第12話

「気になってたんだ、あのノートを見つけた時から、

 そして、間違いだと思いたかったんだけど


 楓ちゃんの顔が、逮捕された男性の顔とそっくりなんだ」


逮捕された犯人の顔とそっくり?

楓さんは女性だから、犯人ということはないと思うけど

血縁関係があれば、顔が似ることもあるだろう


「犯人と、血縁関係があるということ、ですか、、?」


「あっはは!すごい!すごい!もうそこまで進むなんて!

 そうだよ、わたしは犯人として逮捕された男の娘だよ

 それに、リツトはわたしの従兄」


律人さんと楓さんの間に繋がりがあった事も驚きだが


犯人の娘、ちょっと言い方が引っ掛かった

、本当に犯人なら

という方がいいんじゃないだろうか


「ねえ、わたしのこと、嫌い?犯人の娘だから

 うざい?キモい?ねえ」


「、、、」


「落ち着け、カエデ」


楓さんは人が変わったようだ、

優しそうだったのに、今は狂ったように晴に話しかけて、

律人さんに止められている


晴は、なんだかとても辛そうで

唇をかみしめている


「でもね!でもね、私恨んでもなんも変わんないよ!

 だってさ、だってださ、私のパパは犯人じゃないんだから!


 本当の犯人は、



 スズカ、あんたの父親だよ」



もう、15年会っていない、私の父親が犯人、、?

理解ができない、私の父親が、本当に、、?


「あんたの父親の身代わりで、わたしのパパは逮捕されたんだ

 あんたの父親は病気で死んだっぽいけど、わたしは許せなかった

 事件に関係する人物を調べに調べ続けた

 

 ジンは、わたしのパパを逮捕した、

 当時新人だったから、随分と褒められたってよ


 アリスは、パパに有罪判決を出した、

 自分の出した判決答えに疑問を持ちながらも変えることは無かった


 ハルは、わたしのパパの顔を見て

 『この人が殺した』って、本当は憶えてもいないくせに


 あんたは、本当の犯人の娘

 それが、普通に生きてきたことが憎くて憎くてたまらなかった


 だから、今、あんたがここにいるんだよ」


そんなの、そんなの、


「とばっちりじゃないですか!そんなの私、関係ないじゃないですか、、」


私は関係ない、父親が、

楓さんの言う通りなら、人殺しなだけで

私は、普通の女子高生だ


しかも、父親とは、2歳のころに生き別れている

なのに、なんで私まで

人殺しのレッテルを張られるような事しなきゃいけなかったんだ

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