第19話 族長ガチ勢
ふてぶてしいウィルさんが畏まっている。
多分こんなところでBL本読んだらタコ殴りになるのではないかと…
「アンタが族長〜?」絡むなよカラカラちゃん。
「ほほっ、魔族が訪れるのは久しぶりじゃて、ウィルよ」族長は威厳たっぷりだ。
「低俗な悪魔を引き連れてきてしまい申し訳ありません。しかし、ドワーフ族のお力をお借りしたいのです。またおそらくドワーフ族にも利益があることのため馳せ参じました。」ウィルさんがのたまう。
「ほほっ、悪魔が交渉しよるわい」族長らしくするどい。
「族長に渡して下さい。ズーコさん」何を言い出すウィルさん、この緊張した場で私の日記を!!地下牢にいれられるヤツやん。
「嫌です。」
「ほほっ、断られたぞウィル」あごひげを触りながら族長はこちらを見ている。
「こちらのサキュバスは、イドズーコ。マナの可能性を広げるかもしれない悪魔です。」
「マナの可能性とな」
「そうだぞ〜、カラカラちゃんが見つけたんだからね〜。ズーコは凄いんだぞ〜。」カラカラちゃん酒臭い。
「お嬢さん、読ませてはもらえんじゃろか」ロマンスグレーオジサマに言われたら私イチコロの言葉にクラッとした。
「族長様には気分を害されないか心配です。」私はビビりながら申し上げた。
「よいよい。なんでも経験じゃて」さすが族長、器がデカい。
「怖れながら献上します。」
うやうやしく私はまさかの私のBL日記を差し出した。
族長は黙って私のBL日記を読みだされた。まさか私の性癖を位の高い人に読まれる日が来るなんて、生暖かい遠い目になりながら族長を待っていた。
「ふぅ」族長は息をつかれた。殺されそうかな私達。
「……!!」細い族長の目が開かれた。
「感動した。」……ハァ!?
「漢同士の熱い友情、そしてそこにながれる愛。素晴らしい仕事をしなさったなお嬢さん。」きゃヤダー
「この文房具?という道具同士の話はよくわからないが、物に命があるという考え方を精霊以外から教わるとは思わなんだ。」なんだか高評価。良かった〜地下牢行きじゃなくて。
「それで あの〜族長様、男同士の衆道なんて大丈夫なのですか?」
「お嬢さんは知らんのかな?我々ドワーフは愛に男も女も関係ないんじゃ。精霊じゃからな。深い愛はドワーフに置いては良い仕事につながるから、むしろ推奨しとるんじゃ」
なんですと!!ドワーフはガチ勢だったのか!!これはメモして置かねば!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも御読みいただきありがとうございます。
作品・続きにご興味をお持ちいただけましたら星やお気に入りをいただきますとうれしいです。
また、私が泣かない程度のコメントをいただけますと励みになります。コメント頂けましたら幸いです。
ぶりーき
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます