第14話
仁さんは刃物でめった刺しにされて死んでいた、
有莉朱さんは何処からか額を撃ち抜かれた
楓さんは、まだ刃物を持っているかもしれないし、
まだ、どこかに仕掛けがあるかもしれない
私は不自然に周りを見回してしまった
私は、死にたくない
「まーいいや、雑談し過ぎちゃった
もう殺すね」
「カエデ、もう罪を重ねるな、
やめろ」
楓さんは、どこからかナイフを取り出し、
律人さんの言うことを無視し、私と晴の方に向けた
やっぱり、殺意を持たれていた、死にたくはない、逃げるしかない
私と晴は部屋を出たが、
楓さんはナイフを向けたまま追いかけようとしてくるが、
律人さんに止められている
やっぱり、楓さんは変わってしまった、
いや、こっちのほうが普段の楓さんなのかもしれない
「ねぇ、涼香ちゃんって、運動得意?」
走りながら、晴に聞かれた
「今そんなこと言っている場合じゃない、それに、苦手でも逃げるしかないだろ」
実は、私は運動が苦手だ
今だって、微かな希望を見ているだけで
生きられる気がしない
そう言っても、何度も言っているが、
死にたくない
だから今は、走って逃げ続けるしかない
「苦手って顔してるよ、大丈夫、何かあったらボクが守るから」
「今は自分を一番に考えた方がいいぞ」
晴は黙り込んでしまった、私、何か悪い事言ったか?
「あっはは!見つけた、見つけた!」
「っ!追いつかれた、、、」
「結構、絶体絶命かもね、、、」
楓さんは、律人さんを振り払ってきたようだ
私達の後ろには、たまたま扉があった、
図書室への扉だ、
私達は迷いなく図書室へと入り、扉をロックした
「ねぇねぇ、部屋に入って助かったと思った?
ざんねーん、私、マスターキー持ってるんだ!」
そう言うと、扉のカギがガチャッと開いて
楓さんが中に入ってきた
私達は、とっさに左の本棚の影に隠れた
「あれれ?居ないな~、どっちの本棚かな~」
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