第1夜

アルデバラン学園①

朝日が部屋の中を照らす。外からは鳥のさえずりが聞こえる。すると、ベッドから1人の青年が降りてきた。


彼の名前はアルファルド。


アルファルドは寝巻きのまま、部屋を出てリビングに向かう。彼は父と子の二人暮しをしているが、仕事で忙しい父は中々家には帰って来ないため広い部屋で1年のほとんどを1人で過ごしていた。アルファルドはトーストを作り手早く朝を済ませると、急いで制服に身を包んだ。



彼は17歳。これから高校に行くのだ。寝起きでボサボサだった髪を整え、学校の厳しい校則に引っかからない程度に髪を遊ばせる。


準備が終わった頃、家のチャイムがなった。


アルファルドが出ると、そこには毎朝迎えに来てくれるアルファルドと同じ制服を着た幼なじみの姿があった。



「おはよ〜アル〜」


ゆる〜い感じてアルファルドのことをアルと呼ぶ彼の名は、ミアプラだ。家が近いため毎朝こうして迎えに来てくれる。



『はよ。鞄取ってくる。』


アルファルドはそう言うと、自分の部屋に置きっぱなしの鞄を取るためまた家の中へと入っていった。



『ごめん。待たせた、行こ。』



「おっそいよ。早くしないと遅刻するよ。」



『本読んどいてどの口が言ってんだよ。』



「うっさい!行くよ!」



人の家の玄関に座って本を読んでいたミアプラをからかうとミアプラはちょっと怒って先に家を出た。アルファルドは家の鍵をきちんと締めると小走りにミアプラのことを追った。



「ねえ、アル、今日天気良すぎない?」



『そうだな。日差しがうざったいぐらいだなぁ。天気予報では今日は雨だって言ってたんだけど。』



「天気予報なんて当たるはずないじゃん。」



肩を揃えて歩いて学校へと向かう。学校は近くもなく遠くもない距離にある。部活に入ってない俺たちはいい運動だと毎朝歩いて登校している。



ミアプラと話しながら歩くこと数十分後やっと学校が見えてきた。っていうのは嘘で、学校の校門が見えてきた。

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