第53話 一応一区切り。
「よっしゃあァァァァァァァァァァァ!私らの勝利!勝った!これにて一件落着だぁぁぁぁ!」
雪は悪役さながらの笑い声を発しながら、拳を天高く振り上げてようやく眠ることができることに歓喜した。
『ああ…これで、ようやく夜眠って昼まで2度寝できるニート生活が送れる…!』
「いや、ニートにはさせねぇよ?」
『と、とにかく…問題解決を祝して、学院の食堂でパーティやるらしいから、早く行こうぜ!』
♣︎
2度目の学院内の食堂。人がごった返していた学院内はがらんとしていてマジで違う場所にいるみたいである。ここなら全裸でブレイクダンスができそう。
そんな食堂を豪勢に使い、酒や見たことない料理…
「あ、ケバケバがある…食べよう…」
だから一体なんなんなのだケバケバとは。貴族が集う学院内でも普通に振る舞われるケバケバとはなんなのだ…
「さぁさぁ諸君!今日は祝勝会!遠慮せず飲み食いしてくれ!どうせ教職員と、我々生徒の昼飯がなくなるだけだからね!アッハッハッハ!」
す、すげー!生徒会長太っ腹!エロ本は出すの躊躇うくせに途端に飯のことになるとどうでも良くなっている!
「三度の飯よりエロ本が好きとか、1番嫌だな…」
『あいつの3代欲求は性欲、性欲、性欲なんだ。察してやってくれ…』
「聞こえているよ!3度というのはいささか失礼だろう!私ならその810倍はいける!」
『イキスギィ!』
「お前ら…頼むから1回だけ黙ってくれないか…」
さて、そんなこんなで開幕酒を樽ごと飲みだそうとする貴族らしからなる豪快な飲みをする生徒会長。
何やら、マインの方向を見ながらキラキラと目を輝かせているエイル。
キメラを宥めているマイン。
そんな惨状の中に俺は全員性的な目で見るという職務を執行していた。
ちなみに、雪はケバケバを貪っている。時々「うまうま」と呟きながらなれないフォークとナイフに悪戦苦闘する雪にも俺は興奮していた。
むしろ、こんな美少女(1人男)だらけの空間で興奮しないのは逆に失礼ではなかろうか。
『雪ー!俺にもくれよ。ケバケバ!』
「え?お前も食いたいの?」
正直にいえば、妹が食ったものをそのまま食いたいだけなんだが…
雪は俺に主導権を代わって、俺はケバケバという謎料理を貪った。
謎のクッキーみたいな食感。カニみたいな味に、サクッとした後はなんかモキュモキュする食感が襲い、おどろおどろしい色のスパイスからは心地よく辛味が押し寄せる…
不味い!
「うぎぎぎ…」
『雪。もうそんなの諦めて手で食おうぜ〜』
雪が未だにケバケバに悪戦苦闘しているようで、俺は生徒会長を目で見て言った。
『な?あれが貴族の正体ってやつだよ。ケバケバ普通に素手で触って、その手で女の子ナンパして、酒樽1個飲んじまってる』
「普通に酒樽を1本飲み干すのは異常だと思うんだけど…」
♣︎
その後もどんちゃん騒ぎは続き、帰る頃にはもう深夜になっていた…
学院で酔い潰れたしまった生徒会長は、マインに介抱してもらうことになり、そんなマインは、自分どころかキモキモキメラどもにまで言い寄ってきたと泣きべそかいて、俺たちはエイルと帰路についていた。
「……月が綺麗ですね…」
「え?てぎくろうどせの?」
『すげえ!五十音から的確に1文字ずらして答えてきやがった!』
…………………………………
…ほんとにこの異世界。まだ数日だと言うのに…いろいろなことがあったなぁ…妹にセクハラしたり、妹を弄ったり、風呂に入ったり…
まさか、同じ体にはいっちまうとはなぁ…
てか、俺たちサラッと異世界ラノベみたいなことしてね!?そう思うとめちゃくちゃ興奮する!
この現象を…ラノベ的に言い換えるとするならば……
「愛しの妹と…異世界で合体した…ってところかな…」
俺がポツリと夜空に向かって呟くと、酔い顔のエイルがつっかかってきた。
「え?なんですか?えっちい話ですか?卑猥な話ですか?その話…詳しく聞かせてくだしゃい!」
「いいだろう…あれは中1の妹が怖い夢を見たって、俺と同じ布団にはいってきてな…当然そのまま何も起きないはずがなく…」
『何も起きてねぇよ!そもそもお前の布団に入ったことがない!クソ兄菌がうつる!』
…そこまで言わなくてもいいのでは…?
………
はいはい。言い直しますよ…愛しの妹と異世界で(精神的に)合体した。
『いやなんでかっこなんだよ!なんか余計に変な風に——』
♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎♣︎
とりあえず、ここでこの小説は一区切り、と言うことにしておきます。
また1ヶ月とか過ぎたら普通にまた投稿し始めると思うので、その時はまた、よろしくお願いいたします!
そして、ここまで読んでくださりありがとうございました!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます