side 香恋
結婚式がもうすぐ始まる。
私たちを祝福するために、こんな山奥の教会まで来てくれた人たちはすでに、教会の中に。
幸博さんも入場している。
教会の外にいるのは、私と、私と幸博さんが育った施設の施設長さんだけだ。
彼女が、私の父の代わりとなり、エスコートにしてくれることになったのだ。
私たち、2人は家族との縁が薄い。
施設の人々は、私たちによくしてくれたし、入所していた子供たちはまるで兄弟のようだったけど、本当の意味の家族ではない。
そんな2人が愛し合ったからといって、家庭をもっていいのか、悩んだこともあった。
よくあるマリッジブルーだと、友達はいってくれたけど。
私たちは本当に悩んでいた。
そう、私だけでなく、私の悩みを聞いた幸博さんも不安を覚えてしまったのだ。
それだけ、私たちの家族がいないというトラウマは大きかったのだ。
その背中を押してくれたのは……
昔のことを思い出していた私は、歩いてくる人の気配を感じ、顔を向けた。
「古杉さ……」
ではなかった。
歩いてきたのは、先ほど、幸博さんが紹介してくれた熾火さんだった。
いや、彼だけではない。
青みがかった黒い髪に、青い瞳を持つ外国人の青年と、黒髪に黒い瞳の人形の様に美しいメイドさんだった。
あまりにもちぐはぐな3人
だけど、その表情は険しい。
まるでこれから戦場に向かう兵士のように。
*** シーン Others ***
香恋:「あなたたちは……」
新婦が3人を不安そうにみます。
サファイアのはめられたティアラ
少しサイズのあわない、借り物のドレス
新品の長手袋をしています
咎:「あぁ、えっと、お似合いですよ……?」
香恋:「ありがとうございます」
香恋:「みんなから借りたり、作ってくれたりしたのです」
香恋:「サムシングスリーにしかならなかったけど」
咎:「……あー……、なるほど?そういうことか…」
蒼:「そう……、ですか……」
アッサルト:「……なぜ、古いものは用意できなかったのですか?」
香恋:「私も彼も、施設出身で……」
香恋:「両親も、血縁もいないからです」
香恋:「それでもいいんです、あなたたちから始めればいい、って、彼の上司さんも言っていましたし」
香恋:「それでもちょっと寂しいは寂しいですけどね」
香恋:「彼が尊敬していた上司さんもなぜか結婚式の出席を断ってしまったし」
香恋:「彼もそれだけは凄く残念そうでした」
香恋:「ねえ、上司さんに何がおきているんですか」
香恋:「あの写真は確かにあの人でしたが、あの人はあんな雰囲気の人じゃなかった」
香恋:「あなたたちは何をしにここにきたのですか?」
咎:「あー……、そうですね、なんといえば良いんでしょうか、祝いに来た……って感じですかね」
蒼:「まあ……熾火君の言う通り……ですね」
アッサルト ボソッ「……一番怖いのは、無関心・無興味だ」
その時であった
山のほうから鳥が一斉に飛びたった。
鳥たちが魔獣の放つ邪気に気づき、一斉に逃げようとしたのだ。
このままにしておけば、魔獣である彼女は結婚式場までたどり着くだろう。
蒼: 外に行きましょう
咎:「そろそろだな…あぁ、結婚おめでとうございます」
咎:お外にでて向かい打ちます
GM:すぐそばで戦いますか?
蒼:どうしようか?
アッサルト:遠ざけましょうよ
蒼:せやね
咎:ここで何か起きたら結婚式自体がなくなる、それは避けたいのでそうだな…駅近くの広場まで?
蒼: とりあえず少し離れた所で戦いましょうか
******
3人は私に一礼すると、山のほうにむかって駆け出した。
いったい、何が起きているの?
私にはわからなかった。
このまま、結婚式を迎える事ができるのか
私は不安だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます