1ー死後確認

「死亡時刻は午後二時。」


一人の男が話し始める。


「えっと…」


「あの…」


俺達は混乱しているのでまともな反応が出来なかった。


「交通事故で…相手の注意不足による死だ。」


「はぁ…」


何故生きて(?)いるのか?…まず最初に聞きたい。


「現在、ニュース等で大事になっている、まぁ有名人だもんな。」


「は、はい…」


この人どこまで俺の事知っているんだろう…凄く怪しい。


「……状況の説明はもうこれで終わりだけど…まだ落ち着く時間が必要かな?」


「えぇっと…はい…」


まぁ必要だよね。混乱状況からいつまでも抜け出せない状態だもん。


「…うん分かった、まぁ…ごゆっくり。」


「…ありがとうございます?」


部屋には男性2人(?)、女性1人(?)のこの状況。1人の男が部屋から出ていく。この部屋生活感凄いんだけど、何これ、窓から見える外が凄い現代都会(小並感)。


「…優しい人だよな?たぶん。」


「まだよく分からないなぁ。」


「…出てってもらったけどなぁ。」


「何を話せば…」


先ずは状況確認。今出ていった男の名前は"テール"…らしい。更に彼によると俺達は"死んだ"らしい。

死んだ時の記憶がないんだよな……よく分からない。


「…死んだって本当かな?」


「でもそうじゃなきゃこの体の説明が…」


「うぅ…」


しかも俺達は今言霊みたいな感じになっている。…浮いてるのだ、魂が…?いや小さな炎といった方が…?

とにかく体が無いという事だ…感覚とかはあるのになぁ。テーブル触れるし、変な気分だ。


「優美はどうしてるんだろ…」


隣に座って?いる言霊は妻の彩…であると思いたい。いやせめて見たら分かる様な感じにして欲しかった…声的に多分大丈夫だけど。こうなると彼女も死んでいるのかな…。


「…本当に大丈夫…なのかな。」


「うんまぁ多分。」


「う~ん…不安だなぁ…」


あの子…優美は一応違う部屋に居るって、テールさん言ってたしな。…信用出来るかは別だけどね。あの人誰だよマジで。特徴というかせめて職業を…


「いやだけど大丈夫なんじゃないか?」


「なんで?」


「いや…ほら別に嘘ついてる様には…後理由も別にないんじゃないかって。」


「…う~ん」


不安しか無いけどな…

せめて落ち着こう…


2、3分後に誰かの会話が近づいてくる。扉が開くと声が鮮明に聞こえる様になる。


「…お。」


「えっ?」


誰か知らない人来た。テールさんも一応知らない人だけど、違う人だ。って言うか何その格好コスプレ?頭が某黒魔道士の見た目なんだけど、どういう原理で顔が?


「よっ!」


「"よっ"…っていや誰ですか?」


「案内係みたいな物だよ。後この子連れてきたぞ。」


「案内係?…あっ優美!?」


「あっパパとママ!」


なんで優美だけ身体が?

…っていうか"あっパパとママ!"じゃあないよ、どうして分かるの?

何か我が子ながら凄い落ち着いてるなぁ…

後誰その案内係さん、これ以上混乱させないで…もう理解不能だよ…

テールさん普通の服着てたよ?案内係さんも着てて欲しかったなぁ。


「…ほい。これでもう身体が見えるはずだ。」


「えっ!?あっ本当だ…」


「あれ?若くなってない?」


身体が一気に軽くなった!?これ16歳ぐらいじゃない?すげぇ!

という事は彩は…直視できん!見たら泣く気が…


「ねぇ私は?どうなって…」


「…ふっ。」


「え?ちょっとなんで抱きついて…」


こいつが惚れた弱みってやつか…泣くぞ?(泣きながら)

若い頃に自分が恋をしてるって気が付いた瞬間を思い出すぜ、くぅ~!

もう本当にどうなっているのか分かんないけど気分いいからいいや!(思考放棄)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る