第13話

私は脳内の整理が出来て、ただ一言だけ声に出せた


「晴は、私の事が、憎いか、、?」


嫌われたくない、

『そんな事ない』って、言ってほしい

でも、楓さんのいう事が本当なら、

私の父親のしたことは、晴に憎まれてもおかしい事は何もない


晴はしばらくの間無言だった

そして、口を開いた


「そんな事ないよ」


それは、私が一番欲しかった言葉だった

晴は笑顔で続けた


「だって、涼香ちゃんは涼香ちゃんでしょ?

 もし、楓ちゃんの言うことが本当でも、親の罪は子供には関係が無い

 涼香ちゃんには関係ないよ」


「ありがとう、晴」


晴の優しさに泣きそうになる

晴は、『涼香には関係ない』と、言い切ってくれた

それが、本当にありがたかった


「はぁ⁉なんで!なんでよ!

 わたしは、過去、ずっと苦労してきたのに!

 その考え方のできない人間のせいで、ずっと、ずっと!

 濡れ衣なのに!なんで本当の犯人の娘が、何も言われないの!

 わたしは、ずっと、ずっと蔑まれて

 嫌われて、ずっと避けられてきたのに、、、」


少し、怖い

幼い子のように喚く姿に、恐怖と狂気を感じたが、

話していくうちに、どんどん元気がなくなってゆく

そこもまるで子供のようだ


話を聞く限り、過去に避けられてた事があったんだろう

いじめにでもあっていたのだろうか


「落ち着け、落ち着けカエデ、ハルの言う通りだ」


律人さんは楓さんをなだめながら、晴を肯定をする様な事を言った

律人さんも、狼なはずだが、、、


「え、、、?なんで、、、?

 なんで、リツトまで、、、?数少ない私の味方なのに、、」


「当たり前だ、やっぱり、こんな事、こんな復讐劇、間違っている」


、分かっているのに協力してしまったのは

従妹への同情などからなのだろうか


私だって、律人さんと同じ状況なら、協力してしまうかもしれない

私だって、楓さんと同じ状況なら、復讐するかもしれない


ただ、全部ifストーリーだ、今の私には、関係ない


今は、生き残ることを考えなくちゃいけない

いつ、殺しにかかってくるか分からない


さっき、律人さんが言ったみたいに、復讐劇なら

私達に殺意を持っているかもしれない

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