれている。


「ありがとうございます。量産が決まったらレシピは買わせてください」

「ええ、約束ですものね。年末には一度戻っていらっしゃい。ソフィアリーセ様も招待する予定なのだからね」


「ザックス、ソフィお姉様にも宜しく、伝えて下さいませ」

「お兄さん、面白い物を沢山集めて来てね!」


 義理の弟妹を始め、集まっていた皆さんと言葉を交わす。その途中で御者席の方から、フォルコ君の声が上がった。


「そろそろ、時間です。出発します! 乗って下さい!」


 名残惜しいが、馬車に乗り込んだ。動き出す馬車の後ろから、手を振って声を上げる。


「それじゃあ、行ってきます!」


 2度目になる出発の挨拶は、1度目よりも自然に言えた。アドラシャフト家の皆と仲良くなれたせいか、この世界の帰ってくる場所と思えたからか。皆の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。






――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 と、言うわけで、2章のプロローグ終了です。

 いや、実際に書いてみると、この長さは1.5章とした方が良かったかも? タイトル付けするなら『縁の紡ぎ直しと新たな縁』みたいな?

 ええ、以前の後書きで、街編とは言っていましたが、アドラシャフトの街が舞台とは言っていないのでした。

 ただ、流石にずっとダンジョン攻略しないとか、タイトル詐欺でしかありません。そのため、文量を増やして突っ走る予定だったのに25話も掛かるとは……


 そろそろ、ダンジョンが恋しくなって来たので、ヴィントシャフト領ではさっさと行く予定です。

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