第2話 真相とこの世
「ミノル、俺とお前で世界を変えてみないか?」
「?どういう意味だ?!」
…しーん。
女はしゃがみこんで顔を手で覆う。僕は意味が分からない。
「まあ、、説明が足りなかったな、ミノル、俺の名は…」
女が話そうとした時、
ーギリギリ!
僕の城夢隊専用通話機が鳴る。すぐさま僕は出る。
「ミノル!遅い!帰ってこい!!!」とヴィラン中佐に仕える少尉が
呼んでいる。怒ってるから早く帰らないと!
僕は「ちゃんと食べろよ!」と言って走った。彼女の顔を見ずに…
訓練の時間にギリギリ間に合った僕は城夢隊の建物に入り
自分の寮の部屋に向かう。すると、
「おい!一ノ瀬ぇー」
「笹倉(ささくら)さん、、」
角から現れたのは僕の一期先輩の笹倉さんたち3人。
「今日もE判定だったそうじゃねーかww」3人は笑いながら言った。
「どこでそれを?」戸惑いが隠せれない僕。
「少尉に聞けるんだよ。俺くらいのレベルになるとな!!
しっかし、Eとは、、、ウケるなww」
そして今日も僕は暴言を吐かれながら暴力を受ける。僕が低いレベルの
事の話から笹倉さんたちは上司の愚痴に繋がる。そして
僕が同意しなかったり頷かなかったら腕を思いっきり叩かれたり、
摘まれたり、でも僕は反抗しない。怖いからとかじゃない。
僕が要らない存在だからだ。
やっと自分の部屋に入れた。資料もペンで悪口が書かれている。
きっと笹倉さんたちだろう。まあ、仕方ない。
無くしましたって嘘ついてまた貰わないと、
僕は氷で腕を冷やす。真っ赤に腫れている。どーでもいい腕だが、
すると、
ーコンコン 僕は長袖を着る。
「中佐だ。」
えええ!!!ヴィラン中佐?そんな所までおいでに!
僕はドアを開けながら「ヴィラン中佐!言ったら僕がそちらに
おじゃましたのに、、、わざわざ寮まで、、」
中佐は笑って「いいんだ。」うわぁー、なんて優しい方なんだ。
「それより女の具合はどうだ?」
あの廃校の女。
「獣のような臭いがしました。」
「そうか、、」とヴィラン中佐は椅子に座る。
「それと!紫気?とかなんとかを使い鎖を取ってしまいました。」
あ、僕はいま我に返って気がついた。鎖と取ったなら脱走する。
僕は、「すいません!なにも近づけなく鎖は地面に落ちたままです!」
やばい、怒られる、、今すぐ女を探さないと!
「大丈夫だ。廃校から出られないように見えない網を張ってある。
張ってることくらい彼女も分かってるはずだ。君への威嚇に使ったのだろう」
「はぁー」そーだったのか、、ほっとした。
「そうでないと鎖なんて彼女にとってはスライムにすぎん。」
紫気の事や、見えない網、彼女は何者なのか聞けば良かったが、
ヴィラン中佐は聞く隙も作らず帰った。
あの女はルカルト王国にとって大切な存在なのだろうか。
ヴィラン中佐のことを知っているようだったし、彼女は、、、
【俺とお前で世界を変えてみないか?】
あの言葉が頭から離れない。僕は蹲り(うぐまり)気づいたら目を閉じ
ていた。
朝4時、僕は急いで廃校に向かった。本当は彼女には会いたくない。
彼女は僕の全てを知ってるように話してくる。
「よおー、おはようー」
と彼女は片手で逆立ちしている。化け物だ。
黙って僕は帰ろうとした時、
「ん?なんだ?この臭い、」
女は鼻をクスクスする。いや、お前の臭いだよ!をツッコミしようと
した時、女が僕に近づいてきた。
「なんだよ!?」
女は首を傾げ(かしげ)、「お前、腕見せろ!」と袖を引っ張る。
「やめろ!!」怖い、見られたくない!
しかし彼女の力は半端ない威力。腕で見えてしまった。
「お前、、これ..」彼女は初めて戸惑いの顔を見せる。
「だからなんだ、お前は関係ない。」
彼女は真剣な顔で
「ミノル、お前、暴力受けて授業の点や訓練で力の発揮が出来てない
んじゃないか?こんなん(ミノルの腕)で腕立てなんでしたら、、」
「うるさい!黙れよ!」
と言って帰った。まただ、弱い心から逃げた。気がついたら泣いていた。
こんな僕の弱音、誰が聞いてくれる?要らない僕に。
あの女に食事をあげるのは朝と夜。
昼ー食堂でご飯を食べていた。もちろん僕の周りには誰も居ない。
「一ノ瀬ぇー」
「笹倉さん、、、、」
カレーを食べていたら笹倉さんたちが来た。今度はなんだろうか。
「一ノ瀬、腕見せろ」
嫌だ。怖い。
「無理です。」僕は初めて笹倉さんに抵抗した。
「無理ぃ?笑わせんな。お前に拒否権なんてねぇよ!」
「一ノ瀬の権利なんてねぇよ!」
左右からそう言われる声が聞こえる。
「僕は生きる権利がない。抵抗もできない。意味がないから。生きてても…」
僕は頭を抱えて言う。
「分かってんじゃねぇーか!ほら腕を見せr……」
ーガンッ!
突然誰かが笹倉さんを背後から後頭部を殴った。
「てめぇー!よくも!」横の2人も簡単に蹴ったり殴ったりして
殺られる。食堂はまだ人がいて、とても静かになった。
「お前は、、」は上を見て、
「待たせたな!ミノル!行くぞ!」
そこにいたのはあの女だった。
「お前!どこかr…」
言う間もなく女に手を掴まれて僕と女は寮を出た。
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