NICOLA

門藤 アズマ

第1話 ありもしない神

「ロイズ!!!」

!?ー目が覚めた頃には遅かった。俺の周りには沢山血が飛び散っている。

そして目の前には俺が尊敬していたー師し、、、

突然目の前がぼやけて暗くなった。

この事件で俺の人生は陰と陽がひっくり返った。


「はぁーー、」

僕の名は一ノ瀬ミノル。工業国の温凝(オンギョ)帝国が戦争にまで

爆裂する勢力を阻止する為、僕達ルカルト国民は自然隊という郡を

作り、世界の軸が傾かないように制御している。

しかし自然隊にも「位」というのが存在する。そして今日も。

「E判定かーー、」悔しくも恥ずかしくもない。

ただただ出来損ないの自分が大っ嫌いなだけだ。呆れた。

今日も港町の浜辺に座りため息を着いた。

同期はみんな僕を追い越して英雄となり大きな成果を残している。

それに比べて僕は………

「はぁー」ため息が止まらない。

すると、

「君が一ノ瀬か?」

振り向くと同時に聞き覚えのある声に心臓がバクバク言っている。

「ヴィラン中佐!?」

中佐は頷いた。緑色の真剣な目が僕の背筋を凍らせる。着いてこいと

言う意味だろう。中佐が歩く方向に僕も小走りでついて行った。


有名な画家の絵に白馬に乗った戦士の銅像など沢山豪華な物が置かれている。

自然隊には3つの軍を取り仕切る3人の中佐が存在する。

城夢ヴィラン中佐は軍のリーダーの一人で僕のボスでもある。

そして城夢隊の尊重でもある。

ヴィラン中佐は大きな椅子に腰をかけ、

「君はここから徒歩六分くらいの所にある廃校は知ってるか?」

ハスリー高校、、ハスリー町唯一の高校だったが子供の人口が減って

今はハスリー町は城夢隊が占領している為上京していく人が年々

増えている。

僕は戸惑いながらも頷く。

「君にはそこの食料係を頼みたい。」

???どういうこと?

「食料係?まるで何かが居るみたいに、」

「そう、」と言って中佐は立ち上がる。窓の方を向いて、

「刑務所から何度も抜け出す女が監禁されてるんだ。しかし詳細は

言えないが処刑することは出来ないため我々城夢隊が引き取った。」

後ろで腕を組んでいる様子は何か圧を感じる。

「………」声が出ない。

「ここの入口の所に夜の部の食料分を置いてある。

やってくれるな?」

この凄い圧だ。息すらでない。これがボスの力なのだろう。

詳しい情報提供されずこれは断るのが適切なのだろう。しかし、

「はい、分かりました。」


「ここがハスリー高校」

思ってたより殺風景だった。来るまでに人通りが減って、

僕の周りには誰も居ない。僕は食料が入ったダンボールを持って

廃校に入る。

(入って1階の東にある理科室、、)

見た目は昔の造りだった。靴箱の前には階段が繋がっている。

裸足で歩けないくらい砂が積もっている。僕はそのまま土足で入った。

??

何か威圧、、獣の臭い?沢山気が混じって苦しい。

それは理科室に進む事に酷くなる。

(女の気配か?女はここに最近来たばかりと言うが臭いが染み付いている。)

「よぉー、」

僕はこの光景を疑う。理科室の奥で鎖に繋がれた女が笑っている。

「お前、俺の飯くれるのか?」

と、楽しいそうだ。……俺?気持ちは男なのか?

僕は驚いたことが起こりすぎて声がでない。それに女はため息をついて

ーガンッー

なんと両腕に繋がれていた鎖を女はちぎった。地面には鎖の破片が

飛び散る。これは!中佐に伝えないと!!!

「おい!やめろ!」

僕は震えながら刀で驚かす。しかし、

「はあ、ヴィランの権力も弱くなったもんだな。お前、今俺が

したこと分かるか?」とまたため息。

女の長い赤の髪が揺れる。……したこと?なにか力を入れ白いものが見えた。

僕が戸惑っていると……

「紫気すら知らないのか、、」

「紫気?なんだそれは!!!」聞いた事も今始めてみた。

「いいから刀下ろせよ、そんな弱い心じゃあ俺は殺せない。」

僕が弱い心?……図星を刺され痛い。見抜かれていたとは、

「とにかく食事は置いてあるから食べろよ!」

僕が帰ろうとした時、

「また逃げるのか?」

「え?」

女はパンを咥えながら言った。

「弱い心からまた逃げるのかって聞いてんだ。」

なんでそんなこと言うんだ。どうして分かるんだ。なんで、、僕は

逃げているんだ。僕は一体、、、

女はパンを飲み込むとニヤリと笑って、

「名はなんだ?」

い、、言った方がいいのか??しかし僕はすんなり

「一ノ瀬ミノル」

横を向いて俯きながら小さく言った。

「ミノル、、いい名だな、………よいしょ」と女は立ち上がり、

そして、「ミノル、お前と俺で世界を変えてみないか?」


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