くるるん×二期生、デートするならどんな感じ?
蛇道先生によるデート講座
【今度気になってる女の子とデートするんですけど、どんなところに行けばいいのかがわかりません! アドバイスしてください!¥2000】『ガラポンさん、から』
この話は、リスナーからのこんなスパチャから始まった。
それを声に出して読み上げた枢は、にししと楽しそうに笑ってから言う。
「う~わ、甘酸っぺえな~っ!! つっても俺、アドバイスなんてできねえぞ?」
【嫁がいる身で何を言っているのやら……】
【どんな若造かは知らんが、俺にもいないデート相手がいることが気に食わん!!】
【囲め囲め! 袋叩きにしてやるわ!!】
「うん、お前らはちょっと黙っとけ。今はこの悩める青少年くんにアドバイスをする時間だから」
嫉妬の炎を燃え上がらせたリスナーたちを窘めつつ、スパチャする金があるならデートの時に使えと言いつつ、唸りを上げる枢。
お金を出してまで自分に助言を求めてくれたリスナーの悩みを解決したいと考える彼は、経験が少ないなりに親身になってファンに寄り添っていった。
「無難なのは映画とか水族館だよな。遊ぶ、飯食う、解散! が一番わかりやすい」
【中高生の定番デートコースやな! でもわいは一度もしたことないで、ガハハ!】
【涙拭けよ】
【ここに仲間がいるぞ】
【朋友と呼ばせてくれ】
【デートってなんですか? 美味しいものですか?】
「うん、ちょっとお前らはスルーさせてもらうな。ただ問題は相手の女の子の性格とか趣味がわからねえってことだよなぁ……」
定番のデートコースも、相手の趣味から外れていたら意味がない。
せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、女の子の好みに合わせた楽しい一日を過ごしてもらえるようなプランを考えるべきだという枢の意見に対して、リスナーの間からこんな声が上がる。
【くるるんの場合はどうなの? 仮に二期生のみんなとデート行くことになったとして、どんなプランを立てる?】
「はぁ? 俺が同期のみんなとデートぉ? う~ん……まあ、参考になるかもしれないし、ちょうどいい話題だから話してもいいけど……そんな期待するなよ?」
なんとなく誘導された気がしなくもないが、自分の考えが悩める青少年の役に立つならばと普段ならば絶対に許可しない同期たちとのデートプランという内容の話題に触れることを許可する枢。
思わぬ展開に歓喜するファンたちの反応に苦笑しつつ、彼は早速話を進めていく。
「で、まあやっぱデートに必要なのは目的だと俺は思うわけよ。これを買うとか、何かを観に行くとか、そういうのがあればプランが立てやすいじゃん? それで言うならやりやすいのは……リア様じゃねえかな?」
【リア様!? 意外!!】
【ライブを観に行くとかそういう系?】
「うんにゃ、あの人の場合は食べ歩きとかに連れて行くのがいいと思う。ご当地グルメフェスとか、人気のお店が密集してるイベントとかさ。都会に行く機会自体が少ないからリア様なら何でも喜んでくれそうだし、話題が途切れる心配もない。ただ、はしゃぎ過ぎて周りが見えなくなる可能性があるから、そこはこっちが気を遣うべきだと思うけどな」
【ほへ~、なるほどなぁ~】
【リア様は中身幼女だから初心者向けって感じでもあるのか】
【こう聞くとくるるんのジゴロ感がすごい】
感心したり、やっぱりチャラ男じゃないかとツッコむリスナーの声を受けつつ、枢は具体的なリアとのデート案を語り始めた――
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